チコの花咲く丘―ノベルの小屋―

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ADHDとともに「君の星座」第12章 揺れて揺れて その4

2014-03-25 19:31:52 | ADHDとともに「君の星座」
 黄金週間だからかな?ゲームセンターも、
『クレーンゲーム、本日全て百円です!』
いろいろサービスやってる。今日も、家にはいたくなくて、ふらふら出てきた。やっぱり、お客さん多いな。メダルゲームも満席。
 で、クレーンゲームを見て回る。
「あー!」
「もうちょっとだよ!もう一回やろ!」
どうかな?・・・二回、三回、設定が厳しい目なのかな?あ、落ちた。人のことながらよかった。私もほしいプライズあるんだけど、ちょっとあれは、取りにくいかな?
 もう一度、メダルゲームのコーナーに戻った。満席の中、ゲームの様子を見てるだけでも面白い。失業中で、当面仕事は探し始められないから、出来るだけお金は使わないでいる。
『うん、金銭、時間、身辺管理がきちんとできる。これは素晴らしいことです。不注意のある人は、これが出来ない人が多いんですよ。』
ドクターが言ってたけど。そういう意味では、ADHDの症状は当てはまらない気がする。ADHDには、不注意優位型、衝動多動型、混合型とあるんだけど・・・
 私、どれになるんだろうか?・・・人を殴った記憶・・・中学から暴力沙汰はやめたけど、むしろ、私は乱暴者と言われたことが多かった。他には、気分がころころ変わるとか。不注意って指摘されたことはなかったし、それで困ったこともない。

ブルルル!

ケータイにメールが来た。お母さんか。はん!一年半も診断を遅らせた挙句、二回も解雇なんて目にあわせた!でも・・・
『おじいちゃんが外食に行こうって言っている。ハルカも来れるね?』
おじいちゃんの御用か。じゃあ。
『わかりました、現地に行きます。』
急いでゲームセンターを出る。おじいちゃんは何も悪くない。お出かけなら、手があったほうがいいし。行こう!
 地下鉄に飛び乗って、現地に急行した。
「あ、ハルカが来た!」
ホテルのロビー。お父さんとお母さんが、車椅子のおじいちゃんとお店の前にいる。おじいちゃんのリクエストで、和食のいいお店へ。
 おじいちゃんとだけ、時々言葉を交わしながら、綺麗なお料理を味わう。コースの最後の、たけのこご飯。
「ハルカ、残ってるし、食べたら?」
お母さんの言葉に、ジェスチャーでおじいちゃんのほうに勧めるように促す。
「おじいちゃん、たけのこは固いから。お母さんたちももう入らないし。ハルカが食べて。」
じゃあ、さらえますか。