本日はSCARTS→さいとう→スカイホール→三越→富士フイルム→大通→テラス計画→大丸→エッセ→SONYの10か所。
気温はそんなに低くないのだが、天気が悪いせいか、うそ寒い感じがする中を出発。
■SCARTS「雪のうえにのびる道」。
アラナ・グレゴリー、升谷絵里香「Vindur」:鹿の頭骨を実際に飾り、映像作品の中では鹿の頭部を象徴的に身につけた人が舞を舞っている。北海道の風景と動物、先住民を表現しているのかもしれないが、見る側がそこから遠いところに生きているため、もう理解できなくなっているのかもしれない。
アレクサンドル・カトー、松延総司「借りてきたもの」:石炭を使い、石庭のような表現をした作品。そして石炭に関わる短文が展示されている。これも私はかろうじて実際に石炭を使っていた世代なので思うところがあるが、それを知らない人にとってはピンと来ないものではないだろうか。そう思うと、芸術表現というのも、思った以上に短い寿命しか持ちえない可能性がある。
■さいとうギャラリー「New Point vol.20」。20回続く展覧会というのも素晴らしいし、作品も良いものがそろっている。観覧者が多くて落ち着かず、早々に退散。
■富士フイルムフォトサロン「相原正明 写真展 On The Earth ~超大陸 オーストラリア~」。1コーナーだけ記念撮影用の場所があったので、撮影させていただいた。右側の海には小さなエイが泳いでいる姿が見えるのだ(ここに乗せた写真では見えない)。
■大通美術館「文字の世界 楢原武正展」。いつも大迫力の年始恒例の展覧会だが、今回は数々の手書き文字による作品展である。標語や宣伝ポスターのようなものもあれば、作者の展覧会評を文字起こしした作品やレタリングのような作品もある。
私は展覧会を見ても、まず作者の方に話しかけたりすることは無いのだが、毎年、楢原さんの展覧会だけは感謝の気持ちを込めて、挨拶をしつつ多少の会話をするのである(ここで「楢原さん」と書いたが、個人的な知り合いという訳では全くない)。楢原さんによると今回の展覧会は新たな挑戦の気持ちで取り組み、自分なりに納得のいく仕事ができた気がするとのことであった。非常に数多い作品は約2年かけて準備してきたものだそうだ。
過去の金属作品の迫力も素晴らしいものがあったが、今回の展覧会も私にとっては迫力があった。壁一面に貼った紙の上の文字といえばそれまでだが、やはり人間にとって「文字」というのはインパクトの大きいものである。これは人間の思考回路を作動させるある種のプログラムを大量にぶつけてきた展覧会と言っても良いかもしれない。そんなことを思いながら、感想ノートに「文字ってスゴイな」と書かせていただいた。