米航空宇宙局(NASA)は、世界の平均海面水位が1992年から現在までに約8センチ上昇したと発表した。人工衛星の観測データなどを元にした最新の推計値で、信頼度が高いという。いまの傾向が続けば、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が指摘する「最悪ケース」にあたる「今世紀末に82センチ上昇」か、それを上回る可能性が高いとしている。
NASAによると、1992年に打ち上げた海洋観測衛星やその後継機などによる複数の観測データを分析した。海面水位の変化には地域差があり、フィリピン沖や東日本沖の太平洋の一部で平均20センチを超えたほか、多くの海域で数センチ以上上昇していた。一方、米西海岸沖など水位が低下した海域もあった。
IPCCの第5次評価報告書によると、世界の平均海面水位は、20世紀に入ってから2010年までに19センチ上昇。今世紀末には26~82センチの範囲で上昇すると予測されている。
NASAによると、この10年間で、グリーンランドで毎年平均約3千億トン、南極でも同約1200億トンの氷床が失われており、最近の水位上昇につながっているとみられる。NASAの専門家は、気温上昇で氷床が大規模に溶け始めれば、さらに水位上昇が加速する可能性があるとしている。(ワシントン=小林哲)
NASAによると、1992年に打ち上げた海洋観測衛星やその後継機などによる複数の観測データを分析した。海面水位の変化には地域差があり、フィリピン沖や東日本沖の太平洋の一部で平均20センチを超えたほか、多くの海域で数センチ以上上昇していた。一方、米西海岸沖など水位が低下した海域もあった。
IPCCの第5次評価報告書によると、世界の平均海面水位は、20世紀に入ってから2010年までに19センチ上昇。今世紀末には26~82センチの範囲で上昇すると予測されている。
NASAによると、この10年間で、グリーンランドで毎年平均約3千億トン、南極でも同約1200億トンの氷床が失われており、最近の水位上昇につながっているとみられる。NASAの専門家は、気温上昇で氷床が大規模に溶け始めれば、さらに水位上昇が加速する可能性があるとしている。(ワシントン=小林哲)