前からとても気になっていた益田岩船。飛鳥でも最大規模の花こう岩の石造物を見学してきました。松本清張の「火の路」を読んでときめいてからどのくらいたつでしょうか。こんな巨石を結構勾配の激しい丘陵(岩船山)の頂上付近にどのようにして設置し、何を目的にしたかは大きな謎が残されています。
しかし、この岩の南500mのところには、牽牛子塚古墳(けんごしづかこふん)があり、それと同様に横口式石槨(よこぐちしきせっかく)の古墳を作ろうとしたのではという説が有力視されているようです。実際に高麗尺が使われているようで、7世紀の他の石造物との類似性があるという指摘もあるようだ。
牽牛子塚古墳は、斉明天皇の墳墓とする説が有力であり、持統天皇のころの時代に完成されたとすれば、この益田岩船について持統天皇が関係していたと妄想することはどうだろうか。何年か前に、丁度同じ季節ごろに訪れることができ石槨に感動した記憶があります。
今の日本の原型ができたのは、7世紀のころと思うが、この時代の渡来人の働きは凄まじいようだ。昨日はキトラ古墳にも行ったが、ここも被葬者が時期的に高市皇子等の皇族とする説もあるが、渡来人、百済王昌成説もある。天井の星座は高句麗の空をコピーしたものという説があり、個人的には渡来人かなと思う。
しかし、持統天皇の時代は東アジアの政治状況が今と同じように緊迫していて、さまざまな動きがあったようだ。唐の政治を念頭にした所謂大化改新の年に生まれた持統天皇。持統天皇だけでなく、私たちもそうだが、時代の申し子という観点はとても必要だと思う。
昨日は、このほかに畝傍山周辺の樫原神宮、元薬師寺、それから藤原京跡、吉野京跡、桜木神社を周り、美味しいものも頂いたりしました。幸せの一日でした。(続く)
間を考える旅 3/10
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