ぼくのこと、ブログに書かんといてな。
社会人のほうの息子からの注文である。で、しばらく書いてない。ネタに困ったときに重宝だったのに、残念なことだ。
その彼が、携帯のカメラで撮影を始めた。被写体はパンである。
実は今日、魔法のじゅうたんさんから手作りで、しかも焼き立てを頂戴したものだから、袋から出して冷ましていたところ、すかさず見つけた息子がつまみ食いをした。さらに、パン切り包丁を取って来て、切ってストーブで焼いて食べることまでした。息子の舌は肥えていて、味にうるさい。その彼、挙句が撮影だ。
「なぁ、誰にもらったの?」
事情を話すと、
「写真、撮らんの?」
「…?」
「撮りなよ!」
「撮ってどうするのよ?」
「ブログ書くのやろ? ネタにしたら?」
息子はぼくのブログの読者でもある。
「何で?」
と、訊きつつ、長年の父子関係である、ここら当たりで気がついた。で、確認をしてみた。
「美味しいのヤロ?」
首を大きく縦に振る。
「目茶ウマすぎる!」
さらに尋ねる。
「また、焼きあがったら欲しいのやろ?」
「ウン!」
質問には質問で返す会話といい、欲しいものをゲットするときの手といい、まるでぼくの分身を見る思い。目の前にもう一人のぼくがいる。という訳で、魔法のじゅうたんさん、
「ありがとう」
も、
「ご馳走様でした」
も言ってないのに、
「お代わりです!」