「生き甲斐の心理学」の勉強会で、「愛」の定義を教えてください・・とか、愛について訊かれることが多い。それだけ、私達が関心の高いことなのだろう。
そして、愛のイメージは、それこそ地上に存在する70億人という人類の数ほど多様だと思う。さらに、その愛のイメージが現実の暮らしに大きな影響を与えることに驚く。
自分の信じる愛ゆえに、見えてくることもあり、それゆえに見えなくなることもある。それも、人それぞれなので、やっかいなのだろう。愛を信じて見えてくること見えなくなることを研究する心理学の分野もでてくるのも納得できる。
さて、私はどうなのか?愛に関する哲学・宗教・神話の考え方に意識して触れてくると、ハッと驚く発見があった。そうとう深い分野で一生かけて思索するテーマなのだろう。特に私はカトリック信徒なので、思いは強い。
この10年くらい生き甲斐の心理学を学ぶ中で、日本神話のイザナギとイザナミの愛とか、ギリシャ神話にでてくるゼウスとヘラの嫉妬とか、いろいろ考えさせられている。
それから、名著「愛と心理療法」(M・スコット・ペック 創元社)の定義は好きである。 「・・・愛とは、自分自身あるいは他者の精神的成長を培うために、自己を拡げようとする意志である。」(79P)
感情でもなく、行動でもなく、思考でもなく、意志という言葉がでてくることが印象的である。そして、この考えから導かれる自他肯定的な立場は、心理学的立場を超えて、どうやって生きるかという問いに応えてくれるようだ。
愛を思索する旅 ② 1/10