期末在庫金額の算定の仕方には
いくつかの方法があります。
例えば、次の仕入れをした３月決算法人の
期末在庫金額はそれぞれ以下のとおりとなります。
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４月仕入れ50,000個×@ 80
９月仕入れ20,000個×@150
３月仕入れ10,000個×@200
期末在庫 15,000個
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①先入先出法
先に購入した商品から順に払い出し、
期末在庫は後に購入したものが残っていると
仮定して計算する方法。
（事例）
３月仕入れ分10,000個×@200=2,000,000円
９月仕入れ分 5,000個×@150= 750,000円
期末在庫金額【2,750,000円】
②後入先出法
後に購入した商品から順に払い出し、
期末在庫は先に購入したものが残っていると
仮定して計算する方法。
（事例）
４月仕入れ分15,000個×@80=1,200,000円
期末在庫金額【1,200,000円】
③総平均法
仕入総額を仕入総量で割った平均仕入単価で
期末在庫を計算する方法。
（事例）
平均仕入単価9,000,000円÷80,000個=@112.5
@112.5×15,000個=1,687,500円
期末在庫金額【1,687,500円】
④最終仕入原価法
期中最後に購入した最終仕入単価で
期末在庫を計算する方法。
税務上は法定評価(算定)方法だが
会計上は中小企業のみ認められている。
（事例）
最終仕入単価@200×15,000個=3,000,000円
期末在庫金額【3,000,000円】
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全く同じ取引をしても
採用する算定方法によって期末在庫金額は
大きく異なることとなります。
事例のようなインフレ傾向（物価高）のさいは
④＞①＞③＞②の順番で期末在庫金額が多くなります。
また輸入商品の仕入単価は円建てに換算して計算するため、
期末近くの為替レートが円安になると
④や①の期末在庫金額も多くなります。
なお期末在庫金額が多いほど売上原価が少なくなり、
最終利益が多くなります。
算定方法を変更することは可能ですが、
期首の前日までに税務署に届出をする必要があります。
「期中に算定方法を変更して当期利益を圧縮しよう」といったことは
できないのでご注意ください。
