植物越冬メモ

散歩中に見つけた熱帯植物を紹介していきます。。

東北地方 ヤシ編

2018年06月15日 | 東北植物


東北地方でも温暖な福島県いわき市にいっていました。四倉海岸付近には、ココスヤシがずらりと植栽されている。また、実もなっている。




マツバギクの紫花が、なんともエキゾチックな感じである。潮風、乾燥に強い数少ないグランドカバープランツの一つ。南米原産なので花色は鮮やか花で、屋外でも東北以南であれば、多くの地域で越冬可能なようだ。


実が、ぱらぱらと落ちている。南国ヤシやソテツをはじめ、亜熱帯果樹のビワやカンキツ類の栽培、常緑広葉樹のクスノキなど自生状況が見られるのはこのあたりである。




実生苗のココスヤシが生えている。タマシダも越冬したようだ。タマシダは無霜地帯なら越冬可能だが・・・。温暖ないわきなら場所が良ければ越冬可能なようだ。また、東北でも温暖ないわき市ではココスヤシが実生繁殖可能なようだ。



場所により東北なので、やや冷える為か若干痛みが見られる株もある。



売店(道の駅 四ツ倉にはココスヤシの小苗が栽培されていた)






東北の冬は、寒いイメージがありますが、いわき市は年間を通して温暖な地域である。
周囲は、常緑広葉樹のクスノキやダブノキなど西日本に多い樹木が中心に生えているのが分かる。



柑橘類では、耐寒性が最も強いユズはいわきから青森まで栽培されている。
しかし、温暖な気候を好む為、東北地方ならの太平洋沿い(石巻、仙台、南相馬、福島、いわき)などが向いている。



いわきでもビワの栽培も見られた。また、亜熱帯果樹の一つのビワも長崎や鹿児島など暖地多いが。-10℃以下になる那須でも植栽例が見られる。





ソテツも植栽されていた。屋根に近い場所に植えられているのでいわきでは軒下なら植栽できるようだ。ついでに、いわきフラワーセンターにも行った。。




ワシントンヤシは、四倉が北限なようだ。とくにダメージわ見られなかった。
耐寒性は-5℃~6℃である。関東では、福生市の米軍基地近くのワシントンヤシ並木もある。





カナリーヤシも植栽されていた。ワシントンヤシと同じく四倉が北限である。葉先に若干痛みが見られる。





こちらは、別の株。場所により痛みがあまりない株もある。





ついでにいわきフラワーセンターにいってきた。
まわりには、コルジリネやニユーサイラン、アツバキミガヨランなど南国植物も見られた。


冬寒かった為か、若干葉が少ないが元気に開花中。東北地方などは、温暖地でも霜が降りるのでハイビスカスの代わりにノウゼンカズラ、キョウチクトウ、クチナシ、ネムノキ、タイタンビスカスが向いている。(いわきではアメリカデイゴも越冬できるかも)






ベニバナトチノキは花が鮮やかで温帯樹だが、どこか南国風。ヤシと組み合わせるといいかも。





ブーゲンビリアも開花中。



温室内であれば、このように元気に生育し、開花できる。また、いわきは東北地方では最も温暖地の為、他の地域と比べると冬季の暖房費がかからない。


ニューサイランもいわきでは越冬可能なようだ。葉先に若干痛みがある株も見られた。(茶色や緑色の葉の品種は耐寒性がある。)



葉先に痛みが見られた株



アップ


コルジリネも植栽されていた。本種はコルジリネの中では最も耐寒性のある品種も一つでいわきフラワーパーク以外にも民家の庭木として3カ所ほど植栽されていた。




ギョリュウも植栽されていた。樹形などから、オーストラリアのオージプランツのような乾燥地の植物の感じがするので、寒冷地でも耐寒ヤシと一緒に植栽すると良いかも。



シュロ









アツバキミガヨランも植栽されていた。ユッカの中では最も耐寒性も強い品種の一つで、ユッカは高温・乾燥下を好む種類なので、寒い地域では生育期温度不足が心配されるが、本種は、環境適応性が高い地域なので東北では、石巻あたりが北限とされている。(書物や調査によるが)









クスノキも植栽されていた。福島県のいわき市が自生北限地とされている。おそらく(-10℃~12℃)あたりが越冬の限界温度と思われる。





斑入りリュウゼツランも若干痛みが見られるが越冬可能なようだ。




東京都心 熱帯植物

2018年06月15日 | 屋外の植物

都心でも10a相当の植物が越冬してるのか?
 都心23区内は、特に温暖な地域というが、海に面した江東区、江戸川区、品川区、葛飾区は霜が降りにくい地域である。また、多様な亜熱帯植物が越冬している。最近では、栽培家などから、これらの地域(軒下・市街地)でプルメリアやフィカス・アルテシマなどの(10aの植物)も越冬できたと聞く。また、この現象は、熱海や宮崎、鹿児島(指宿)でもみられる。また、東京23区内は、気候区分は9bとなっている。(2018.1.25は-4.0℃を記録し9aである。)気候区分9bの東京都心でも10a相当の亜熱帯性植物がみられるのか調査を行った。


まず、越冬例の多い(9b)の熱帯植物から


インドゴムノキ 2018.4.3


フィカス・アポロ2 2018.4.3
耐寒性および性質が弱い種類なので、葉が寒さと乾燥で、落葉したと思われる。



フェニックス・ロベレニー 2018.4.3


ブーゲンビリア 2018.4.3



ガシュマル 2018.4.3
生育が進み、根の力で鉢を割ってしまっている。



ガシュマル2 2018.4.3 こちらも元気そう。



2018.4.3
一見すると普通の木に見える。まさか町行く人は、あの沖縄で有名なガジュュマルだとは、思わないだろう。


2018.4.2
ツピタンサス シャフレラ・コンパクタより、耐寒性が弱いといわれているが状態よく越冬できている。



クワズイモ  2018.4.2
野ざらしなので葉が落葉している。


クワズイモ2 2018.4.2 
建物近くなので葉が残っている。



アボカド 2018.4.3




アボカド2 2018.4.3 
こちらは、すぐ近くにある株。少し葉が寒さで傷んでる。





セイロンニッケイ 2018.4.3    
無傷である。耐寒性は他の熱帯植物よりも強いと思われる。



テーブルヤシ   2018.4.3  
一部、葉先に痛みがみられるが元気に越冬できている。



10a相当の植物
パキラやフィカス・アルテシマ、アレカヤシは、枯死を確認。
どの種も10aの植物だが、東京23区では時の寒波で枯死してしまうようだ。(2018.1.25の-4.0℃を記録した寒波は例外なほど寒かったので)もしかしたら、今までは毎年越冬できていた可能性もある。

・店前の越冬中の熱帯植物 
屋根に一部、植物が入っていて霜・降雨を防げる環境。道路が目の前でヒートアイランド現象が起こりやすい。


2018.4.2
左からエバーフレッシュ 中アレカヤシ 右ストレチア・ニコライ


2018.4.2
左のアレカヤシは葉が緑だが。右 エバーフレッシュは枯死しているかも


エバーフレッシュ 2018.4.2


2018.4.2
アレカヤシは越冬できたようだ。これにより、クライメートゾーン9bの地域でも場所や活着状況によるが、アレカヤシは越冬できることが分かった。



・その他 道路沿い店前の熱帯植物

フィカス・ベンジャミナ たまに屋外で越冬したと聞くベンジャミナ。葉が青々としているので、もしかしたら4月に購入したばかりかもしれない。しかし、軒下越冬なら無傷でいる可能性も高い。2018.4.2


ハイビスカス 枯死
2018.4.3 枯死している。



2018.4.3 枯死している。



2018.4.3 枯死している。



フィカス・アルテシア?   2018.4.3     枯死している。


アップ 2018.4.3


左パキラ 右フィカス・アルテシマ 2018.4.3  枯死している。


・東京西部(多摩地区)の熱帯植物の越冬状況
 東京西部(多摩地区)でも熱帯植物が屋外で越冬できるようになってきている。冬季の最低気温は、-6~-7度だが市街地および軒下では屋外で越冬できるようだ。しかし、冬場は毎年10センチ程度まとまった積雪が降る地域なのでしっかり防寒対策した方がいい。今後は、インドゴムノキ(緑葉)やビロウなどが見られるようになるかもしれない。


フェニックスロベレニーと右側の木(フェイジョア) 2018.7.31



斑入りカンナ 2018.7.31
斑入りや銅葉の種類は、若干耐寒性が弱い。緑葉で黄花のカンナが一番耐寒性が高いと思われる。


オオタニワタリ 2018.7.31
寒さによって若干落葉したのだろうか。葉は健全なので、生育しながら今後は寒さに適応していくだろう。



クワズイモ・シュロチク 2018.7/31
特に寒さの影響は見られなかった。シュロチクは氷点下5度くらいの地域でも露地で大きく生育した物もある。

北海道・東北~関東までの気象データ

2018年06月14日 | 2018の気象グラフ
2018.1.25記録的寒波が日本列島を襲った。

毎年2月ごろは強い寒波に見舞われるが、今回は過去最強の寒波で上空1500メートル付近では
-15℃になる寒気が関東にも入ってきた。しかし、今回の冷え込みにより地域による

気候マップの作製をより細かく記す事ができた。





























注意事項!!
今回記載されている(気候区分および植栽北限植物の欄)の植物はその観測地点の周辺で見かけた植物を記載しているが、わずかな気温差で越冬している植物種もあると思われる。また、多くは充実した大株が多かった。その為、寒さの耐性がついた事で越冬していると思われる。同じ地域でも植栽場所(方角・日当たり・朝日があたるか)・土壌水分・地質・地形)や周辺環境(住宅密集地・道路)によって越冬の結果は大きく異なる。また、熱帯植物を露地越冬させるには、植栽場所は耐寒性を考慮して軒下や南側の陽だまりに植えつける事。冬期防寒(こも巻き、ビニールで被覆)を行い、水やりは控えめにする。周辺で越冬している植物種をみるなどを行うと良い。

※亜熱帯植物を露地栽培していると、朝日があたると寒さのダメージを受けやすいと思う。また、多くの栽培家から聞く。