昨日は話題の映画・沈黙を観た。大作であったが、最初から最後まで居眠りすることもなく一気に観ることができた。良い映画だった。
このところ、ギリシャ悲劇を読んでいたこともあり、今回は運命と自己実現という、不思議な組み合わせを考えた。
自己実現というと、言葉のニュアンスからか運命という言葉を忘れてしまうところがある。
人は生まれてから亡くなるまで、運命に翻弄さえるのが普通である。綺麗に思い通りの人生を歩む人は殆どないようだ。キチジロウのように五島で17世紀に生まれ、不思議な運命の中を生き抜いた人もいる。井上さまのような迫害する側の武士もいる。ポルトガルから日本に命がけで来て、棄教する宣教師もいる。
ただ、その運命が左右する人生にあっても、何かを選択し何かになっていく道があるように思える。それが自己実現の道ではないだろうか。
運が良いことに、私はその自己実現の道を探すためのU先生の生き甲斐の心理学に出会えた。それも運命のひとつなのだろう。それは、大書店で平積みにされるような心理学の本ではない。ただ、一つのA4の紙に描くことができる系統図からなる羅針盤のような知識である。だから、おそらく踏み絵を踏むか否かという現場で使えるのだと思う。もちろん、知らなくてもキチジロウのように生き抜く人もいる。
自己実現 9/10