ひよこまめのEveryday

還暦過ぎたおばさんの日常。

ドラマ、映画、舞台、本、音楽などの感想も。

久しぶりに紙の本

2023-09-17 19:21:37 | 読書

最近、読書はもっぱら電子かオーディオブックで聴くか、になっちゃってる私ですが、久しぶりに紙の本を買いました。

一つは漫画「3月のライオン」最新刊。

待ちかねていた最新刊、嬉しくてメルシーちゃんのエコバッグ付きの「特装版」を買ってしまった。

右側にあるのは、新刊発売決定の時に先行して発売されたグッズで、「リスぽっけ先生の根付鈴」。

羽海野チカさんの描くキャラってかわいくて、身近に置いておきたいと思ってしまうのです。

「3月のライオン」はここまでのストーリーはホントに山あり谷ありで、すごく辛い時期も何度もあったりしたので、今回の17巻は幸せいっぱいの1巻で嬉しかった

のだけど、最後の最後の1ページで「ああ、これは嵐の前のナントカ、な巻だったんだな・・・」という展開になっていて、また短い首を目いっぱい伸ばして次を待たなければならないようです。

 

もう一冊は、アンガールズ田中卓志さんのエッセイ「ちょっと不運な方が生活は楽しい」。

これがねー、もうめっちゃ良かったです。

実は、失礼ながらもっと「自虐ネタ」満載の、それで笑わせに来るエンタメ寄りの軽いものなのだろうと思って、コロナでしんどい時に気晴らしになるかも、なんて思って買ったのでしたが。

でもそういうのではなかったんです。

自虐、というより、この方はご自分をとっても客観的に見ることができていて、そういう視点でご自分の経験を綴っているだけなのですよね。

だから読んでいて「自虐」とは思わなかった。

おそらくその時その時の心の揺らぎや受けた傷は大きかったと思うんだけど、そういう心情的な部分は読み手に委ねた文章になっているので、同情するとか共感するとかより、道を外れることなくここまでしっかり生きて来られた田中氏に敬意を感じました。

そして、必要以上に想像を掻き立てないあるシンプルな、というか「乾いた文章」というのは、意識して書かれたのかわからないけど、お人柄的にもとても好感を持ちました。

文章は淡々としているのだけど、思わず笑っちゃったり、思わず胸が詰まったり、そしてあとがきではしっかり泣かされます。

母の気持ちとしても、息子ってかわいいのよね。どんな息子でもさ、不細工でも出来が悪くても、一生懸命生きてることそのことが愛しいのよね。

そんな母としての気持ちも刺激されて。

電子で読まずに買ってよかったと思う1冊でした。

 

実は、3月のライオンを買いに久しぶりに書店に行って、あまりに久しぶりだったからかいろいろ買いあさってしまって。

それが全部「実用書」。

最近ボーっとしてるから、脳が「ちょっとは考えろ」と欲したのかな

ちゃんと読んで、感想書けたらいいなーと思っています。

 

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大好きな漫画家さんが受賞!

2023-04-28 16:17:55 | 読書

数日前に、「第27回手塚治虫文化賞」が発表されまして、なんとなんと、私の大好きな漫画家さんの作品がマンガ大賞に決定しました

第27回 手塚治虫文化賞 受賞作・受賞者が決定 | 朝日新聞社の会社案内

第27回 手塚治虫文化賞 受賞作・受賞者が決定 | 朝日新聞社の会社案内

マンガ大賞 『ゆりあ先生の赤い糸』/入江喜和(講談社)受賞コメント 漫画の神様・手塚治虫先生のお名前がついた賞―そんなスゴい賞をいただいたひにゃこの先どうなってしま...

朝日新聞社インフォメーション

 

入江喜和さんの「ゆりあ先生の赤い糸」

ノミネートにかの有名な「SPY×FAMILY」が入ってたので、てっきりそれが受賞すると思っていたら。

読者による予想アンケートでも最下位だったのに受賞したというのは、今の時代に読むべき漫画、と評価されたのだと思います。

選考過程ではやはり「SPY×FAMILY」がダントツだったらしいのですが、ゆりあ先生については

「今の社会の問題全部盛り」

「良い意味で情緒を乱される」

ということで選ばれたと。

そうそう、そうなのよ~!!!

わかってくれて嬉しい。めちゃくちゃ嬉しい

休みだった夫がスマホでニュースを見て「入江喜和って知ってる?」と言ってきて知ったのだけど、もう文字通り狂喜乱舞してしまって、しばらくはニュースを見まくりながらニマニマがとまらなかったです。

この方の漫画は100%大人向け。

大人が読んでも、読みこなすのは難しくて、ただ楽しい面白いでは済まない漫画を描かれます。

でも、そこを頑張って読みこなすうちに新たな景色が見えてくる、というような漫画です。

※ ↓ 以前利用していたブログ DiaryNoteにアップしたもの

 

「おかめ日和」入江喜和

女性向け漫画雑誌「BE・LOVE」に2005~2013にかけて連載されていたマンガで、コミックスは全17巻。私は昨年、kindleの無料版から入って全巻読みましてドはまりし、、このお...

DiaryNote

 

で、これを読むきっかけになったのが、「たそがれたかこ」

『たそがれたかこ(1)』(入江 喜和) 製品詳細 講談社コミックプラス

『たそがれたかこ(1)』(入江 喜和) 製品詳細 講談社コミックプラス

たかこは、母と暮らすバツイチ45歳。深川から自転車で新大橋を渡り、社員食堂のパートに通う。とくに大きな原因はない。逆にすべてが原因でイヤになっているのだろうか――...

講談社コミックプラス

 

こっちもまた、すごい。

これを読んだときにはちょっとモヤっている時期だったんだけど、殴られて目が覚めた、というくらいの読後感でした。

 

5月からまた新連載が始まるそうなので、楽しみ

 

 

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「海辺のカフカ」を❝聴了❞

2023-03-16 11:42:48 | 読書

本の感想の前に。

❝聴了❞って言葉、多分正しい言葉ではないと思うんだけど、オーディブルで小説を聴き終わって「読了」と言うのはどうしても抵抗があって。

文字を読む、という行為と、言葉を聴く、という行為。

優劣をつけるものではないと思うけど、文字を目で読むことからは言葉を耳で聴く以上の情報量、知識量があると思うので、やっぱり本は「読む」のが正しい気がしてしまう。

特に日本語は漢字を使うことで、同じ音で違う意味を持つ言葉がたくさんあるから。

なので、本を読むことと聴くことをどうしても同列にはしたくない自分がいて、小説を聴き終わったことを「読了」とは言いたくないのだ。

 

さて、「オーディブルで村上春樹を聴くシリーズ」(いつから?(^_^;))3作目。

「海辺のカフカ」は2002年出版ということで、かなり時代が今に近くなっていて、「ねじまき鳥」を読んだ時のようなノスタルジーはもう感じなかった。

内容的には、私にとっては難解さが「ねじまき鳥」の10倍増しぐらい

15歳の少年田村カフカが親の呪縛から逃れるために東京の家を出て高松で過ごす中で、大人への階段を一歩上る、というような話がメインで、そこに、他者からの理不尽な暴力によって健全に生きる道を損なわれた大人たちが関わってくる。

この、カフカくんの物語と、暴力に人生を損なわれた大人たちの物語と、別々にはわかる気がするんだけど、この2つを絡めている意味がもうひとつ掴めない。

ただの少年の成長譚にとどまらない、世界の未来に繋げているのかなと思ったりもするけど。

本文に「メタファ」という言葉がそのまま何度も出てくるように、もうメタファの塊みたいな小説で、それこそが村上春樹の真骨頂、この小説が村上作品の最高傑作と言われる所以なのかもしれない。

カフカくん=未来、佐伯さん=過去、ナカタさん=今

なのかな。

うーん、なんかところどころわかる気がするところがあるんだけど、全体像が見えないわー。

しばらくは考え続けながら、次の作品に行こう。

 

そうそう、朗読は木村佳乃さん、これまた素晴らしかったです。

 

 

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オーディブルで小説を聴き、キンドルでマンガを読む

2023-02-25 23:11:47 | 読書

楽しい夜更かしライフも明日まで

昨日、今日と手芸しながらオーディブルで、引き続き村上春樹を「聴き読み」した。

今回は短編集「螢・納屋を焼く・その他の短編」

朗読は松山ケンイチ。

短いので2日で読了(聴了?)

この本はたぶん昔読んでる、けど、内容は全然覚えてなかったから新鮮に聴けた。

そして、「ああ、懐かしい、この感じ」と思った。

これに収められてる5編は1983~84に書かれたもので、その頃の「今風」がヒシヒシと感じられる。

なんでもかんでもスマートにスタイリッシュになっていったあの頃の感じ。

「熱」というものが敬遠され始めた時代のあの感じ。

当時の「最先端」を感じる作家ではあったけど、後年ノーベル賞を期待されるような偉大な作家になるなんて思いもしなかった。

でも、そりゃそうだ。だってやっぱり、この短編集は作品自体がとても若い。

「若いなー、青いなー」と思いながら聴いた。

ただ、文章が淡々としているのは、聞いてて心地いい。

松山ケンイチの朗読が、これまた良い。すごい。そして色っぽい。ちょっとドキドキしちゃう感じだった。

オーディブルでは引き続き村上春樹作品を聴く予定。

 

それと、今日の午後は久しぶりにマンガを読んだ。

山岸涼子「レベレーション」

 (電子書籍で読んだので、画像はメルカリのものです)

ジャンヌ・ダルクの話。

名前は知ってても詳しいことを知らなかったので、とても興味深く読んだ。

600年も昔のことだけど、結構細かく記録が残っているらしいことを初めて知った。

それにしても、人の意識も環境も残酷で劣悪な時代。

これは15世紀の話で、昨年「最後の決闘裁判」という14世紀ヨーロッパの貴族社会の映画を観たことと合わせて、人間はこういう過程を経て進化してきたんだなぁと「歴史」っていう言葉の意味を実感する。

 

小説も漫画も、ネットから。

何度も言うけど、未来だなー。

 

 

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久しぶりの村上春樹

2023-02-23 23:32:26 | 読書

村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」を、オーディブルで聴き終わりました。

「読んだ」のではないけれど、一応「読書」のカテゴリーにします。

 

久しぶりの村上春樹。

難解だけどやっぱり面白い。

登場人物も出来事もすべてがなにかのメタファに思えるんだけども、それぞれの描写はリアルだから情景が鮮やかに見えてきて世界に浸れる。

それと、30年近く前に書かれた小説なのに、今の今、世界が抱えている問題にリンクする部分があることに驚く。

結局、その「今の今」の問題は、別に今どきの新しい問題というのではなくて、普遍的な「人間の業」みたいなものがまたしても顕在化してるというだけのことなんですよね。

この作家さんにとっては、そんなことはとっくの昔からわかっていることで、凡人には見えない物事がいろいろ見えている人なんだろうなぁ、なんて思いました。

 

岡田トオルは「善」(あるいは「平和」?)であり、綿谷ノボルは「悪」であり、久美子は「犠牲」であり、笠原メイは「希望」

 

なのかなぁ・・・?

 

脳の最近は使ってない部分を久しぶりにフル回転させたような、心地よい疲労。

読書の醍醐味を久しぶりに味わった気分。

読めなかったら聴けばいい・・・でいいかなぁ?

 

藤木直人さんの朗読が素晴らしかったです。

 

 

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