白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

AlphaGo自己対戦 第2局

2017年09月09日 23時07分57秒 | AI囲碁全般
皆様こんばんは。
本日は永代塾囲碁サロンで講座と指導碁を行いました。
お越し頂いた方々、ありがとうございました。
9/17(日)にも別のイベントにゲストとして参加します。
本日はMasterの打った手が題材でしたが、そちらでは三谷哲也七段との対局を自戦解説する予定です。
負けた碁ですが、面白さ優先ということで・・・。

さて、本日は久しぶりにAlphaGoの自己対戦をご紹介します。
一応順番に進めますが、更新頻度は期待してはいけません(笑)。



1図(テーマ図)
三連星は近年のプロの対局ではあまり打たれなくなりましたが、AlphaGoが採用しているのは意外でした。
また、右下の例のノゾキも目を引きますが、この場合すぐに滑りを打っているので、あまり違和感はありません。

さて、黒△とコスミツケた場面です。
これは根拠を奪うための常套手段で、白Aと伸びれば黒Bあたりに挟んで攻めようというのです。
それは一方的に攻められて、白が面白くないので・・・。





2図(変化図)
多くの棋士は白1などとかわし、黒2に白3という進行が思い浮かぶでしょう。
白△は痛みますが、代わりに黒△を攻めて主導権を握る狙いです。
実際、Masterの名前ではこれと似たような打ち方をしていましたが・・・。





3図(実戦)
実戦は白1といきなり三々に入りました!
Aに白石があるときは当たり前に打たれる手ですが、何も無い状況で打たれることは極めて珍しいです。
黒4に対して、白Bと引くようでは苦しい生きになりますが・・・。





4図(実戦)
白1、3と反発しました。
そして、黒4の攻めに対して白5と手抜き!
現状、白△、白×、そして白3子はどれも生きていません。
訳の分からない打ち方に見えるでしょう。
正直なところ、私にもよく分かりません。

ただ、生きていないと言っても、どの石にも脈は残っています。
黒としても一度に全ての石を取り切ることはできないのです。
つまり、三連星の黒模様をそっくりそのまま黒地にされることを防ぎ、一定の大きさに制限したと考えられます。

と一応理屈は付けられますが、では私がここから白を持ちたいかと言えば、あまり自信がありません。
バラバラになった白石を上手く捌く能力が求められるからです。
碁はこんなに難しく打たないと勝てないのか、と思ってしまいますね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする