日記の時系列が少々ズレてしまいますが悪しからず。
難行苦行のタケノコ採り、そして、下ごしらえが済んでホッと一安心。深い眠りに落ちたマタギが目覚めると、茹でタケノコが減っていて、代わりにタケノコご飯が出来ている。ここまでは、みんなが嬉しい『ウイン・ウイン』の世界だわ。
でもね、寝ている間に恐るべき情報が加わっていたのです。
それは、石巻の叔母からの電話。
マタギは直接聞いていないんだけど、要約すれば、「いいもの(海鮮物)が見つかったから送りたいんだけど、いいかしら。」という内容らしい。
これに対して、「いくらでも送って下さいませ。」というような返事を返したらしい。
結論としては、明日の午前中に石巻から海産物(挑戦状)が届くことになっていた。これは、腕が鳴るというか、休む暇がなさそうですね。
・・・調理人の都合も聞かずに、とも思うのだが、活きのいいうちに何とかしなければならない生鮮食品の定めでもある。しかも、明日は、マタギが夕方近くまで外出しなければならないことを知ったうえでのこの判断。これは、妻のやる気の表れなのかもしれません。
翌日、マタギが出かけるのと入れ替わるように、
デーン
さあ、来ましたよ。残念ながら、中身を見る間もなく出発です。
全て終わって帰宅したのは夕方近く。妻は、台所で頑張っている。
「ホヤが5個入っていたから、調理しておいたわ。それから、シジミの半分は明日の味噌汁。今、干物用のカレイの下ごしらえをしているの。」
見れば、文句なしに出来てる。やるじゃないですか。ただ、カレイを冷蔵庫で干物にしようと思ってるんだけど、スペースが足りなくて困っていると言うから、続きを任せてもらうことにした。
下ごしらえ済みのカレイを薄めの塩水に浸けて
干しました
干しにかかるまでの時間、1時間あまり。その間、何をやっていたかというと、挑戦状に込められた試練を乗り越えるべく格闘していました。その相手とは、
我が強敵(とも)よ!
アジさんとは、数日前に対決したばかりなんですけど、また現れました。ただ、前回との違いは、サイズです。この前は25㎝ぐらいだったんだけど、今回のは30㎝を優に超えています。鮮度も良さそうなので、作るものも決まりでしょう。
≪アジのお造り≫
さて、前回までの反省から分かっていることは、『3枚卸しには、さほど苦労はないけど、皮を剥くのは簡単でない』ということ。なもんだから、切れ味が良くて『背』がしっかりした出刃包丁を使うことにしました。
・ゼイゴを削いで頭を落としたら、腹を割いてワタを抜き取り、血合いを洗い落とします
・骨に沿って身を削ぎ落として切り分けたら(3枚卸し)、腹骨と血合い骨を抜き取ります
・まな板に包丁を固定して、アジの皮を引っ張って剥がします
そこそこに薄皮?(銀色の部分)が残ったので、まずまず
でもねえ、不満が残ります!
だって、一番美味しいはずのハラスというか大トロが外れちゃったんだもの。
そこで、作戦を立て直すことにしました。
ポクポクポクポク チ~ン
≪さく取りしてお刺身≫
身がうまく皮と離れないのは、包丁の刃に接する皮の幅が広すぎるせいで抵抗が大きいことと、魚が紡錘形をしているので、平らなまな板と丸い身の形状がミスマッチなためと考えた。つまり、カツオやイナダなんかと同じやり方でいけるかも。早速試してみます。
・いわゆる『さく取り』をして、血合い骨も外してしまいました
・ここから皮を剥くと
きれいに薄皮もハラスも残りました
これを食べやすい大きさに切ります。
縦幅が狭い分、横幅を広く切りました
本日のお造り(赤枠が今までの切り方をしたもの・枠の外側がさく取りしたもの)
家族には、「できればハラスを最後に食べて。」と勧めました。その結果、
「ええ~!これって、アジなの?」
「脂、のってる!」
大好評でした。
やっぱり、『石巻からの挑戦状』は、簡単には乗り越えられません。代わりに(夫婦ともども)調理の腕が上がっていくことが保証されている。そんな愛情を実感出来た初日の料理でした。
叔父様叔母様、毎度のことながら、ありがとうございます。次も、楽しみますよう。