貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

周期表

2024-04-08 21:55:27 | 漫筆

無知であることはよいことではないけれど、知る驚きがあるという点では喜ぶべきことではある。
理系ではない人間はおおむね物質の理に疎い。モリブデンと言われても「それおいしいの?」となる。(人を道連れにするな)
「周期表」というものがある。物質の元となる元素を網羅し整理した表、とでもいうのか。何十年も見たことがなかった。石集めをするようになって、いろいろな元素名が飛び込んできて、ようやく見直した次第。
前にも書いたけど、実に気持ちの悪い表である。最初見た時、「自然とは何と整然としていないものか」と呆れたが、その感想は今も変わらない。「なんでここ凹んでるんだよ」「どうして付表みたいなのが付くんだよ」と。
こんなやつね。



「ほんとにこれ正しいの?」とも思うけれど、百年以上これで世界が動いてきたのだから、まあ事実に近いものなのでしょう。しかしやはり人間の知による把握・整理なので本当に真実かどうかは疑問が残る。実際今も新改の試みは続いているし。
何にせよ現行の知はあくまで現行の知であって、完全なものではない。現行の知を絶対化するのは病的信仰であって知的探究である科学の自殺である。ほとんどの人は知らない――なぜか知らないように仕向けられている――超心理学の知見の堆積を見れば、現行の物理法則では説明できない現象というのは実にたくさんあるのであって、現行の知を絶対視してそれを悪魔のごとく忌み嫌うのは、物理学とは別の心理現象である。(何の話だよ)
それはさておき。(置いちゃうのかよ)
周期表を改めて見て唖然とするのは、「鉄ってこんな上かよ」ということ。やつ、重いぜ。
「恒星の内部では鉄までしかできない」のだという。よくわからんけれど、原子量が少ない物質は核融合するとエネルギーを出す。しかしそれは鉄で終わる。鉄と鉄より原子量の多い物質は核融合するとエネルギーを吸収してしまう。だから鉄は自然核融合の終わり、核融合し終わった「灰」のようなもの。それ以上の物質は、超新星爆発などによってできる。鉄は特異点、特異物質なのである。
そういう存在だから、周期表とかではかなり下なのかとイメージしてしまうけれど、とんでもない。鉄より原子量の多いものは、ニッケル、亜鉛、銅などごろごろある。「はあ?」ですねえ。
逆にチタンとかクロムなんていうのは鉄より重厚そうなイメージがあるけど、鉄の前。「ありゃ」ですなあ。
鉱物の世界では「苦鉄質」などと言われて重いイメージがあるマグネシウムは実は珪素より軽いとか。リチウム、ベリリウムは炭素より軽いとか。
はあ、物質というものを全然知らなかったのですなあ。
しかし原子1個が違うと全然違う物質になるなんて、そもそも不思議ですなあ。おかしくない?(いやそう言われても)

前にモリブデンのことを調べたら、「地球の生命活動に必須の物質」とあった。しかしモリブデンは鉄より重い。恒星内ではできない。超新星爆発によってできたのが地球に集まってきたもの。とすると、すべての生命は超新星爆発に依拠していることになる。われわれは皆、今の太陽の子供ではなく、かつて超新星爆発をした太陽の祖先の子供ということになる。ううむ。
いや、生命だけでなく、地球上のありとあらゆるものは宇宙からやってきたわけで、改めてそう思うと不思議。まあ人間の魂なんかはもしかするとさらに物質宇宙外からやってきたのかもしれないし。(おいおい)
それはともかく、鉄より重いもの、金銀プラチナはもとより銅、亜鉛、ニッケル、バリウムなどなど多くのものは、超新星爆発の賜物。ガイアはそれを受け取って、この地球を作っている。そしてこの惑星にとりわけ豊かにある水を駆使して、安山岩の大陸地殻を作り、花崗岩やペグマタイト・熱水鉱脈などの繊細美麗な鉱物を作っている。
鉱物たちは、その巨大な物質の宇宙循環の姿を現わし出している。元素と宇宙の展覧会だあ。(ちと大げさではないかい?)
石たちを見る時、それを形作っている元素を知り、それを通して物質全体の地図や宇宙と地球の活動記録を読み取ることも、また一興ではないでしょうか。

うちで水素・ヘリウムを除いて一番軽い元素から成る鉱物、ペタライト。原子番号3リチウム。

一番重い元素のやつ。燐灰ウラン鉱。原子番号92ウラン。

碌でもない雑感でした。(いつもそんなもんだ)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿