チコの花咲く丘―ノベルの小屋―

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ADHDとともに「君の星座」第12章 揺れて揺れて その9

2014-03-30 19:46:02 | ADHDとともに「君の星座」
 帰りに、下のハローワークに立ち寄るように言われて。
「ツジムラさん、ありがとうございました。終わりました、はい。また後日もう一度と言うことで・・・」
失礼します。わ、もうこんな時間なの?三時間もしゃべってたんだ!
 とりあえず、今日は帰ろう。無駄にお金使いたくもないし。ブロロロロ・・・さっきの、エンドウさんの言葉を反芻している。
『検査の後ね、ケース会議をするのね。私とあなたと、ツジムラさんと、支援センターのイワキさんも交えて。ご両親も同席していただけないかしら?ご両親も一緒に考えていただきたいんだけど。』
いやいや、絶対に一緒には考えられない。うちの両親は。何を言っても自分たちの意向を押し付けてくるだけで。で、行き詰って今回、障害者登録って話になったら大喧嘩。それからもう、一ヶ月以上決裂している。だけど、この方がいい。どうせわかってくれないなら、距離をとったほうが。そのほうが、自分にとっていい進路を見出せる。
 次の週の同じ曜日、また、障害者職業センター。
「こんにちは、お願いします。」
エンドウさんに、今日は前回とはまた違う部屋に連れて行かれて。向かい合わせに掛ける。
「それではですね、ツキシロさん。今日は、適性検査をさせていただきます。」
「はい、よろしくお願いします。」
まず、冊子みたいなのを渡されて、算数とか国語とか・・・
「はい、そこまで!」
ストップウォッチを止めるエンドウさん。ここでシャーペンを置いて終了。
 他にも、作業みたいな検査もあって。部品を組み立てたり、分解したり、そして、仕分けの作業かな?
「このカゴに入ってる札は、一つ一つ番号が振ってあります。で、棚に書いてある番号のところに入れていって。ちょっと私、検査の道具とって来るから。やっててくれますか?」
ストップウォッチを押して退室するエンドウさん。ここは一人で黙々と作業する。
 雑談みたいなことも途中にあって、検査の内容も、だんだん、実務に近いものになって行き。そういや、こういうの、事務系の職場でやったことある。うーん、あまり好きじゃないな、これ。
「休憩しなくていい?」
「はい!」
「じゃあね、パソコンの入力。」
これもタイムを計り。
「で、これ。どんどん法則が変わっていくのね。どう変わっているか考えながら、答えを選んでくれるかな?」
言葉で具体的に示されないけど、ルールが変わっていくってあれ。どんどん正解、進んでいく問題。
「わかる?こういうの。」
「はい、よくわかりますよ。」
「それはすごいわ。発達障害の人ってね、こういうのがわからない人が多いのよ。」
 前回の面接と同じ、検査終了まで三時間。
「ありがとうございました。」
「お疲れ様でした。では、これから採点、評価しますので、終わったらケース会議の連絡しますね。今月中には出来ますから。」
「わかりました!よろしくお願いします!」