昨日は梅田芸術劇場メインホールで「ダンスオブヴァンパイア」、今日はライブビューイングで宝塚花組「DANCE OLYMPIA」を観てきました。
◆ダンスオブヴァンパイア
4回目の再演、私は2015年の年末以来。
前回見た時に衝撃的な面白さで、再演を心待ちにしてました。
今の私にとっては、「好き度」でいえば「Mozart!」に次ぐナンバー2の作品です。
ヴァンパイアのクロロック伯爵の城がある村に、ヴァンパイアを研究しているアプロンシウス博士とその弟子のアルフレッドくんが来て、いろいろあって、最後は博士以外みんなヴァンパイアになってめでたしめでたし、という阿波踊り的な(ちょっと喩えが極端(^_^;))ミュージカルで、ラストには観客も一緒に踊って終わります。
なんと言っても曲が全部イイ!
そして、構成が役者パートとダンサーパートに分かれていて、お芝居の合間にがっつりダンスシーンがあって、これは主役も含めてすべての役をダンサーがやっているので非常に見応えがある。
最後に一緒に踊れるのも、上手くは踊れないけど、ちょっと恥ずかしいけど、でもとっても楽しい!
ヴァンパイアの話で、お城の人たちはゾンビの集団みたいだけど、でも内容的には実はコメディに近いので、とにかく面白くて楽しいのです。
クロロック伯爵は初演からの山口祐一郎。もう、この人でないとダメ、な域に来ていて、私は実はこの人の歌は苦手なんだけど、この役だけは山祐さんでないとダメだなと思ってしまう。
神秘的な魔王感とマンガチックなおちゃめさがいい塩梅に同居していて素晴らしいです。
アプロンシウス博士の石川禅は、歌が最高に上手くて快感。難しい歌を1音たりとも外すことなく軽々と歌ってのける。すごいです。
とにかく「論理的であること」に拘り「美しい星空よりももっと素晴らしいもの、それは人間の頭脳だ」と言う博士だけは最後まで人間のままです。
アルフレッド君に2.5次元ミュージカル出身の東啓介。
とにかくデカイ青年。声も大人っぽい「ええ声」系。なので、臆病でヘタレな少年であるはずのアルフレッドにはちょっと違和感があったけど・・・
でも、歌上手かったし、最後、ヴァンパイアになってみたらめっちゃカッコよくて、おお、この役を踏み台にもっともっと成長してね、という母のような気持ちになりました。
アルフレッドが恋するサラに乃木坂46の桜井玲香。声量がいまいちだけど、綺麗な声質で、この人も今後の成長に期待。
村の宿屋の女中で宿屋の主人の愛人・マグダに大塚千弘。レベッカの時にはちょっと頼りない印象だったけど、美人でコケティッシュでとても良かった。
クロロック伯爵の息子で網タイツのゲイで、最後に観客をダンスに誘うヘルベルトは、植原卓也。見事に美しいヘルベルトになっていてめっちゃ面白くて良かった!
宿屋の主人のコング桑田とその妻の阿知波悟美は初演組でもう安心、安定。
クロロック伯爵の下男、せむし男のクコールも初演組の駒田一で、幕間に舞台に散らかった雪(紙吹雪)の掃除に現れるんだけど、その時になんかしらやってくれる「クコール劇場」が話題になってました。
私が行った時にはエリザベートの「闇が広がる」の替え歌!娘とトイレに急いでいたら、闇広のイントロが聞こえてきて、慌てて劇場内に戻りましたよ。
まあ、そんなこんなで楽しんできました。
◆DANCE OLYMPIA
東京国際フォーラムでの、花組新トップゆずかれー、いや、柚香礼のプレお披露目公演。
ダンスの得意なれいちゃん用に作られたダンスコンサートで、れいちゃんだけでなく花組生みんな、とにかく踊る踊る。
1幕ではストリートダンスをメインに、2幕では和太鼓から始まって、オリエンタルダンス的なものあり、スパニッシュあり、ラテンあり、最後に花組100周年ということで過去の花組作品からのメドレーありで、どれもこれもいっこも崩れないダンスで、爽快感がハンパなかったです。
プレお披露目は大体東京先行で、西ではいつもだと7月ごろに梅芸とかでやったりするけど、こんなに踊りっぱなしの公演を真夏にするのはちょっときつ過ぎるのでは・・・と思うと、もうブルーレイが出ることも決まっているようだし、西での公演はないかも。
ちょっと意外だったのは、れいちゃん以上に水美舞斗(みなみまいと・マイティ)が踊っていた印象があって、あと組替えしてきた永久輝せあと100期生のホープ聖乃あすかとの3人組がすごく目立っていて、なんかもう「ゆずかれー体制」は出来上がってるような気すらしました。
この若者軍団に、こないだドラマシティで「マスカレード・ホテル」をきっちり見せてくれた瀬戸かずやセンパイが加わったら、すでに最強では?と思ってしまった。
今度の花組にはハマりそうだ~
いっぱいダンスを見て、自分も踊り切ったような爽快感だけど、実は座ってばっかりいたわけで、今日は腰が痛いです・・・情けない~( ;∀;)
昨日は、そもそもは歌舞伎を観に行く予定だったのね。夜の部だったから、その前に映画見ようと思い立って「パラサイト」を観たんだけど。
昨日も感想に書いたけど、あんまり強烈で、ずっと考えてしまって、正直一つ目の出し物の「義経千本桜」はほとんど観てるようで観てませんでした。
愛之助さん、ごめんなさい。
しかし「パラサイト」
いろいろ、示唆的なセリフがあったなぁ、と今日になってもついフラッシュバックしてしまうんだけど、1日経ってみると、登場人物それぞれ強烈だったけど、今になって一番心に残っているのはお父さん(ソン・ガンホ)。お父さんが一番悲しかった。ああ、辛い。
で、初春大歌舞伎。
一つ目は「義経千本桜」
パラサイトのせいで身が入らなかったのは確かだけど、川連法眼の片岡當十郎さんとか義経の片岡秀太郎さんとかがちょっとお歳なのが目立ってしまったのと、川連法眼妻の中村鴈乃助がセリフが出てこなかったりして、なんか緊張感に欠けた舞台だった印象。
二つ目は「夕霧名残の正月」
放蕩息子で家を勘当された伊左衛門が、久しぶりに恋人の遊女・夕霧に会いに行くと、病で亡くなっていてもう49日、香を手向けようとする伊左衛門の前に夕霧が現れて束の間の逢瀬・・・という舞踊。
中村鴈治郎&中村扇雀は安定のコンビで、安心して楽しめました。なにかちょっと、タカラヅカのデュエットダンスに通じるものがありますね。
三つ目「大當り伏見の富くじ」
8年前に初演された新作歌舞伎で、めっちゃ喜劇。いっぱいお遊びが見えるんだけど、演出も音楽も考えて工夫されてるのがわかって、ちゃんと「歌舞伎」になっているので、素直に楽しめました。
序盤、主人公の幸次郎が鳰照(におてる)太夫に一目ぼれする場面は、音楽が、エレキギターもつややかなロック。これがよかったわー。
幸次郎が川の中(水中)で河童と財布の取り合いをする場面とかも、よく考えたなーと感心するし、犬の狆が出てくるんだけど、これも妙に可愛らしくて、歌舞伎ならではの黒子さん大活躍な舞台。
悪役の田舎侍・黒住平馬の市川猿弥さんがまた面白くて可笑しくて、お絹の壱太郎くんが笑ってしまって一旦引っ込んじゃったりして、まあお正月だから許されることかもしれないけど、面白かった。
役者さんたちがいろいろギャグを繰り出すんだけど、観客がなかなかついて行かれず、最初のうちは「笑ってもいいんだか悪いんだか?」な微妙な空気が醸されてましたが、だんだん慣れて、最後は大いに盛り上がって幕となりました。
最後に「グランドフィナーレ」がついてるの(笑)
大階段ならぬ中階段が舞台の真ん中に出てきて、そこから降りてきて勢ぞろいして、軽く踊ってポーズして幕。楽しかったです。
古典も守りながら、こういう新しい歌舞伎が作られるのは良いことだと思いました。若い人にもっと見に来てもらいたいなー。
2020年、観劇初めは、わたし的にはテッパンの宝塚歌劇!制作発表のときに「絶対観たい!」と思った、「マスカレード・ホテル」。
そう、あの、東野圭吾作の、キムタクで映画になった、あれです。
宝塚では「別箱」と呼ばれる、大劇場ではなく外の劇場(シアター・ドラマシティ)での公演。
主演は、花組2番手の瀬戸かずや。・・・って、あきらくん、2番手になったんだ?いや、どうなんだろう・・・まだわからないんじゃ…っていう気もするけど、とりあえずそんなことは置いといて。
面白かったです!まあ、多少のはしょった感は仕方ないとして、それぞれにキャラクターが立ってたし、セリフもわざとらしくなく面白かったし。
男役スーツ軍団のダンスがね~、カッコイイの。うふふ。
あと、映画では小日向さんがやった能勢の役を、あきらくんより8期下の飛龍つかさが「新田を慕う後輩相棒」という設定でやってて、これがなんだか、出てくるだけで可笑しいという好演。こういう役作りって、宝塚ならでは、なんじゃないかなぁ。
映画では長澤まさみがやった山岸尚美を、雪組から組替えしてきた朝月希和。
こちらも、長澤まさみのイメージとは違って、宝塚らしく、ノーブルに凛々しく。
この二人が、最後の最後の、宝塚お約束の主演二人だけの締めのシーンで恋人同士となってキスシーンで終わる、というのが、案外自然に収まって、いやー、タカラヅカだなぁ~、とほっこり。
で、そのあと、1曲だけフィナーレがあったんだけど、これが!
ボレロ風の曲で否が応でも盛り上がって、カッコよくてもうサイコー!!!でした。
う~ん、満足~♪
帰りに、AfternoonTeaのお店でカワイイお弁当箱を見つけてしまって、お弁当持っていくことなんてもうないのに買ってしまった!ついでにマグカップも、いっぱい持ってるけど買ってしまった!
だけど、トゲトゲしていた気持ちがだいぶ柔らか~くなった気がします。
はぁ~、良い1日だった(#^^#)