はやい!わかい!わかりやすい! 東京都港区芝浦の税理士 平井会計事務所

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J-REITと不動産クラウドファンディング

2025-03-07 04:07:31 | 会計・税金
不動産の少額投資といえば

J-REIT(上場不動産投資信託)が有名ですが、

最近は不動産クラウドファンディング(匿名組合型)

をする方もチラホラ見かけるようになりました。


似たような商品に見えますが

税制面では次のような違いがあります。
-----------------------------------------------------------------------
「J-REIT」
・分配金の所得区分は配当所得
・分配時に20.315%が源泉徴収
・証券会社の特定口座で運用すれば確定申告不要
・分配金は確定申告で総合課税(超過累進)or分離課税の選択可
・売却損は他の株式等譲渡益や配当と相殺可
・余った売却損の3年間繰越も可
-----------------------------------------------------------------------
「不動産クラウドファンディング」
・分配金の所得区分は雑所得(総合課税)
・分配時に20.42%が源泉徴収
・原則、確定申告が必要(サラリーマンで分配金20万円以下等を除く)
・売却損は他の雑所得のみ相殺可
・余った売却損の繰越なし
-----------------------------------------------------------------------
運用成績や手数料等の違いもあるので

どちらがよいかは一概には言えませんが、

確定申告で慌てないために

自分がどちらに投資しているのかくらいは

把握しておいた方がよさそうですね。

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税制改正修正案

2025-03-04 03:15:18 | 会計・税金
昨年末から話題となっている

「(給与年収)103万円の壁」の見直しですが

与党の修正案に一部野党が賛成する見込みのようで

ようやく決着となりそうです。

ここまでの流れを整理すると、現行で

「基礎控除48万円+給与所得控除55万円=合計103万円」

となっていた最低保証額を、昨年の大綱で

「基礎控除58万円+給与所得控除65万円=合計123万円」

とする改正案が出されていました。

その後一部野党と協議する中で与党が出したのが

以下の修正案です。

↓参照


文章を読む限りだと「基礎控除の特例」を設けて

給与収入に応じて段階的に基礎控除を上乗せする、

という制度になるようです。例えば、最低保証額は

「基礎控除95万円+給与所得控除65万円=合計160万円」となり

給与年収160万円までは所得税がかからない、となる見込みです。

なお"給与年収200万円まで"が同じ最低保証額となるのであって

実際に給与年収が200万円だと

「基控95万円+給控68万円(=200万円×30%+8万円)=合計163万円」

で課税所得は200万円-163万円=37万円となり、

非課税となるわけではありません。


また「基礎控除」(給与所得控除ではなく)の特例なのに

「給与収入に応じて」となっているので、

例えば年金受給者や不動産オーナー、個人事業主等の

サラリーマン(給与所得者)以外の方にも特例が適用されるのか、

訂正案からは読み取れません。

例えば個人事業主で実質の事業所得が年160万円の方は

青特控除65万円を引くと合計所得95万円となりますが、

基礎控除の上乗せ特例が適用されないと基礎控除58万円で

課税所得が37万円となり納税が生じることとなります。

給与年収160万円のサラリーマンと比べると

不公平感があるかもしれません。

他にもマンション経営の場合だと

専業なのかサラリーマンの副業なのかで

基礎控除に違いが出るのかもよく分かりません。


なお配偶者控除や扶養控除の判定基準を

現行の合計所得48万円以下→改正案の合計所得58万円以下に

引き上げる点については、訂正案に記載がないので、

当初改正案のままとなるのかもしれません。

合計所得とは「給与所得控除を引いた後」で「基礎控除を引く前」の

金額なので訂正案が「基礎控除の上乗せ」であれば、

訂正案による恩恵はない、ということになりそうです。

例えばアルバイトで年収158万円を稼いだ高校生は

年収160万円以下なので訂正案により本人の税金はかかりませんが、

合計所得は「160万円-65万円=95万円」で58万円超なので

当初改正案のままだと親側では扶養控除を適用できない、

ということになります。この辺りは誤解が出そうな気がします。


昨年末の大綱に比べると与党(や財務省)も

だいぶ譲歩したように見えますが、

かなり複雑な制度になりそうなので、

不公平感や誤解による反発も出るかもしれません。

今回の訂正案を有権者が今後どう受け止めるのか、

興味深いですね。

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不動産投資と損益通算

2025-02-27 02:00:40 | 会計・税金
不動産投資で出した赤字を

給与と相殺して所得税を還付してもらう。

そんな確定申告をする方も多いと思いますが、

不動産所得の赤字のうち、

土地の取得にかかる借入金の利子は

損益通算できない、という取扱いがあります。

↓参照


例えば、不動産所得の赤字が△50万円だとしても、

借入金の利子が30万円で

うち10万円が土地取得部分だった場合、

損益通算できるのは△40万円のみとなります。


この取扱いはマンション(購入額に土地部分が含まれている)

にも適用されるのでご注意ください。

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寄附と「ATMの振込用紙」

2025-02-19 02:53:40 | 会計・税金
個人が災害義援金等の寄附をした際は

「ATMの振込用紙等」と「ホームページの写し等」があれば

確定申告で寄附金控除を適用することができます。

↓参照


団体によっては「「領収書」や「控除証明書」が発行されないので

「ATMの振込用紙等」は必ず保管しておきましょう。

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配偶者(特別)控除と定額減税

2025-02-18 04:30:47 | 会計・税金
夫婦の所得の組み合わせで適用額が変わる

「配偶者(特別)控除」。

例えば、以下のようなパターンがあります。
-----------------------------------------------------------------
①:夫の年収500万円、妻の年収100万円
 →夫の配偶者控除「38万円」
②:夫の年収500万円、妻の年収150万円
 →夫の配偶者特別控除「38万円」
③:夫の年収1,100万円、妻の年収100万円
 →夫の配偶者控除「26万円」
④:夫の年収1,100万円、妻の年収105万円
 →夫の配偶者特別控除「26万円」
⑤:夫の年収500万円、妻の年収165万円
 →夫の配偶者特別控除「26万円」
⑥:夫の年収1,500万円、妻の年収100万円
 →夫の配偶者控除・配偶者特別控除「なし」
-----------------------------------------------------------------

なお定額減税の適用可否ですが、

上記①③⑥は夫側で妻分3万円の加算可〇、

②④⑤は夫側で妻分3万年の加算不可×、

となります。


定額減税は今回だけなので

まだよいですが、

年収上限の壁が2段階制になったら

またややこしくなりそうですね。

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親族同士が個人事業主の場合

2025-02-14 04:37:45 | 会計・税金
同居している親族同士が個人事業主の場合、

お互いに報酬を支払ったとしても、

その金額は必要経費とはなりません。

※所得税法第56条。どちらか一方で法人であれば適用なし

例えば親子で建設職人だとか兄弟で運送業等をしていて、

お互いに取引がある場合は注意が必要です


実際に弁護士である夫が税理士である妻に

支払った報酬が認められなかった、という

判例もあります。

↓参照


なおこの取り扱いは「所得税法のみ」の規定のため

取引金額が妥当であれば、消費税の仕入税額控除等は

認められる、ということになります。

念のため覚えておくと良いかもしれませんね。

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2割特例と課税売上高

2025-02-13 04:25:06 | 会計・税金
消費税の2割特例は原則、2期前の

課税売上高が年1,000万円以下で

あれば適用可能ですが、

このさいの課税売上高は

2期前が免税事業者であれば税込金額で

2期前が課税事業者であれば税抜金額で

それぞれ判定します。


例えば毎月の売上が88万円(税込)で固定だったとしても、

1,2期目/免税事業者:88万円×12月=1,056万円(税込判定)
→3,4期目は2割特例不可×

3,4期目/課税事業者:88万円×100/110×12月=960万円(税抜判定)
→5,6期目は2割特例可〇

と、年度によって特例の可否が変わるケースがあります。


なお年度の途中で課税事業者となった場合は、

課税事業者になった期間のみ税抜金額で判定します。

例えば12月決算の会社がR5年10月から

課税事業者になるケースだと

(88万円×9月+88万円×100/110×3月=1,032万円)
→R7年は2割特例不可×

のように判定します。


売上が1,000万円~1,100万円くらいの事業者は

要注意ですね。

↓参照

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家族の交通費と医療費控除

2025-02-10 04:44:44 | 会計・税金
通院時に付き添う家族の交通費は

医療費控除の対象となりますが、

入院患者を世話する家族の交通費は

医療費控除の対象になりません。

↓参照


似ているようで取扱いが異なるので

ご注意ください。

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スキマバイト

2025-02-03 04:15:34 | 会計・税金
「スキマバイトアプリで

50社以上の会社から源泉徴収票が届いたが

全て入力しないといけないのか」

電話相談でそんな質問がありました。


「基本的に全て入力しないと

正しい申告にはならない」と回答しましたが

今っぽい相談ですね。

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定額減税と確定申告

2025-01-30 05:29:28 | 会計・税金
定額減税は合計所得金額が48万円以下の

同一生計配偶者や扶養親族の人数も加算されます。


株式売買をしている専業主婦や

2ヶ所で働いている大学生の子等が

所得税の還付を受けるために確定申告する場合でも

合計所得金額が48万円以下であれば

扶養している夫や親で定額減税を受けることができます。


一方、上記の申告で合計所得金額が48万円超となった場合は

(課税所得金額や確定所得税額がゼロであっても)

扶養している夫や親の定額減税から外れることになります。


扶養している夫や親がサラリーマンであれば

自分で確定申告して追加納税する必要があるのでご注意ください。

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