植物越冬メモ

散歩中に見つけた熱帯植物を紹介していきます。。

ひたちなか自生タブノキ

2019年04月22日 | 関東植物
もうすぐ、ゴールデンウイーク。

その前に、冬季でも比較的温暖な、茨城県ひたちなか市に行ってきました。海洋性気候で、最低気温も、-3~4℃程で積雪量も少ない為、温帯~亜熱帯性植物も時折みられる地域である。どのような植物が生育・自生しているのか調べる為、調査を行った。


2019.4.18

九州南部原産のソテツ。周囲には、旅館も多数あり、南国植物の植栽も時折みられた。北関東ひたちなかでもクライメートゾン9aの植物(-3.9~6.7℃)の植物は越冬できる様で、その場合(アメリカデイゴ、ワシントンヤシ。シェフレラ、アロエは軒下で越冬可能)にだと思われる。

ソテツ

2019.4.18

酒列磯前神社では、温暖な気候を好むタブノキが多数みられる。ここでは、ヤブツバキやヤツデなどの暖地に多い植物が多く自生をしていた。


2019.4.18
温州ミカンだろうか。温暖な気候であり、北関東ながらも温暖の為、ソテツやユッカランなど亜熱帯性植物も見られる。

2019.4.18


酒列磯前神社 2019.4.18



2019.4.18
空を見上げると、少しでも光を確保するするために、木々が網目状になっているのが分かる。西日本で多く、みられる、照葉樹林の光景である。


タブノキ林を下ると、大海原が。2019.4.18



2019.4.18
ツバキ・サザンカの花 周辺には、樹齢300年のヤブツバキも自生しているようだ。民家の植栽も、比較的暖かい地域を好む植物が多かった。



2019.4.18
タブノキの根は、周囲の岩ものみこむようにどっしりと根を張る。クスノキ科であり、寿命も長い樹種であるもが特徴である。クスノキよりも耐寒性があり、青森県の深浦町の海岸部まで自生する。


2019.4.18



2019.4.18
枝はよく曲がった後、光があたる上部へまっすぐ枝をのばしているのが分かる。光は、木漏れとなっており涼しく過ごしやすい環境だった。海が目の前なのでひたちなかの中でも特に温暖な地域だろう。ブーゲンビリアなども越冬できるのか、今後も調査していきたい。


2019.4.18


2019.4.18

自生しているヤツデ


2019.4.18
大きく葉を広げるヤツデも、どこか南国調である。欧米では、冬季に花が咲き常緑の植物として人気が高い様だ。
日本でも、アオキなどもココスヤシを使ったトロピカルガーデンに用いたりして需要が高まっている。

芽吹きだしたタブノキ

2019.4.18


2019.4.18
常緑樹の多くは、春になると古い葉を落とす性質がある。このタブノキのみまず一斉に葉をおとしてから芽吹いた様子。他の株は、落葉しながら同時に、葉を展開させて生育していくようであった。


4.18

リビングストンデージ

2019.4.18
南アフリカ原産のキク科の常緑多年草。耐寒性は、-2~3℃と低いが温暖なひたちなかでは越冬できる様だ。おそらく、北限はここひたちなかか福島県いわき市だと思われる。今後は、気象庁の過去の気象データも参考にしながらどちらが温暖な気候なのか調べていきたい。


オニヤブソテツ

2019.4.18
オニヤブソテツも多く生育していた。シダの仲間だが、潮風に耐える事ができる種類であり北海道南部~九州にかけての暖地の海岸に多く自生する種類である。4倍体は、平地でも普通にみられる物だが、ここ海岸地域では2倍体で全体的に小さいヒメオニヤブシテツも見られる。


モチノキ

2019.4.18
幹肌が白く、南方系の植物の様にみえた。西日本など暖地多い種類の樹木である。生育が遅く枝葉がまとまる事から庭木としても人気があり、栽培されている樹種の一つ。


ロックガーデンのソテツ

2019.4.18
このように、岩上のロックガーデン調に植栽した方があう植物。実際に、自生北限の指宿市でも海岸沿いの岩場や崖地に生育をしていた。北限は、福島県いわき市である。


コルジリネ・オーストラリス(緑種)

2019.4.18
 温暖な気候を好むオーストラリア原産の植物。寒さに強く、-9℃程度の地域(黒磯・八王子)でも露地栽培できるほど丈夫である。逆に、極端な暑さ(40℃以上)に弱いのが特徴でもある。


シュロ・ユッカラン(ユッカ・アロイフォリア)

2019.4.18
どちらも、植栽される南国風の植物では、最も耐寒性のある種類だが、シュロは、-10℃以下でも越冬できる。ユッカランは、岩手・宮城の海沿いが北限のようだ。



タブノキのパワーを感じる道 2019.4.18


那須 露地越冬記録

2019年04月19日 | 関東植物
 栃木那須塩原地域では、様々な植物が自生している。去年2018年に気象丁の各観測地点の最低気温マップを作製し、北関東でも寒冷な那須・みなかみ・日光などの植物についての調査の準備をおこなった。調査を開智して1年が経過して越冬する様子などを観察・記録データがまとまったので報告する。


2019.1.2

 那須は、関東でも冬の低温が低い地域。常緑樹は耐寒性が氷点下10度程度の樹種では、葉にダメージがでる樹種もみられる。今後、越冬状況をさらに詳細に分析し、耐寒性ヤシの植栽(サバルヤシ・ココスヤシ)の可能性の有無なども調べる為、調査を行った。


2019.3.26
寒さに耐えるシャクナゲ。寒い北海道でも、生育可能だが那須高原では寒乾風によって、葉が落葉してしまう。黒磯~低地なら問題なく生育可能なようだ。


開花中のヤナギ 種類調査中

2019.4.2か3.26

那須高原~亜高山帯には、オモトヤナギ、ジャヤナギが自生している。湧き水や湿った場所に大群落をなす場合もあるようで、繁殖力は旺盛なようだ。


2019.1.27
少し前の様子。まだ、冬本番前の、年明け直後の写真で、痛みがみられない。その後積雪5センチ程を記録した日が3回あった。

ユッカ・グロリオサ

2019.3.25
 やや葉先にダメージが見られる。最高気温も2019.2月ごろに那須高原では、氷点下10度を記録している。常緑樹だが、越冬可能な低地黒磯でも毎年氷点下9度を記録している。また、-5℃以下の日が一週間程つづく事もある為ユッカの中でも耐寒性が強い種類でも痛みがでたと思われる。那須高原の寒乾風が、黒磯にも吹き付ける日も時折ある事も関係しているようだ。


パッションフルーツ

シャッターごしで越冬中のパッションフルーツ
耐寒性は、-3℃程だが夜間シャッターをするので冷え込みや霜を防ぐ事ができる為、葉が若干落葉しながらも越冬できている。



フェニックスロベレニーと右アレカヤシその後枯死確認。
2018.12.14??

ユッカ・ロストラータとサボテン類

ユッカロストラータは、2018.10.26??
秋に撮影したもの。初越冬なようだが、周りにバークチップを敷く事で、地温を一定に保ち霜よけにも役立っている。建物際の植栽なので、風も防いでいるのでうまく越冬できるか楽しみだ。


ユッカロストラータ

2018.9.6
左に子苗がみられる。2つとも元気そうであり、最も寒い地域で越冬しているユッカ・ロストラータだろう。最近、おしゃれなカフェなどの植栽に用いられる事多いが、しっかり根付けば那須地域でも越冬できる事が分かった。


コルジリネオーストラリスとバショウ

2018.9.6
コルジリネが越冬できる事に驚いた。同じくバショウもここより寒い地域では見られないだろうか。市街地なので、若干暖かいのか、毎年元気に越冬しているようだ。バショウは、冬季は地上部は枯れるが、5月下旬には生育開始をしている。


ユッカラン・バリエタガ

2018.10.26??

斑入りは、耐寒性がやや劣るようだが、問題なく生育して越冬しているようだ。黒磯でも-9度を記録する日も多いが根付けば越冬可能なようだ。

ユッカ・エレファンティペス ほぼ痛みゼロな様子
ガソリンスタンド近くで建物沿いなので、毎年痛みなしで越冬しているようだ。これにより、ここ黒磯でも霜よけ防寒対策をとれば、アメリカデイゴやワシントンヤシも越冬する可能性もある事が分かった。



2019.1.27
 全部で3株程、露地植えでなく鉢植えでも越冬しているのがすごい。露地で野ざらしの場合、ユッカ・グロリオサ(ユッカラン)もダメージがでる様だが。おそらく那須山からの冷たい風を防げれば越冬できる亜熱帯性植物も増える事がこれにより分かった。

2019.1.27

ツユクサの観葉植物

トラデスカンティア

静岡・焼津市で露地栽培は見かけたくらいなので、耐寒性はあまり無いと思ったが、ここ那須塩原市街でも見かけた。場所は、軒下なので条件次第(霜よけ・乾燥下)では、氷点下10℃程度でも耐える事が分かった。
2019.1.20

バショウ
バショウは、バナナの中では耐寒性は強いが、北関東北部でも屋外で越冬する事が分かった。しかし、見つけたのはやや小ぶりであった。その為、地上部は完全に枯死し、毎年芋(地下茎)から芽吹いて生育しているのかもしれない。

2018.7.14


2018.7.14

エンゼル・トランペット
市街地を中心に、屋外で越冬できているようだ。寒冷地・那須でも晩秋には大きなラッパ状の花をつける。ここ寒冷地でも、慣らせば地上部は完全に枯死しなくなり、2~3mの低木状になる事が分かった。

2018.9.6

ソテツ

2028.11.22
南国原産のソテツが、寒冷地で越冬できている事に驚いた。耐寒性は、-6℃だが那須では軒下で陽だまりで市街地の条件下なら越冬できる様だ。場所を考慮する必要があるが、那須塩原~大田原にかけて屋外栽培例がみられる。


ハマユウ
海岸の暖かい地域原産のハマユウも、越冬可能な事が分かった。亜熱帯性だが、意外にも那須のあちこちにみられる。葉はやはり冬季に落葉してしまうが、春には問題なく生育開始するようだ。

2018.7.20

2018.7.20


2018.7.20

耐寒性 (-10℃)

マホニア・コンフューサー
比較的、近年みられる様になったナンテンの新品種で耐寒性はやや低い。場所は、建物際なのでいくらか風は防ぐ事ができる。葉先が、やや茶色く傷んでいるが無事越冬できた様だ。寒冷地では、場所を考慮した方がいいのかもしれない、

2019.3.10


オリーブ
秋に剪定しても枯れる事は少ないが、寒冷地の那須では痛みがでている。耐寒性は、-8℃程度だが、那須でもあちこちで見られる。春先に開花し、収穫もできるのか生育状況を調べていきたい。

2019.2.11

ココスヤシ
 羽状ヤシで耐寒性は最も高いといわれる。耐寒性は、オリーブと同じくらいだが、那須黒磯では、みられなく大田原などでは植栽で扱われる様だ。越冬は、少し難しいのだろうか。シュロ以外にも植栽で扱える植物はないか、調べていきたい。

2019.3.22


キョウチクトウ
公園内の植栽株。幼株は、耐寒性が低く防寒対策が必要なようだ。葉先が茶色くダメージがでているのが分かる。
耐寒性は、-8℃程で那須高原では、見られない。

2019.3.22

アオキ 自生

2018.5.19

川沿いで、日陰で湿った環境ならたとえ-10℃近く冷え込んでも、繁殖可能な事が分かった。周囲には、ヤマヤブソテツなどの常緑のシダ類やティカズラ・アオキといった暖地に多い樹種も多い。この事から、常緑樹は、空中湿度が高いと越冬・繁殖する可能性がより高まる事が分かった。

ティカズラ 自生

2018.5.19

その他

這団扇
以前から注目をしてきた種類。
北極圏でも見られる、数少ない耐寒性をもつ種類。耐寒性は、-20℃程度でミキナシサバルヤシと同程度。実際に、北海道でも露地植えできている様なので、今後は栽培株を増やして露地越冬に挑戦していきたい。

2019.1.27


2019.1.27

シュロ 


2018.12.30 ?
積雪も、那須山からの寒乾風も、もとのもしない耐寒性ヤシ。欧米では、ノルウェーやデンマークでも植栽される事もあるのだとか。しかし、北海道よりも緯度が高いので防寒対策をしないといけない。那須は、ゴールデンウイーク頃に、黄色い花が咲く。一見和の雰囲気だが、花が開花すれば、エキゾチックである。


幼株・シュロ

2018.12.14
乾燥や、-5℃以下の日が続いた寒さで葉が痛んでいるのが分かる。やはり、シュロでもある程度根づかないと寒冷地では厳しいいのいが分かる。軽井沢や、奥日光などでは防寒対策をとる必要があるだろう。


マテバシイ
暖地はえるシイ類の中でも、葉が明るく光沢があり横に広がる樹形が、南国的。シマトネリコと同様に洋風でありヤシの植栽にも合う。その為、マテバシイも植栽に用いてもいいかmおしれない。しかし、耐寒性はシイ類の中では低く、-8℃程度なので、植栽場所をある程度考慮した方がいいかも。

2019.3.16

ヒメユズリハ

2019.3.16

シラカシ
耐寒性-10℃程度の高い耐寒性で、寒冷地では葉が落葉しても枝の枯れ込みがみられないほど丈夫の種類。那須高原では、最高気温が-4℃程で最低が、-8~10℃日が続く事がある。しかし、葉が落葉しながらも春~5月までには生育開始をするようだ。

黒磯 2019.3.10


黒磯 2019.2.16


那須高原

スダジイ
耐寒性は、マテバシイよりも高く-9度がギリ越冬ライン。しかし、黒磯でも実生繁殖している事から、積雪の少ない寒冷地(最低-8~9℃)までなら問題なく生育できるのだろう。耐寒性の順番としてマテバシイ<スダジイ<シラカシになる。

2019.3.17


2019.3.17