「国宝」
吉田修一氏著の同盟タイトル小説の実写映画化。第78回カンヌ国際映画祭の「監督週間」出品作だそうで。
監督は李相日氏。李監督は吉田修一氏の作品を過去にも映画化しており(【悪人】【怒り】)、自分過去2作共劇場鑑賞してるんだよな…なんだろう?李監督作品が好きなのか?それとも吉田修一氏の紡ぐ小説が好きなのか?ちな吉田修一氏の作品を一作も読んだ事がないんですが(滝汗)
とりあえず予告編から漏れ出る吉沢亮君と横浜流星君の迫力が凄くて…こんなん劇場鑑賞しない訳にいかないだろう!ってなるわなー
あらすじ
任侠(にんきょう)の一門に生まれるも数奇な運命をたどり、歌舞伎役者の家に引き取られた喜久雄(吉沢亮)は、激動の日々を送る中で歌舞伎役者としての才能を開花させる。一方、彼が引き取られた家の息子・俊介(横浜流星)は名門の跡取りとして歌舞伎役者になることを運命づけられ、幼いころから芸の世界に生きていた。境遇も才能も対照的な二人は、ライバルとして互いに切磋琢磨(せっさたくま)し合いながら芸の道を究めていく。(Yahoo!検索情報から丸パク)
とりえずね、「スゴイもん観た」←先ずほとんどの人はコレ思うだろうと!
改めて役者って凄い。最近じゃーAIがキャラクター生成したりAIが絵描いたり歌作ったり物語作ったり…AIがーAIがーって人間味どんどん薄くなってるやん?
そういうの全部すっ飛ぶヤツだよコレ。やっぱさ人間が、役者が、演じてナンボの世界が間違いなくあるんだよ。それをこれでもか!と見せつけられたよ。
吉沢亮君の役者人生の大きな通過点の1つになったと思う。いわゆる彼の名前を検索した時に「代表作」と後に呼ばれるような。
それは横浜流星君にとっても…かもしれない。彼も凄かった。もっと言えば本作に出演しているほとんどの役者さんにとってきっと思い出深い作品になっていると思う。
渡辺謙さんが出ると「この人全部持ってっちゃうしー」って感じあるけど(コラコラ)、確かに映画冒頭の喜久雄を見出すシーンの…あのねめ付けるような「本物を見抜く目」の演技なんてゾクゾクしたし、その後に自分の代役を喜久雄に指名して稽古を付けるシーンの迫力とかさ、もうこの人の気迫で場の緊迫感マジ凄みがエグいってー!ってなったわ流石だわ。
他にも寺島しのぶさんとかさー…いやこの人ガチの梨園の方だからハマってて当たり前なんだけど。てかアレは素か?レベルだよw
でもね、吉沢亮君がやっぱ光り輝いてた。
前々から知ってたけどさ、この人本当に美しい顔してるんだよ。本作で改めて「吉沢亮」という役者の「美」を見せ付けられた。
そしてその「美」はただの造形の話ではなく、この美しい顔が、美しい肢体が、舞台の上に立って演じた時…正に震える程美しくてスクリーン越しなのに身の毛が総立ったよ。
こんな体験、もしかしたら人生で初めてだったのかもしれない。それ位とにかく本作の舞台シーンには魅了されまくった。
そんな訳で、本作実に上映時間175分というね…チケ買う段階で上映時間の長さを知って「ぅえぇぇぇ(溜息)」ってなったんだけど、
この上映時間の長さの最大の要因は「歌舞伎の舞台シーンが長い」事だと思うんですが、ぶっちゃけ自分…恥ずかしながら人生で一度も生で歌舞伎を観た事がないんですが、本作観ていて全く時間の長さを感じませんでした。
むしろ「もっと観たい!」位まで思いながらスクリーンに齧り付いていた。それ位本作の歌舞伎シーンは魅力的だったしそれを演じた役者さんも素晴らしかったと思う。
物語部分も…喜久雄と俊介の人生がまるでシーソーのように片方が浮かべば片方が沈む、まるでコインの裏表のような生き様を辿っていくんだけど、お互いを憎み合っていてもおかしくない関係だったと思うのに…時に相手の境遇に激しい嫉妬と羨望を感じていたのは確かだろうけど、でも、お互いを心からリスペクトし合っていた、というのがヒシヒシと感じられてそういう描写も本作の凄く気持ちのいい部分だったと思いましたね。
2025年の今、こんな凄い邦画が登場した事にちょっと感動してしまいました。
これこそ日本でなければ作れない作品だし、日本人ならば本作を一度は観て欲しいと心から思いましたね…出来れば映画館の大スクリーンで。