緑の街の水先案内人

都城市で緑の街の水先案内人として移る日々を写真と日記で綴ります。

高鍋湿原のハッチョウトンボ

2012年05月03日 18時23分33秒 | 自然
5月3日(祝)   

 五月は生物の季節、昆虫観察へ出かけるのも、楽しい休日の過ごし方であります。南九州界隈で日帰りコース、観察地は高鍋町高鍋湿原、南九州自動車西都経由で約一時間十五分の行程。この湿原では生物の多様性を教えて貰らいます。何と言っても、今の時期はハッチョウトンボが飛び交っており、一昨年でしたか、高鍋湿原に出向いたおりに、赤いトンボを観察した事が有りましたが、はたしてハッチョウトンボであったかは未確認で、今回はその延長にあります。


カンカレイが広がる湿原

 ハッチョウトンボについて、現地の表記を写してみますと、体長は二センチほどで、日本最小のトンボ、環境省指定・絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)、オスは真っ赤な体ですが、メスはダイダイ色の縞模様。一度、本物を観察しますと、まず、体長の小さい事に驚いてしまいます。少しの風でも吹き飛ばされそうなサイズです。このサイズとオスの真っ赤な体を確認しますと、まず、次回は見間違える事はありません。表現がオーバーなきらいは有りますが、二センチの体長は自然界の摩訶不思議を見る思いでもあります。


花の季節が通り過ぎて

 幸い、本日は現地に温厚な観察者がおられて、見学者も程々で、丁寧なガイド役をして頂きました。ガイド氏に出逢わなければ、ハッチョウトンボを目の前にして、通り過ぎてしまうところでした。風のない陽の照る午前中に、出現する事が多いと説明にあります。腰を据えて観察しますと、五メートル四方に十匹は数えたでしょうか。オスの縄張り意識も相当なもので、空中戦を三匹で展開してます。メスもいましたが、縞模様は一度目を離しますと探すに苦労します。保護色が強いのか、オスの赤色とは対称的でした。


最初に見つけたハッチョウトンボ

 高鍋湿原の魅力は、ハッチョウトンボに代表される如くに、日本古来の昆虫や植物を観察出来る事です。トンボも何種類が生息しているのか、本日観察した分だけでも、軽く五種類を数えたのではないか!オニヤンマほどの大きさも飛んでいましたが、多くは小型で体型や色合いに特徴があります。高校生物のお復習いをしている気分でもあります。生物は大学受験科目から外しましたので、学習も通り一遍でしたが、今頃になって面白さを感じています。


ぶれなくて鮮明に撮影できた一枚

 高鍋湿原が高鍋町の管理下で保護されています事は、それなりの識者や歴史や町民理解がないと存続するものではありません。改めて町民の皆さんと宮崎植物研究会が果たされた成果とみました。高校教科生物のお復習いには、季節の旬と時間を惜しまず、晴れた日の午前中に訪れますと、それなりに感じるものを得ます。熊本城とはまた異なった趣があります。


いったん止まると静かな時間が続きます

 高鍋湿原探索を終えますと、近くにあります「まちの駅・めいりんの湯」で、昼食と午睡と入浴とでリラックスします。大部屋の休憩室には、年老いた方々が語り相手を求めて、のんびりと待ち受けています。大分なまりの老婦人が語る一代記も楽しいものでした。しかし、東に青々と輝く日向灘に面した児湯郡は青空に入道雲と、すっかり夏模様です。休日に相応しいお天気でした。


このトンボ!名前までは覚えきれずに
 

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