NEVER TOO LATE

この年齢になって、チェロを始めた、、、、、

アンヌ・ガスティネル 3 演奏、CDの事など

2011年10月29日 | チェロ
 さて、前半一曲目。
ブラームス:ソナタ第2番の最初の音。
やや心細いくらいすっきり。
チェロが豊かで渋くあるいは甘く深い音の楽器と思っていたらやや肩すかしを食ったかもしれません。
一言で言って、端正。
ブラームスのなんだか重たっくるしい田舎臭さい部屋がすっきり掃除されたみたい。
姿勢のせいではないだろうが情緒過多とは無縁。
気品溢れる、太くはないが芯の強い音色。
これがフランス風っていうの?テストーレの音?
そういえば、フランスのチェリストを生で聴いたことがない!

 後半は1シューベルトの歌曲から「セレナーデ」と「鱒」だけ!
ああ、もっと聴きたかった~「水の上でうたう」とか
2.フォーレ:エレジー、夢のあとに
3.ラフマニノフ:ヴォカリーズ
4.ショパン:序奏とロンドカプリチオーソ
やはり線は細いがなにしろ美音、細やかなニュアンスが一つ一つの音につけられる。
アンコールは例によって「白鳥」、そしてここでもすっきりさっぱりと1曲のみ。

 で、とにかく今まで聴いたことのないスタイルの演奏であり、
自分の中で?だったのですが・・・・・

 買ってきたバッハの無伴奏を聴いて驚愕!!!!
バッハの無伴奏チェロ組曲というと、概ね気合い入りまくりか、
何とか個性を出そうとした鼻白む演奏を聴かされますが、
これはなんとも!!
柔らかく豊か、自由で節度があり、口ずさむようで下品にはならず、
全く異次元のバッハです。
彼女自身
「バッハの音楽はそもそも類を見ない緻密さで、それ自体美しく表現される要素を網羅している」
「演奏家の感性は出す必要がない」
「若い時期からずっとバッハとともにあり、何度弾いても同じものにはならない」
「どれだけ弾いたら終着点があるかわからないが録音したものは現時点で納得いくもの」
といったことを述べているが、これほど感性豊かに演奏された無伴奏は思い出せない。
言葉では表現しづらいのですが、通常、ゴシックや太い明朝体であるのに対し
腰の強い流麗行書という感じかな。
まだ1番しか聴いていませんが、「 デュ・プレの再来」とは的はずれの評価であり、
全く反対側にあるように思います。  

 

アンヌ・ガスティネル 2 リサイタル

2011年10月28日 | チェロ
 残念ながら、冒頭で主催者から今夜のチェロは
例のカザルスの「ゴフリラー」ではないと発表されました。
予想していたことですが、もしかしたらという気持ちもあったのでちょっとがっかり。
代役はテストーレ。
知る人ぞ知るらしい。
1690年のものというから、Carlo Giuseppe Testoreの作品のようです。
やや黄色い琥珀ないし濃い褐色のニスが特徴とされているようですが、
今夜のは後者、やや小振りのすっきりとした姿です。
彼女自身、「私のイタリアの恋人」と呼んでいるようですから、
お気に入りなのでしょう、カザルスじいさんのお古より・・・
というか、ゴフリラーは神棚にでも飾ってあるのでしょうね。

舞台衣装も黒のパンツに
濃緑色のドルマン風スリーブデザインというのか?
すっきりしたもの。(たぶんマイスキーもよく着る三宅一生のプリーツプリーズ)

 とにかく弾く姿勢が素晴らしく、背筋がすっきり伸び、
手の動きにつられて少し体幹が揺らぐもののほとんど過剰なアクションはない。
最初の構えから足は一切動かない。不動という感じ。
演奏中、時折客席の一番奥にまなざしを向け、フッと口を開く以外ほとんど表情を変えず、
やや伏し目がち眉間に小さなしわを寄せやや神経質そうです。

写真は伊熊さんのブログから拝借しましたm(_ _)m。
ジャケットの写真はどれも今の彼女を伝えていませんから。
演奏後はまさにこのように表情はゆるむのです。

アンヌ・ガスティネル1

2011年10月27日 | チェロ
 伊予の小京都と呼ばれる大洲市は、
肱川の流れに沿って発展した城下町です。
小京都と呼ばれる町はあちこちにありますが、
大洲の中心部には作り物でない古い町並みが残っていて、
しっとりとした雰囲気を醸し出しています。
写真ははっきりしませんが肱川大橋から見た大洲城天守閣のシルエット。
ぽつぽつと明かりがともっているのが今夜のリサイタル会場、市民会館です。
残念ながらこの建物もずいぶん古い。

 さて、この町の方々はとても音楽好きで、
毎年「おおず音楽祭」なるものが開かれ、今年ですでに25回。
今回はアンヌ・ガスティネルさんというフランスの女流チェリストが来演しました。
わたし、実は全く知りませんでした。
ヨーロッパを中心に活躍されていて、「J・DU PREの再来」と称され、
カザルスの遺族から、かの名器「ゴフリラー」を授与された由、
そういうことが好きな日本でなぜあまり知られていないのか
演奏を聴くと謎が解けるかもしれませんね。

 ロビーでは例のごとくCDが販売されていて、のぞいてみました。
すべてフランス語表記の輸入盤。
一つはバッハ:無伴奏チェロ組曲全曲の組み物。
ついで、シューベルト:アルペジョーネ・ソナタと、歌曲から数曲。
そして、シューマン:チェロ協奏曲と有名なチェロのための小品集、
さすがに、もう一枚はフランク:ドビュッシー:プーランクのチェロソナタ。
これだけ見ると、この方の音楽的性向が伺えますね。
さらに、この日のメインはブラームスのソナタ第2番ときていましたし。

 

黄鮒のつづき

2011年10月18日 | その他
 

鮒の話題だからというわけではありませんが・・・
前回の話には尾ひれがつきます。

 このおもちゃ、土鈴なのですが、音が全くしませんでした。
で、
送ってくださった方にその旨伝えると、
さっそく購入したお店に問い合わせたらしい。
後日、写真のでんでん太鼓?と最中を添えたお詫びの手紙が届きました。
どうも、土鈴の中の玉がしっぽの部分にすっぽり入ってしまうことがあるらしく、
確かによくよく見るとそれらしいのを発見。
ちょうどぴったりサイズのペーパーナイフがあったので
それで悪戦苦闘していたらぽろっと出てきました。
ガラガラという素朴な音を聞くことができました。
お店には申し訳ない結果となりましたが、、、、

めでたしめでたし。

お見舞いをいただき・・

2011年10月17日 | その他
 このブログを読んだ方からお見舞いをいただきました。
びっくりし、また大感謝です。

 この「黄鮒土鈴」という愛らしい郷土玩具は栃木県のもので、
天然痘に苦しむ人にと川で釣りをしたところ、
大きい黄色いフナが釣れ病人に食べさせたると
すっかり治ったという言い伝えがあるそうです。
今でこそこの病気は種痘によって世界から撲滅されてしまったわけですが、
当時は麻疹と並んで死亡率も高く、
たとえ一命を取り留めても醜い痘痕が残るためずいぶん恐れられたわけです。
黄鮒のおかげで治ったわけではないにしても、
人々にとっては神様のような存在になったでしょうね。
 それにしても、日本の昔の玩具は実に素晴らしいものが多いですね。

写真は「郷土玩具の杜」から拝借しました。

坂村真民記念館

2011年10月11日 | チェロ
 写真は、前回ご紹介した高茂岬のノジギク(愛南町観光協会から)です。
そろそろ咲き始める時期でしょう。

 さて、坂村真民をご存じですか?
「念ずれば花開く」で有名な詩人です。
その記念館が来春オープンすることになり、
我々チェロアンサンブル「セレスト」が演奏します。
事実上第一回の合同練習が10-9に行われました。

バッハ:アリア
三枝成彰編曲:荒城の月
坂村真民作詞「念ずれば花開く」「二度とない人生だから」
これは合唱曲をチェロ4部で弾きます。
最後に「上を向いて歩こう」

 オープニングがたまたま3月11日、震災から1年目という事で、
このようなプログラムになりました。

高茂岬

2011年10月08日 | 旅行
 外泊からさらに車で20分ほど南下すると高茂岬に到達します。
以前ここを目指したときは、道路工事中で断念した記憶があります。
難所ですがまあなんとか離合できる程度の道をうねうね進むと、
一気に視界が開けます。
その間、キセキレイがこっちこっちと先導してくれました。

 ここもまた絶景です。
外泊とは対照的に雄大。
高所恐怖症にはちょっと厳しい断崖絶壁。
遠くは九州まで伺えます。

 自然に身を委ねるということ、
可能な限り本来のゆったりとした時を感じること、
人間も動物である以上、必要なんでしょうね。

波と風の音だけを満喫した日曜の午後でした。

外泊

2011年10月05日 | 旅行
 愛媛県最南の町にあるとても美しい集落です。
「がいはく」ではなく、「そとどまり」と読みます。

 なにしろ本業は喧噪に満ちており、
ひとりになれる時間は自らの楽器の雑音にまみれていますから、
貴重な予定のない休日には、静寂に包まれたくなります。
で、今回は南に進路をとったわけです。

 概ね期待を裏切られるのが名所旧跡ですが、
ここは素晴らしかった。

「日本の美しいむら農林水産大臣賞」
「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」
「美しい日本の歴史的風土100選」に選ばれていますが、中でも最高ではないか?
というか、この百選を制覇したくなりました。

 日本を代表する石垣文化の一大景観地と紹介されていますが、
一大景観地ではなく、静まりかえったこじんまりとした集落です。
観光施設らしきものは、見事に積み上げられた石垣を縫うように登っていった中腹に
ぽつんとある「だんだん館」のみ。
そこでコーヒーをいただきながらお姉さんとしばしお話ししてきました。

アンヌ・ガスティネル

2011年10月03日 | 聴く
 何の予定もない日曜日ってそうあるものではない。
昨日がそうだったので、
愛媛県の最南端、石垣の里外泊、そして高茂岬まで出かけた。
もちろん、途中までドライブ、でもけっこう歩いたしいいリハビリになった。

 その話はさておき、
途中、エプロンおばさんからメールが入り、
「女流チェリストが大洲に来るってよ、1000円だしすぐ完売するかも~」
女流チェリストって誰かわからないが購入お願いした。
当日は午前中本業で自分自身の講演会があるが、夕方には間に合う。

 調べてみると
アンヌ・ガスティネル
デュ・プレの再来、迫力と流麗・・
1997年カザルス遺族より銘器「ゴフリラー」を貸与された
現代最高の女流チェリスト
らしい。
すでに各地でリサイタルを開いている
知らなかった!!
しかも、プログラムにはシューベルトの歌曲が入っている。
そのCDも見つけた。

10月26日(水)
久しぶりにちょっと、いや、かなりわくわく

弦の交換!!

2011年10月01日 | チェロ
 体力は順調に回復しているらしかったが、
楽器を弾こうという気持ちになかなかならなかった。
こういうときは踏ん切りが必要だと思い「弦を換えよう」と思い立った。
普通、数ヶ月に一回とか、せめて長くても1年に一回はかえるらしい。
が、
私は練習量も多いわけではないし、音が変になったわけでもないので
考えてみれば自慢じゃないがこのブログを始めて以来交換していないのだ。
 つまり、
なんと5年になる!!!!
落語「長屋の花見」の、親の代から店賃を払ってないってほどの猛者ではないが。

 さて、
いろいろ調べても弦の特徴なぞ聴きくらべてもわかるまいし(実際不可能)
ましてや文章で説明されても迷うだけ。
となればいつもの手で、寿司でいえば特上は止めて上くらいを注文した。
田舎にいてネットが便利なのはこういうとき。
とにかくびっくりするほど迅速に配達されてくる。
エヴァピラッツィ、4本セットで25,500は高いような安いような。
四苦八苦して交換したが、予想に違わず明らかな音色の変化は聞き取れない。
この2週間後の「蛮」コンサートで、
「なんだか去年に比べ大きな音になりましたねぇ、すごい!!」と言った方がいましたが、
私は弦のせいではなく一年間の練習のたまもの!と思っているのですけど、
さあ、どうなのか・・・・・