貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

アゲートあるいはカルセドニーあるいは……

2021-11-12 20:37:52 | 漫筆

水晶のようなしっかりとした結晶質でなく、オパールのような非結晶質でもない、「微結晶」のシリカ(SiO2)が鉱物学的には「カルセドニー、玉髄」ということになっています。
けれどこれ、名前が多様でめちゃくちゃ。
透明度が高いのがカルセドニー、縞模様のものがアゲート、模様がごちゃごちゃしているのがジャスパーとか言われるけれども、必ずしもそうなっていない。カーネリアンは赤メノウとも言われるけれども縞がないものもあるし、ブルーカルセドニーとフルーレースアゲートは区別が微妙。
「メノウとカルセドニーは含まれるイオンによる発色で、ジャスパーは混じり込んだ他の鉱物による発色」という説を聞いたことがあるんですけど、どうもそうではなく、すべて微細インクルージョンによる発色らしい(倉敷市自然史博物館
もうわけわからん。面倒だからもう全部カルセドニーなりアゲートなりでいいじゃないかと思うんですけど。(いやお前が思ってもどうにもならん)
まあカルセドニーって、長いし、何か病気の名前みたいでちょっとね。(まあな)

アゲートやジャスパーは、まあ驚くほどの多彩ぶりで、こんなのありかよというものもある。ちょっとゲテモノっぽいものも多い。そして安い。貧乏石好きにはなかなか遊べる領域です。

このブレスレット、「ブルーカルセドニー」と銘打って売られていたもの。例のごとくすごくお安い。(こんなん君するんかい?)
どうも、ブルーレース・アゲートのレース(縞模様)がないところを集めたという感じがなくもない。それを「ブルーレース・アゲート」と銘打つか、「ブルーカルセドニー」と銘打つかは微妙。まあどちらでもいいけど。
なお、もっと澄んだ青水色の「シーブルーカルセドニー」というのは染色もので、ドイツだかに名人がいるらしい。

前にあげたムーカイト。アボリジニはこの石を用いて水脈を探したとか。どうやるのかな。聖なる石というのもなんとなく納得。

ガンババジャスパー。シアノバクテリア(太古の地球で酸素を作った功労者)が関係しているらしい。これも不思議な模様でかわいい。(かわいいか?)

前にもあげた「オーシャンジャスパー」と銘打たれていたブレスレットのビーズ。この模様も、バラエティに富んでいて、実に面白いものです。
おい、誰かが遊んでるだろう。

こちらは「モスアゲート」の小キューブ。モスアゲートというのも、こんなような苔っぽい模様を持ったアゲートを漠然と指す呼称らしい。こちらもなかなか見事な作品ばかり。

カーネリアン(赤アゲート)はまた改めて。

こういう様々な姿のアゲートを見ているとですね、石というものを作る精霊的存在がいて、その中の若手的な存在が、あれこれ練習しているみたいな気がするのです。
材料はいっぱいあるみたいだし、結晶を組み替えるのではなく混ぜるだけなので、技術的にもそう複雑ではないだろうし。だから自由な表現がたくさんできる。
「おう、新米さんよ、まず手始めにこれやってみな」みたいな。
楽しいだろうなあ。


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