船に乗りたい。
楽しいことが待っているはずの船に・・・そんな夢をみた。
それには海の上に架かる細いロープを渡って行かなければならない。
いとも簡単にロープに足をかけ歩いている、眼下に海を見ながら。
不安定な足元~両手を広げてバランスをうまくとって、あと少しだ。
ところが、後ろから誰かがロープを切ろうとする。
ナイフはまた、いとも簡単にロープを切り、私は海へとドボンする。
泳げない私は、深く沈み、苦しむ・・・
どうにか切れたロープに手が届き、必死に掴み、海面へと出ようとする。
だけど、いくらもがいても顔を出すことはできない。
声にならない声を絞り出して、
目が覚めた。
*
苦しい綱渡りだった。
誰かを巻き込み、苦しめた過去がある。
今は一瞬で過去になり、過去の積み重ねが未来へと繋がる。
未来の為に生きているのではなく、今を生きることで精一杯だった。
取り返すことができない過去なのだから、
せめて未来へと繋がる今を恥じない生き方をしよう。
・・・不安定な綱を渡るのは止めよう。