忘備録の泉

思いついたら吉日。O/PすることでI/Pできる。

行動科学②

2019-05-08 09:34:11 | Library
行動は法則的であり、科学的方法によれば行動を支配する法則を明らかにできると仮定しているが、条件のコントロールができなければ、これらの法則を技術として使用することはできないだろう。
行動のコントロールができるのは、行動に関係する諸要因をコントロールできる場合のみである。
関連する条件のコントロールはできないと否定するだけでは、行動科学で生じる問題の回避はできない。
実際には、関連する多くの条件はかなりコントロールされているはずだ。
コントロールは当事者自身の手に委ねられているのである。

「原因」と「結果」という語は、古くから“因果関係”という言葉で使われてきた。
私たちは人間行動の原因について関心を持っている。
人間がなぜそのように行動するかの理由を知りたいし、行動に影響することが明らかなあらゆる条件や出来事を説明する必要がある。
これらの原因を発見し分析すれば行動は予測できるし、それらの原因がよく操作されるほど、行動はよくコントロールされる。

多くの人々は、人間をより幸福に、効果的で生産的に、非攻撃的にしたいという目的をもって、人間行動を研究する。
(不安に苦しめられている)と訴える人には、その不安を生じさせた原因について述べてもらう必要がある。
ある人が「空腹であったのでパンを盗んだ」という話を聞いたとき、(空腹になった)外的原因についても明らかにする必要がある。
それが明らかになれば、窃盗という行為は十分に説明されるであろう。
行動のコントロールができるのは、行動に関係する諸要因をコントロールできる場合のみなのだ。
(つづく)