天体に興味を持ち始めたのは何であろうかと考えてみた。親戚縁者に天文学者がいたわけではなく、東京の空は、今ほどでないが明るく星も見難かった。
夏に信州や広島、伊豆などに旅行に行ったときに見た星空の印象だったかもしれない。
天体に興味を持つこと。自然科学の知識取得の一面は当然あるが、もうひとつ重要なことがあるように思う。光に興味をもち、光への感受性を研ぎ澄ませることのように思う。
恒星は、やさしく瞬く。しかし、地球に近い惑星は、透き通った光であり。大気に影響されて瞬くことは少ない。そんな事実を確認するだけで少年の私はときめた。
恒星の赤い星、青い星、明るい一等星、暗い星。オリオン星雲などの光・・・そうだ、何百年前の光を見る不思議もあった。
初めて天体望遠鏡で見た惑星は金星であった。三日月の金星を始めて見たときは、感激した。
さて、私も天体望遠鏡を見始めた少年期を過ぎ、生意気な青年に成長した。少年のころの明るい感情の世界はどこにやら、毎日が何となく暗く、暗い世相もあって、ますます暗くなってきた。宗教も信じられないし、受験も失敗したりである時期は本当に暗かった。
そんなある夏の早朝、窓を開けると薄明の空に、明星が輝いていた。感動で涙がでた。美しい光を見て深く感動すること。それは、単純であるが人間に与えられたひとつの神秘のようにも思う。そして、その時から何かが変わったように思う。統合感の体験だったように思う。
暗い毎日が続くときは、外に出て、星の光、月の光、日の光を見よう。こころも明るくなるかもしれない!
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