忘備録の泉

思いついたら吉日。O/PすることでI/Pできる。

行動科学①

2019-05-07 13:26:46 | Library
科学とは、まず第一に態度である。
科学は事実について誰かが述べたことよりも、事実そのものを取り扱うことを重視する。
書物ではなく事実を大事に扱う。
事実が希望通りでないときであっても、科学的観察力はそれを受け入れる。
思慮の浅い者は、ありのままの姿よりも、こうあって欲しいと願う姿に惑わされる。
このような思考を、「願望指向」と呼ぶ。
科学の実践では「願望指向」は不要であり、正直であることがきわめて強く奨励される。

科学はもちろん態度だけの問題ではない。
科学は自然における出来事間の秩序、斉一性(複数の事象が一様に同じ状態を保ち揃っている性質)、法則的関係を研究する。
科学はある一つの事例の観察から開始されるが、すぐに一般的ルール、すなわち科学的法則の発見へと進む。
それは「運動の法則」を知ることでもある。
その後、科学はルールや法則を収集する段階から、それを大きな体系にまとめる段階へと進む。
それをさらに体系的に記述し、研究対象についての“モデル”を設定する。
そのモデルは、ルールに基づいて単一の事例を取り扱う際の新しい実践を生み出すだけでなく、別の新しいルールをつくり出すこともできる。
(つづく)