「天道虫(てんとうむし)の会」

私たちは、今井信子さんのライフワークでもある「ゆらぎの里」での音楽活動に賛同して、「天道虫の会」を立ち上げました。

第13回ゆらぎの里ヴィオラマスタークラス2017レポート(その3)

2017-03-02 19:04:00 | 日記

諸角さんのレポート(その3)です。

 

 

 

私が見た素晴らしいこと(2):ヴィオラマスタークラスの仲間たちのパワー

小樽ヴィオラマスタークラスは、ヴィオラ奏者今井信子さんと小樽ヴィオラマスタークラス実行委員会事務局代表高野るみさん、それを支えるNPO法人小樽・朝里まちづくりの会の皆さん、そして様々な才能あるいは行動力を発揮する仲間たちが生み出すパワーが凄いのです。ヴィオラマスタークラスの仲間たちは、日々のレッスンやコンサート等が心地よくスムースに運営されるように持ち味を生かして頑張っています。その結果、ヴィオラマスタークラス全体のプログラムの付加価値が一段と高まっていると思います。

例えば、3年前から今井信子さんのチャレンジングなテーマはバロック音樂あるいはバッハ音樂の理解で、バッハ博士こと大槻晃士さんを招聘しています。大槻晃士さんは、今年もバッハなどバロック音楽の作品のレッスンの講師を務め、バッハ塾を開講して小樽ヴィオラマスタークラス仲間としてその才能をフルに活かして小樽ヴィオラマスタークラスの付加価値を高めています。ここでは、小樽ヴィオラマスタークラス2017を見て素晴らしかった、大槻晃士さん以外の他の仲間たちのパワーをご紹介します。

小樽ヴィオラマスタークラス2017を成功に導いた主役の一人はヴィオラ奏者であり編曲者小早川麻美子と言っても過言ではないでしょう。2013年からスメタナ:交響詩「わが祖国」からモルダウ(ヴィオラ四重奏版)やマスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」から間奏曲(ヴィオラ四重奏版)等、その後モーツァルトのヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K364(弦楽四重奏曲版)の編曲を手掛け、最近は彼女のプロフィールにあるように、ヴィオラスペース2015にバッハ/ブランデンブルク協奏曲第3番 ヴィオラ合奏版(小樽ヴィオラマスタークラスによる委嘱作品)を寄稿、その模様がNHK-BSプレミアム「クラシック倶楽部」でも紹介され、待望のヴィヴァルディ/協奏曲集「四季」(ヴィオラ合奏版)全曲の世界初演が、小樽ヴィオラマスタークラス2016及び小樽ヴィオラマスタークラスin台湾2016にて行われました。

今年は小樽市民センター・マリンホール(1月15日)及び東京の浜離宮朝日ホール(1月16日)で開催されたフォーシーズンコンサートで演奏されたヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲集「四季」の手直しを行い、新たにアストル・ピアソラのブエノスアイレスの四季の編曲に挑戦されました。彼女によると、この作品の編曲には、ブエノスアイレスに出かけてピアソラの息子に会う等1年間の準備をして、彼女のエネルギーを注ぎ込んだそうです。また、ニューイヤーコンサートのプログラムの最後を飾った作品、ヨハン・ストラウス2世の「皇帝円舞曲」作品437の編曲も成し遂げました。「皇帝円舞曲」はフォーシーズンズコンサートのアンコール曲にもなりました。


今年は今井信子さんとのデュオなどコンサートの予定はなかったのですが、後藤和子(ごとうあいこ)さんが、スキー旅行でニセコに行く途中小樽ヴィオラマスタークラスに顔を出されて、リハーサルを大変熱心にご覧になりました。とりわけピアソラのブエノスアイレスの四季は、彼女は実際に演奏した経験があることから、演奏者の立ち位置や音の出し方などこまごまとしたアドバイスをされました。

何しろ後藤和子さんは1975年にシドニーで結成されて以来、国内外で幅広く活動し高い評価を受ける室内管弦楽団、オーストラリアン・チェンバー・オーケストラ(ACO)で日本人初就任のバイオリニストとして活躍しており、セイジ・オザワ 松本フェスティバル(旧称サイトウ・キネン・フェスティバル松本)にも参加される実力の持ち主です。


音楽家の健康・演奏の改善と療法に役立つアレクサンダーテクニークの指導教師の小野ひとみさんは、小樽ヴィオラマスタークラスの若い受講生にレッスン中あるいはレッスン終了後、自然に自由に演奏できる息の長い演奏家になるためのアドバイスをします。今年はヴィオラ受講生だけでなく若いピアニストも、彼女のアドバイスを受けて、本人も驚く程の成長をしました。彼女のホームページによると1992年日本人初の英国アレクサンダー・テクニーク指導者協会/STATの公認教師となり、日本に帰国。2012年9月26日よりアマックコーポレーション アレクサンダー・テクニーク 教師養成クラスを開設。日本で初めて、英国アレクサンダー・テクニーク教師協会(STAT)に公認を受けました。同じくホームページに「アレクサンダーテクニークとは理性と身体の関わり方や協調関係を学ぶことにより「身体をうまく使う」が可能になる技術です。心身の動きは、頭と首と背中の協調作用を基軸にしています。身体と理性で構成されている私たちの心身では、この身体のバランスが崩れると、理性や精神は大きな影響を受けてしまいます、このような心身がへたな使い方に陥らないために、アレクサンダーテクニークのレッスンがあるのです。アレクサンダーテクニークを学んで自然に自由に演奏できる息の長い演奏家を目指しませんか。」と紹介さています。

小野ひとみさんは、彼女のアドバイスを受けたたくさんの受講生や講師の方たちから尊敬されている小樽ヴィオラマスタークラスの仲間です。


小樽ヴィオラマスタークラス2017のニューイヤーコンサート及びフォーシーズンズコンサートのプログラムの中で演奏作品について紹介するプログラム・ノートは、2013年から2015年まで受講生として参加した川相美帆さんが書かれています。彼女は現在、今井信子さんが2015年10月に教授に就任されたソフィア王妃高等音楽院に在学中です。第2回東京国際ヴィオラコンクール第一位に輝いたウエンティン・カンさんが同校で今井信子さんのアシスタントをされています。小樽ヴィオラマスタークラス2017の仲間のパワーは凄いだけでなくその輪は拡がっています。

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