遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

南の海は複雑な気分

2014-11-08 22:55:11 | たわごと
まさか、ここまでやるとは予想してなかった。

日中首脳来週会談へ 北京で2年半ぶり(産経新聞) - goo ニュース
この政権、内政は安全運転なのに外交は思い切ったことしますな。中国と首脳会談するには、尖閣を係争地であることを認めることと靖国参拝しないことが中国の譲れないポイントでした。そんなん素人の僕でも分かっとるんですが・・・靖国神社なんかどーでもいいけど、尖閣はあかんやろと思ってました。それに、無理に妥協して会談を持つメリットが日本側にない。
かんべえさん(吉崎 達彦:エコノミスト、株式会社双日総合研究所取締役副所長・同チーフエコノミスト)が、面白い指摘をしてくれてます。安倍晋三首相のお父さん安倍晋太郎さんが外務大臣だった1985年に国会答弁でこんなことを言ったそうです。「中国との間に尖閣諸島の領有権をめぐって解決すべき問題はそもそも存在しない」と答えてその後に、「中国が独自の主張をしていることは承知している」と。今回の合意はこの延長線上にあると・・・。「尖閣諸島は日本固有の領土」だけども、中国がグダグダ文句いってるのは知ってるとの立場です。

中国とか北朝鮮とかロシアとか、独裁国家の政治家の言動はもっぱら国内の政敵にむかってなされています。日本がどう思うかなんて、二の次です。当然、今回の首脳会談合意で、習さんは「勝った♪勝った♪」と宣伝します。そうでないと政治生命が危ない。(笑)
中国・人民日報「必要な一歩」…日中合意で評論(読売新聞) - goo ニュース
中国の新聞はどれも一面トップで扱ったそうです。まるで会談の結果を待たずに成果があったように。w もちろん日本側の立場を中国の新聞が報道するなんてことはないです。
これから対外的にもどんどん宣伝するでしょうね。どんなウソでも100回言えば本当になると思ってる国ですから。

米国の反応を見ておきましょう。日中でもめると一番とばっちりを受けるのが米国。んで、それを一番避けたがってるのが米国。w
ケリー長官、日中進展を評価=対北朝鮮で日米連携(時事通信) - goo ニュース
China and Japan, in Sign of a Thaw, Agree to Disagree on a Disputed Island Group (THE NEW YORK TIMES)
日中が対話再開へ、尖閣めぐり見解の相違認める (REUTERS)
とりあえずポジティブ。おそらく、米国政府の仲介もあっての日中首脳会談だと思います。報道も冷静です。

今回の件で一番複雑な気分なのは↓
日中対話の再開、喜ばないのは中国軍だけ (THE WALL STREET JOURNAL)
なにしろ、東シナ海や南シナ海で隣国に仕掛けてきた張本人が人民解放軍というか、南の軍閥の連中。緊張を高めれば高めるほど、やつらは儲かるのです。たぶん、日米の狙いはこっちの勢力の弱体化のはず。東シナ海や南シナ海での緊張を緩和するのに重要です。

小笠原沖、続くにらみ合い=「消耗」狙い、追い出し優先―中国サンゴ漁船問題・海保(時事通信) - goo ニュース
中国の漁船が大挙して小笠原沖にちょっかい出してきたのも、こういった日米中の政治的背景と無縁ではないかもしれませんね。珊瑚が高価とはいえ、約200隻の漁船全部がこの遠征の元をとるのは無理でしょう。可能な限り彼らに損をさせるのが、とりあえず、いい戦法・・・なのかなぁ・・・

もうひとつ、複雑な気分でいるのは台湾政府。今のとこ静かにしているので、こっちはこれからどう出るのか分かりません。

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コメント
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