植物越冬メモ

散歩中に見つけた熱帯植物を紹介していきます。。

茨城 大子町

2020年06月20日 | 関東植物
茨城県の内陸最北部に位置する大子町。

世界的にも低緯度で珍しいシガが見られる地域であり、最低気温も-10℃台を平地でも毎年記録する。しかし、山々が風よけに役立っているためか、平地でも亜熱帯性植物の植栽(ユッカ・グロリオサ・バショウ・サボテン)の植栽が可能な様で、実際に植栽状況の確認を行う為、視察を行った。


発生場所は久慈川(写真とは別)
久慈川の川底の小砂利に凍り付いた氷の子片が、浮き上がって生まれる現象らしい・・。

発生・福島県 塙町付近から茨城県の大田町上小川付近のこと・・。

シュロと桜は、日本ならではの風景である。アメリカ・ロサンゼルスなどでも植栽した本種両方(シュロ)をみたが、なかなか不思議な感じがヤシ好きには感じてしまう。一番はもちろんジャカランタだと思うが・・。


ユッカ・グロリオサ

山間部のふもとの南側斜面に大きく生育した本種を確認した。本種は寒冷地でも平地や北風を考慮すれば植栽可能の種類なので、ユッカ・ロストラータでもダメなら試してみるといいかも。今後その点についても調査していきたい。
寒さが緩やかな東京都心では越冬耐性に逆に入れなかったのか(下葉や葉先が)凍傷が見られた株があった。



桜(左側は咲いてない)品種や風向き・越冬環境によって大きく実は左右されているのかもしれない。


アンティーク・チョークは、特徴ある羽状葉が特徴な多年草。どこか南国調でロックガーデンでサボテン(這団扇)とユッカ・グロリオサと混ぜて利用するといいかも。セダムや虹の玉を混ぜてグランドカバーとして用いるのもおすすめである。


猪苗代湖周辺にも自生した桜と同種と思われる品種の桜。幹にはシマ模様がないものの、蕾や幹立ちが開心樹形だと言う事。開花時期が周囲の桜より遅い点は同じであるが。残念ながら見分けは難しい。しかし、このように開花時期のずれを利用した植栽方法は、斬新でおもしろい。今後にいかしていきたい。






茶畑
霜よけファンなどで、霜を防げる環境さえあれば将来的にはヤシの栽培が可能になっていくと思われる。ココスヤシやサバル・パルメットなどはすでに寒冷地でも-10℃以下にならなければ、植栽可能なヤシなので調べて調査していきたい。


這団扇
北米最北部まで生育・自生する本種は、地を這うようにして生育する事からその名が名図けられたと思われる。トゲはするどくなかなか扱いづらい構造をしている。購入時は一枚葉にして初夏屋外に植栽すればたいていは越冬して翌年しっかりと生育していくだろう。またサボテン科では珍しく強光線によわいのでヤブランや玉竜と組んで排水の良い、石垣斜面に植栽するのがいいだろう。




同じ時期多摩地域のベランダ越冬の強刺類(フェロカクタス属)の北米産が開花。氷点下-4℃まで耐える本種は、クライメートゾーン9aの地域なら軒下なら実は越冬可能である。本種は暖冬ながら屋外・鉢植え・軒下で越冬した株。記録的暖冬な為、いくらか調査してきたい。



ソテツも南国植物だが、強い霜では枯れてしまう。この株はなんとか民家の壁で風よけ効果で越冬してギリ越冬の状態で越冬した様だ。今後もしっかり調べていきたい。また、ソテツの自生地は鹿児島・指宿なのでここまで寒い栃木県北で越冬したのは貴重な記録といっていいだろうか?


ヤマヤブソテツ
オニヤブソテツよりも山間部や丘陵地帯など涼しい気候を好む。クライメートゾーン9aの地域では、オニヤブソテツと混在して生育している本種を見る事ができる。また、霜が直接あたらない環境なら山間部(-18℃)まで生育が可能である。那須地域では標高1.200m程がちょうど北限にあたるだろう。火山地帯の為、それ以外(日照・土壌環境)に左右されがちだが・・・。


シラカシ

ブナ科常緑広葉樹のシラカシは、耐寒性が高く雑木林を中心に生育域を広げている。気候変動が原因の様だがわずかの差でここまで越冬し生育してしまうのかと驚いた。クヌギのようにドングリをつけるが、硬いコンパクトのドングリで渋みが増す為、在来種のリスやサルはあまり好まないかもしれない。



ビワは、耐寒性が比較的あり-10℃までなら生育・結実はなんとか可能。庭木でも寒冷地では平地まで。東北地方では沿岸域なら問題なく栽培可能である。(仙台・石巻・いわき)日照具合も重要で、あまり多量な積雪は、春からの生育を遅くする為に軒下栽培で大きくしてからが無難(群馬・みなかみなど)品種は早生品種よりも、田中が向いている。

実生苗から発芽し、屋外で生育しはじめた様だ。幼木だが市街地の為、温暖なのか越冬していた。


猪苗代湖

2020年06月20日 | 東北植物
福島県・猪苗代湖にいってきました。


記録的暖冬でも、猪苗代湖など積雪の多い地域ではまだ桜の開花は先の様ですが、ヤマザクラや東北のピンク色が特徴の彼岸桜が有名となっています。冬季は湖周辺で-9℃といくらか冷え込む地域です。それでも、周囲の村-10℃や市の-12℃と比較すると冷え込み具合がいくらか安定しているのがわかります。




記録的な暖冬2020年により桜前線が北上した北日本。標高の高い磐梯山・会津方面では遅いものの、徐々に北上しつつあります。冬季の最低気温は福島県南部の中では低い傾向があり、積雪量も多く2月中は風雪が吹き付ける厳しい気候となっています。観光名所として会津・南会津地方では、国内湖面積4位の猪苗代湖が有名である。


天空村では、桜並木が見頃であり集落や村などでも満開の状態であり、ドライブを楽しませてくれました。福島県は東北1位の県内面積を誇り気候もいわきでは安定して、高く気候による地域差もあるのが特徴です。次いで、前回紹介した石巻・仙台が高くビワ・カンキツの栽培が可能となっています。



また、内陸性気候であり涼しい気候を好む、モミやユミツバキなどの日本海側や雪国のが見られます。驚いたのは、スギの植林数の多さで、崖地や田畑の周りでは実生苗が多く発芽しているのが見られます。空中湿度や日当たり具合冬季の安定した寒さが常緑針葉樹では不可欠なのがわかります。


センリョウは、積雪の多く日本海側でも多く見られるclimate(-10℃)で那須高原が枯死限界温度となっている。アオキ、ヤツデ、シラカシも耐寒性-15℃で山間部のからっ風にも負けずに生育する事ができる。また、こういった生育環境が限られる地域では、植栽種一覧表など作成する事がリゾート施設では必要になると思われる。


平地の桜




シラビソの幼株だろうか?亜高山帯で東北中部なので。


車では制限域があり、ハクチョウやオオタカなどの絶滅危惧が心配(に)含まれる保全活動の配慮の影響かなと思われる。池にはクチボソやニゴロブナや外来種のコクチバスが生息している様だ。また、ボートや釣りエリアも局所的に限られている為注意が必要だ。


ヤツデの大株
推定樹齢30年のヤツデ。ヤツデのアオキの様にナンゴクアオキ(属名・)もあるのか不明だがしっかり調べていきたい。積雪は多い地域なので冬季もなんとか越している模様。また、雪国ではここまで生育良好なのは、珍しいとか。伊豆のインドゴムノキの様な感じで厳しい日本の寒さに耐えてきたのだろうか。


ユッカ・グロリオサ
若干・養分不足で黄色気味だが越冬した分、充実した様で幹・葉とも通常株より厚く肉厚な印象を受ける。本種の高い耐寒力に改めて驚いた。しかし、1箇所どまりで他には見られなかった。その為、猪苗代湖の様な積雪の多い地域で生育するには、幹高が低く株が有利だと思われる。(風雪も考慮)


コクチバスが釣れる場所(Micropterus dolomieu)かは不明だが。許可またはサイズや生息有無の目的で調べていきたい。コクチバス(スモールマウバス)が別名であり、小川や水流の強い地域でも繁殖・遡上できる品種であり関東北部の河川や東北南部のため池に分布は集中している。


・世界のバス
フロリダバス(Micropterus floridanus) ブルーギル(Lepomis macrochirus)
3倍体バス
ノーザンバス(M.s salmoides) ウォールアイ(Sander vitreus)

ホワイトバス(Morone chrysopa) スズキ(シーバス) Lateolabrax japonicus
カナダ~北米。耐寒力ある。   おなじみ海洋バス

ストライプバス(Morone saxatilis) ピーコックバス(Chicla temensis)
               熱帯観賞魚 南米原産・アマゾン川流域



池底が少し、よどんで見えないが、おそらくワームなどで垂らせば吸い付くと思われる。こんな身近な小川にも在来種の脅威が迫っていると思うとぞっとしてしまう。バスにもいくつか種類があり国内には4種(スズキを含め)が生息しているのが特徴である。水流が激しい地域にもバスは小型ならがいる。


崎川橋の周辺には、川辺を好むヤナギ属や野生桜をみる事ができた。写真の幹肌に白い模様が混じる野生桜は東北地方に多い耐寒種のヒガンザクラ属(Cerasus subhirtella)系統の野生種だと思われる。その為、開花時期はソメイヨシノよりも遅く、5月下旬には生育・開花し始めるだろう。高山種のマメザクラ系統(Cerasus incisa var.incisa)は6月上旬に開花する。鉢植えにも向いている。


幹高5メートルぐらいで生育は早く旺盛。日当たりはあまり関係なく環境適応は高い。近くには、この木から芽吹いた実生苗がしっかり生育していた。猪苗代湖周辺にも自生・生育しているので耐寒性は高い。ヤマザクラ系統(Cerasus amasakura)と交雑すれば耐寒性・花つき良い観賞株ができるのではと思われる。