我が少年時代を記すのは、気恥ずかしい限りであるが、「自分史」の1ページとして記す。
私の少年時代は、貧しく、悲惨であった。経済的にも、家庭的にも・・・。
太平洋戦争の被害者であった。戦前(幼年期)には比較的裕福に育って、幼稚園を卒業した。
しかし、父親が軍需工場に徴用されてからは、徴用先の近くで「疎開」させられて、悲惨な生活が始まった。
何よりも経済的な辛酸を舐めさせられた。
父親は世渡りが下手で、戦後の混乱期を要領よく時流に乗れずに、惨めな一生を終えることになった。
その原因は、父親の不器用さにあったように思う。頑固一徹で理想家、で芸術家肌であったように思う。
世の変化に合わせられなかったのだろう。兎にも角にも、経済的に貧乏で悲惨であった。
或る時は、食べるに困り、住む家もなく引っ越しを繰り返し、丁稚奉公までさせられた。
高校も授業料を滞納して、一時期休学になってしまった。
この時代の苦労が、今になって、強い生命力になっているように思う。《以下続く》
紅 葉 散 り て
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