+3Kの牛の如く

前に向かってひたすら歩く。
感動し、希望を胸に、明るく楽しく元気に。
大地を踏みしめて歩く。牛の如く。

涸沢の二日目

2011年05月17日 | 本州の山
涸沢ヒュッテの目覚めは遅かった。食事が6時からということになっていたからかもしれない。
慌てて外に出たら、丁度屏風ノ頭(?)辺りから太陽が顔を出すときであった。

目を転じて奥穂高岳を見るとガスが掛かった状況であったが、既に白出こるに向け登る人の姿が見えた。

6時55分、朝食を済ませて、三人は奥穂高岳を目指して出発である。
三人ともハーネス、カラビナを着用、ロープも持って、万全の態勢でのスタートである。

しばらくは、三人の後姿を追っていたが、私の目当てである「涸沢小屋」行きたかったので
出発準備をして、テント村の向うにある涸沢小屋に向かった。
涸沢小屋に向かう横には、北穂高岳方面からの雪崩の跡があり、その凄さに驚いた。
急坂を10m程登ると小屋のテラスに着いた。宿泊者は既に出発した跡なのか人影は僅かだった。

ヒュッテほど賑やかさはないが、テント村やヒュッテ、前穂の稜線が正面に見えて、
素晴しいロケーションである。
売店に入って、記念の品を調達、その後コーヒーを頼んで目の前にあったおはぎも頼んで、
テラスのテーブルで、涸沢の贅沢を味わった。
「こんな楽しみ方もありだな」と一人納得して「涸沢小屋」を後にした。
涸沢カールを後にするとき、三人が向かった奥穂高は雲に隠れていたが常念岳方面も同様であった。

本谷橋を過ぎて、横尾への樹林帯へ入って漸く青空が広がってきた。屏風岩の向うに青空が見えた。

丁度、彼らが白出コルに届く頃である。これなら素晴しい眺望が期待できそうである。
晴れて来たならば、横尾に着いてからチェックインまでは時間があるし、「何をしようか」
元々横尾から蝶ヶ岳も、今回の計画の途中で考えたこともあったので、「槍見台」を思い出した。
もう一つは「槍沢ロッジ」まで登って、「時間が許せば槍が見えるところまで行こうか」とも
思った。
しかし、彼らが穂高岳山荘から下山するときは連絡を貰うことにしていたので、遅くとも
13時頃までには「横尾山荘」に着いていたいと考え、片道40分程で行ける「槍見台」に
行くことに決め横尾を目指した。

横尾手前の「岩小屋跡」


梓川に沿って明神岳へと連なる前穂の尾根


横尾大橋から見る上高地方向


蝶ヶ岳への分岐を確認したあと、横尾山荘へ彼らからの連絡がある旨をお願いして、槍見台に向かった。


急坂を登ること30分余り、振り返ると槍ヶ岳の穂先が見えた。


槍見台に着いた。




私は槍見台の直ぐ上に大きな木があったので、根っ子に腰掛けて弁当を食べることにした。
正面に槍の穂先を見ながら、このまま蝶ヶ岳まで行ったら良かったかなと思いながら・・・。

そんな思いを察したのか急に『ザァー』という音が聞こえた。『何?』と音の方向に目を向けると
槍見台から上部に抜ける登山道辺りの雪が雪崩て動いていた。丁度、蝶ヶ岳から下山してきた人が
私のいる大木の下まで来た頃で、危機一髪何を逃れた。
大規模ではなかったけれども、雪崩の怖さを知った瞬間でもあった。



途中の斜面を考えると、まだ雪崩の危険性があると判断して、昼食を切り上げ下山することにした。
その後は、特に危険に遭遇はしなかったが12時過ぎには横尾に着いてしまった。

横尾山荘を横から見た。木の横に見える窓の部屋が我々が泊まった部屋である。


チェックインまで時間があったので、山荘前のベンチに腰掛けて、再度昼食のやり直しをした。
行き交う人たちを眺めながら、コーヒーを入れて、のんびりと贅沢な時間を過ごさせてもらった。

13時過ぎても彼らからの連絡も入ってこず、「このままだと横尾到着が17時過ぎる」と思われた。
チェックインして14時過ぎ漸く奥穂高山荘を発つとの連絡がフロントに届いた。
結局は18時からの夕食に間に合うかどうかという時間が横尾到着の想定時間になった。
連絡が入ったことでもあり、「何とか明るいうちにぎりぎり着きそうだ」との安心もあり
暫くベッドで横になって休んだ。

12号室8人部屋、全員で7名の宿泊となった。


16時からは風呂に入れた。私を含め5人が一番風呂であった。山で風呂なんて贅沢。
二日間の疲れを癒してもらった。
風呂を上がっても、彼らが着くまではまだ時間がある。私は食料(酒のつまみ)と
アルコールを持って山荘前のベンチに出た。
横のベンチの私より年配のグループ、二人連れ、一人の人、それぞれが夕食までの時間を
ビール、ワイン、焼酎等々飲みながら、楽しいひと時を送っている。
私も、ビール、お湯割と飲んだ。ただ、彼らが帰ってからも飲むはずだから、一人で飲み
過ぎるわけには行かない、と思い自重しながら飲んだ。(?)

太陽が山に隠れる時間であったが、夕焼けはなかった。


想定通り、彼らは18時直前に横尾大橋まで戻ってきた。


頑丈なテツさんが部屋に入るなり、夕食前に「横になりたい」と言い出した。
余程疲れたようだ。18時30分頃から食事をし、彼らはその後風呂に入った。
結局、二日目の酒盛りは、私と稲さんの二人だけとなった。
程よく酔って、隣の人達とも楽しい会話をして、二日目の夜は21時にはベッドに入った。
明日は最終日。沢山の思い出をリュックにつめて帰ろう。



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