植物越冬メモ

散歩中に見つけた熱帯植物を紹介していきます。。

みなかみ 亜熱帯性植物

2020年02月23日 | 関東植物






群馬県・みなかみ町
日光、那須高原と関東で最も寒さに厳しいトップ3の中でも積雪・風雪・山の吹きおろしと寒さが最も厳しいといわれる群馬県のみなかみ町。周囲は標高2.000m級の山々が連なり盆地に近い地形であり、気温差も激しい。一見、亜熱帯性植物に無縁の場所でどのような植物が生育・越冬できているのか調査を行った。また気候区分では新潟県・越後の日本海側気候の属すため冬の高水量・積雪量が多いのが特徴である。道路にはヒータが付いている地域もある程だ。



寒冷な気候のみなかみ町では、シラカバが良く似合う。暖地では、シラカバ・ジャスモンティーが向いているが生育速度が速いため、定期的な剪定が良い。強剪定には向かない種なのでスペースがある庭先のある場所に向く。樹皮は若木から園芸種・ジャスモンティーは白いので観賞価値が高いのでもっと多く避暑地や観光地で植栽するのもいいと思う。那須にも最適(笑)



バショウ

耐寒性が最大-10℃まで耐えられる本種だが冬の多湿下では越冬に弱いと思われた。しかし、植栽場所は山間部ながら周囲は木に囲まれており寒風を防ぎ温泉地な為、地温も高いのだろうか。草丈4mくらいまで生育しているので、冬場に多湿による地下茎の痛みがなく、健全に越冬している事に驚いた。





ユッカ・グロリオサ

耐寒性-10℃まで。那須でも見たがより寒冷なみなかみ町でも確認する事ができた。生育は問題なく改めて環境適応力の強い本種に驚かされた。周囲は開けており、完全な露地環境で生育していた。また、北限は宮城・岩手気仙沼までだと思われるが、より北の北海道南部函館・青森八戸でも越冬できる可能性がある為、今後も植物調査を続けていきたい。








ユッカ・エレファンティペス

観葉植物で広く広まった、ユッカ・エレファンティペス(青年の木)。冬季は、多湿の環境には向かなく多摩西部(-5℃)で1年目の根づき不足の苗が露地植え下(粘土土壌)下の環境で根腐れした例がある。しかし、みつけた3か所とも鉢植えで軒下の環境なので毎年雪をかぶりながらも越冬していると思われる。今後は新潟方面でも越冬しているのか調査していきたい。





針葉樹

青森県鰺ケ沢町の天然林が北限といわれている。ブナの林の中に大木が点在する北地の北限ならではの景観が楽しめるのが特徴である。花粉症の媒介花であるが、北限では花芽の形成に影響がでて花粉量がへるのかが気になる点である。また、すでに花粉の少ない品種の生産・植林が行っている様だがまだ始めたばかりの様である。スギが真っすぐに伸びるので庭木としてはいいかもしれないが、樹高・生育速度・花粉がミモザと同じなど条件が整う品種であればガーデニングにも利用できる日がくるだろうか。ここまで、大規模に植林され気候に適応した良い樹種はないのだから。


温泉熱

みなかみ温泉郷には多くの熱源があるらしく、周囲よりも若干の蓄熱・などがあり温度・地温が高いと思われる。年間1m以上の積雪がある豪雪地帯であるのにかかわらず常緑広葉樹も多く植栽されているのはこの温泉熱が関係しているのかもしれない。今後は、北関東の温泉町に生息するグッピーや植物がないかなども踏まえ調査していきたい。




シュロ

シュロもみなかみ町で越冬できる事に驚いた。耐寒性は問題ないが、植栽されている場所は少なく2か所どまり。これによって積雪の多い地域ではある程度植栽場所を考慮が必要なようだ。どの株も樹高は2mくらいなのでみなかみでは難しいのかもしれない。このような越冬ケースが北海道・函館にもあるのか調査してきたい。








ビワ

半耐寒性の常緑亜熱帯果樹のビワも越冬できている事に驚いた。しかし、越冬ギリな様で(理由は雪害)軒下で越冬できている株1か所どまりであった。積雪のある地域では軒下栽培が必須だろう。プラス寒冷なみなかみでは南西に植栽する必要があるだろう。福島県西郷村では-7℃で幼株がすべて落葉したという報告がある。




リンゴ
みなかみは冷涼な気候な為、リンゴの栽培環境には適しており周囲にも観光目的とした栽培園や畑が多くあった。また栽培・維持管理を考慮して剪定を行いいかに収量をあげていくかが今後の課題になっている。また温暖化で栽培できる地域が限られてきているので、暖地でも栽培できる種類や栽培方法はないのか調査していきたい。




イチョウ

2019の秋口から気温の高い傾向がある為か霜げていない鉢花も多く見られた。イチョウもみなかみでも完全でない事に驚いた。暖地性のダンチクの栽培も行っていたので関東北部の寒冷地でも温暖化を受けはじめているのは確かだろう。またサルビアの宿根性の品種は市街地や民家周辺でも多く栽培されていたので驚いた。今後宿根性サルビアの耐寒性についても調べていきたい。


サルビア メキシカンセージ


サルビア・スプレンセス
春播き1年草で、冬季太平洋側(冬季)零℃未満の地域なら霜よけ・軒下くらいで越冬できる様だ。メジャーな種だが観賞価値は高く、冬季は室内の南側の室内で日光浴しておけば年中楽しめるのではないか。みなかみ町でも短い夏の高温でも旺盛に生育できトロピカルな演出ができる数少ない鉢花である。北海道地域でもどのように生産しているのかも踏まえ・調査してきたい。


サルビア





アラカシ

なかなかの大木で、ほかにシ・カシ類の栽培例はなかった。やはり積雪量の多い地域では難しいのだろうか。周囲には幼木も点在していたので、生垣目的で多数植栽された事が分かる。温暖化で寒冷地な山間部でも(多摩西部や長野県北部)でも北上し生育しだしているので、今後気候次第では平地ではシラカシの栽培や宿根性サルビアの栽培が広まるのだろうか。





ネムノキ

ネムノキ属は、耐寒性の低い種が多いが北海道南部まで生育・植栽でき、この種が耐寒性が最も強い。庭ガーデンに扱う場合は銅葉ネムノキ(品種:チョコレート)がおすすめである。ただし生育旺盛な為数年で3m程に生育し、強剪定できないのが難点である。庭で長く維持できる管理方法・樹形維持なども調査していきたい。書籍によると、北海道の寒さでは、ギリ越冬となって幹割れが起きて短命な樹木となるらしい。





サトイモ
これは、さすがに露地越冬はしていない様子だと思うが、サトイモを見るとクワズイモを考えてしまう(笑)。冬季長期保存では地温が5℃下回らない環境:ビニール被覆などいくらか方法がある。寒冷地ではサトイモをどのように維持管理・種芋を越冬させているのか調査していきたい。那須高原でも栽培していたので。



タイサンボク

北米原産の本種は、生育旺盛だが耐寒性は園芸種(-7℃程)積雪の多い寒冷地での露地越冬はこれが初の事例なのではないかと思われる。葉の痛みなど異常はなく今後もより大きく生育するのだろうか。周囲は開けているが、市街地の為若干ながら冬場は暖かい地域だと思われる。


ツルニチソウ


軒下の暖地性シダ


コタニワタリ
Asplenium
日本海側に多いオオタニワタリの国内版:コタニワタリが生息していた。越後方面の気候にあうのか多く川辺の石垣に生息していた事に驚いた。寒冷地でも利用できる数少ないAsplenium属なので今後も那須・日光方面にも生息していないか。日本海側の産地
ではどの規模で生息・自生しているのかも調査していきたい。


シャガ
耐寒性のある数すくない常緑プランツ。那須標高800m付近の南側(風避けられる)場所でも元気に越冬しているのでみなかみでも大丈夫であった。他に強耐寒性(ヘデラ・アオキ)などがある。しかし、アオキは水はけの良い環境を好む。また、火山地域なので、水はけの悪い地域な為、耐寒性以外も難点が多いので那須の(火山地域・山間部)では栽培しにくい。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿