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仕事が速い人がやっている「スゴ技」ベスト3 成果にこだわる、外資系マネジャーの頭の中‏

2015年09月16日 06時30分26秒 | お役立ち情報
 仕事を速くするスキルは、他の人から「見えにくい」「注意されにくい」ため、なかなか改善されないまま歳を重ねてしまう人も多い。

 外資系企業のシニア・プロジェクト・マネジャーとして、200人のメンバーを抱える木部智之氏は、「自分より年上の人と仕事をする機会も多いが、効率のいいやり方を覚えないまま仕事をしている人が9割」と話す。一方で、速さを常に意識している人は、どんどん成果が上がるため、その差は累乗で離れていくという。自他ともに認める「スピード狂」である木部氏が実践してきた「スゴ技」ベスト3を紹介する。

 仕事のスピードを速くしたい――。スピードを意識せず、仕事をしている人はいないでしょう。仕事が速ければ残業しないで帰れますし、上司からも評価される。何より、今の時代は速さ自体が仕事の価値として、プラスになる時代です。

 でも、「仕事を速くしたいと意識している」ことと、実際に「仕事を速くする技術」を知っていることは全く別の問題。私が一緒に仕事をしているメンバー200人のうち、9割が「仕事を速くする技術」を知らないまま、30代、40代、50代……と歳を重ねてしまっています。

 なぜでしょうか? それは「仕事が速い/遅い」という結果は誰にでも見えますが、「なぜ速いのか」「なぜ遅いのか」という途中のプロセスが見える化されないため、他の人から注意されにくいのです。例えばパソコンのショートカットキーを使っている人と使っていない人。ひとつの動作では数秒の差かもしれませんが、積み重なれば、その差はどんどん開いていきます。

 年齢を重ねれば重ねるほど、周りの人から「もっとこういうやり方がありますよ」と指摘されることも減り、「行動の癖」「思考の癖」が“遅いモード”のまま、どんどん歳を重ねてしまう人も多いのだと思います。

 反対に、仕事が速い人が実践しているスキルも、本人にとっては「あたり前」のものが多いため、共有されないままその差は累乗で開いていってしまうのです。実際、私も部下ができて初めて「えっ、そんなことしてるんですか?」と指摘され、自分がかなりの「スピード狂」であることを実感しました。それまでは、皆が自分と違うやり方をしていること自体、知りませんでした。

 私は自分のチームのメンバーに、「あと5倍仕事を速くしろ」とよくハッパをかけています。

 なにも、根拠もなく気合いで5倍速くしろ、と言っているわけではありません。

 自分であれば30秒で終わる作業をメンバーが10分かけてやっていたり、私であればその日のうちに片づけられる仕事が1週間かけても終わらなかったりと、私の仕事のスピードとメンバーのそれに5倍“以上”のずれがあることが多いのです。

 その差は、仕事を速くするための技術を知っているか、そうでないかの違いから生まれます。速く仕事をすることを突き詰めれば“少なくとも”あと5倍は速くすることができます。

 私は現在、超大規模で超困難なシステム開発プロジェクトを担当しています。そのプロジェクトで最後方に位置していた、日本と大連を合わせて200人の開発チームを引き継ぎ、1年あまりで先頭を走るチームへと変革させました。

 そのチームを引き継いだときは、チームのスケジュールがかなり遅れていたため、まずはプロジェクト全体のスケジュールへと追いつくために、どうやれば最高の効率で、最速で成果をあげられるかを徹底的に考え続けました。普通にやっていては、当然、追いつくことはできないのです。

 また、私自身、朝から夜までミーティングが詰まっている状態の中、200人のメンバーに的確な指示を素早く行い、日々発生する問題を即座に解決しなければなりませんでした。

 このような状況の中、自分自身の仕事と200人のチームの仕事が最速となるよう、数々の仕事術を実践することでチームを大きく立て直しました。

 では、具体的に何をすべきか。今回は、私が実践してきたスピード仕事術の中から、すぐに実践できて効果の高い3つの技術を紹介します。

 3位 エレベータでは「閉」ボタンを先に押す

 エレベータの「行き先階」ボタンとドアの「閉」ボタン。どちらを先に押せば最速で行き先階にいけるでしょうか?

 答えは「閉」ボタンです。

 そこまでやるかと思われたでしょうか。これは一例に過ぎませんが、こうした日々の段取り次第で、いかようにも仕事のスピードは変わります。段取りが命、といっても過言ではありません。

 よく、仕事を速くするには「段取りが大事だ」と言われます。言葉自体はなんとなくわかるので、「段取りをしっかりしろ」「はい」というやりとりを、私も部下とよくしていました。でも、多くの人が「段取り」の意味をわかっていません。ズバリ、段取りとは次の6ステップのことです。

 Step 1. 仕事のゴールを決める

 まずは、目的は何か、どのレベルで完了させればよいのか、これから取り掛かる仕事のゴールを設定しましょう。

 Step 2. 仕事のゴールまでを作業に分解する

 仕事はいくつかの作業に分解できます。着手してから完了するまでを作業に分割しましょう。

 Step 3. 作業ごとの時間を見積る

 次はそれぞれの作業にかかる時間を見積ってください。10分、1時間、半日、肌感覚で十分です。このレベルで精度を突き詰める必要はありません。

 Step 4. 最も時間のかかる作業を見極める

 それらの作業の中でいちばん時間のかかる作業を見つけましょう。仕事の段取りは、このいちばん時間のかかる作業を中心に組み立てます。

 Step 5. 作業の依存関係を見極める

 作業には依存関係があります。“どの順序で進められるか”、“どの作業が並行してできるか”を見極めてください。

 Step 6. 作業の段取りを決める

 Step 1~5.までが終われば、最後は、これらの作業をどういった順番でこなせば最速でゴールにたどり着くか、作業の“パズル”をすれば段取りは完了です。

 ひとりでの仕事でも、チームとしての仕事でも、これが最速だ!と思う段取りを決めてから仕事に着手するようにしましょう。

 2位 パソコンの「神ボタン」を使う

 私が部下に口を酸っぱくして言っているのが「神ボタンを使え」ということです。神ボタンとは何か。作業が劇的に速くなる、ショートカットキーのことです。

 ファイルの保存やコピー&ペーストといった基本的なショートカットは多くの人が知っていますが、それでは、人と差がつきません。皆が知らないからこそ、差がつくのが次の3つです。

 1: Home/Endボタン

 キーボードには、HomeボタンとEndボタンがあります。何かの単位の最初まで飛ぶのがHomeボタン、最後まで飛ぶのがEndボタンです。

 私はこの文章をWordで書いていますが、いまここでHomeボタンを押すと行の最初にカーソルが飛び、Endボタンを押すと最後の文字まで飛びます。

 次にShiftボタンを押しながらHome/Endボタンを押すと、カーソルが飛ぶ箇所まで一気に範囲選択できます。さらに、Ctrl + Home/Endボタンを押すと、最初/最後のページまで一気に飛びます。

 Home/EndボタンとShift/Ctrlボタンの組み合わせでカーソル移動と範囲選択が瞬時にできます。

2: Excelの[Ctrl+1]と[F4]

 Excelに数あるショートカットキーの中でも、[Ctrl+1]と[F4]はまさに神レベルです。

 [Ctrl+1]は選択しているセルの書式設定ができます。マウスでメニューから「セルの書式設定」選択するのに比べて、秒単位で仕事が速くなります。

 もうひとつは[F4]です。これはひとつ前の操作を繰り返すコマンドです。例えば、セルの色を黄色くした後に別のセルに移動し、[F4]を押すとそのセルが黄色くなります。同じことを何回もやるときに抜群の威力を発揮します。

 この[Ctrl+1]と[F4]の2つを組み合わせるだけで、劇的にExcelの作業効率を劇的にあげることができます。

 3: 神の中の神 [Alt]ボタン

 [Alt]ボタンを押すと、ソフトウェアのメニューがアクティブになります。そしてそのメニューをよくよく見てみると、ほとんどのメニューにアルファベットが振られているのに気づきます。

 そのアルファベットがショートカットキーへとなるのです。

 たとえば、Excelで[Alt]ボタンを押すと各メニューにアルファベットが表示されて、そのガイドに従って[Alt] + [A ]+ [T]を押すとオートフィルタがかかります(バージョンによって異なりますので、表示されるアルファベットを見てください)。

 どんなソフトウェアであっても、[Alt]ボタンを押せばショートカットキーを見つけることができるのです。

 マウスに手を置く前に、まずは[Alt]ボタンを押してみましょう。よく使う機能は[Alt]+[~]+[~]のボタン操作を覚えるようにしましょう。

仕事を速くするためには、ショートカットキーを使うことは鉄則です。ショートカットキーを身に付けるために、できれば1週間、断腸の思いでマウスと決別してみてください。

 パソコンは基本的にすべてキーボードで操作できます。1週間もすれば、マウスを使う方が煩わしいと感じるようになると思います。

 1位 メールの開封確認機能で相手の「スピード感」を把握する

 「メールで依頼したあの件、どうなった?」

 「すいません、まだメール見れてません」

 という会話は、誰しも経験があると思います。メールを見る見ないという単純なことで、下手をすると数日レベルで時間を失ってしまうこともあります。こういったことをなくすためには、相手の仕事のスピード感を把握しておく必要があります。

 相手のスピード感を知るための方法のひとつとして、私は、メールの開封確認機能を使うことがあります。

 開封確認機能とは、送ったメールを受信者が開いたときに、「メールを開いたよ」と送信者に通知する機能です。ほとんどのメールソフトについているので設定方法はヘルプなどで調べてみてください。

 私の場合、自分のメンバー全員宛に一括のメールを送るときに、開封確認機能を設定することがあります。そうすると、メールを開いたタイミングで次々に開封確認のメールが自分のところに飛んできます。

 この開封確認機能を何回か使うと、誰がどれくらいのスピード感で仕事をしているかが大体わかるようになります。メールを受信してすぐにメールを開く人もいれば、なんと数日後に開く人もいます。

 相手のスピード感を知っておくことが、チームとして最速で成果を上げることにつながります。

 例えば、メールを開くのが遅いタイプの人に対しては、メールを送った後に直接、「メールを送ったから確認しておいてね」と口頭でフォローしておくことで時間のロスをなくすことができます。また、仕事を依頼するときにも誰がどれくらいのスピードでできるのかがあらかじめわかっているので、それを踏まえた段取りで作業を依頼することができます。

 なお、このテクニックの使いすぎは厳禁です。気分を害する人もいるので、こっそりとだいたいの感触がつかめる程度にしておきましょう。

 私は秒単位で仕事の速さにこだわっています。しかし、その効果は秒単位ではありません。累乗以上で成果が現れます。

 今よりも仕事をさらに速くするには、「1秒でも速くするにはどうしたらいいだろう」「今やった作業にムダはなかったか」という試行錯誤を続けることが大切です。

 仕事が速くなると、新しい景色が見えるようになります。まずはこの3つを試してみてください。

 私が実践している他の仕事術は、ブログの中で紹介していきます。ぜひご覧ください。


東洋経済オンライン



木部 智之
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