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精神機能と能力開発:心理学―教育学―社会学

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非合理で適応的(思考の限定合理性)  ~感情・直感・集団の影響について~

2015年04月17日 | 思考・意思決定


『非合理で適応的(思考の限定合理性) ~感情・直感・集団の影響について~』

(1)合理的経済人と限定合理性
 1)合理的経済人:古典的な経済学では、人間は合理的な損得計算をして、最良の選択を行うと想定してきた。
 2)限定合理性(Bounded rationality):人間の思考は、完全に合理的ではないが、完全に非合理でもない。
 3)合理的な判断と非合理的な判断(感情・直感)を同時に併用している。

(2)情動・感情 ~生存を保証する~
 1)感情は、本能的な(動物的な)反応。
 2)敵か、味方か? 戦うか、逃げるか? 安全か、危険か?
 3)生命機能と生存を、保証する判断。

(3)直感と気分 ~適応を保証する~
 1)制限時間があり、全てを精査するには、時間と労力が足りない。
 2)案件を次々と判断しないと溜まる。迅速で即興的な判断。
 3)好きか、嫌いか? 信用できるか、正しいか、間違っているか?
 4)人間関係の空気を読む。空気は、推論ではなく直感で読む。
 5)本質は、論理ではなく、偏りのない直感によって捉えられる。

(4)集団 ~同調と多数派~
 1)集団を作り、互助・互恵によって、脅威から身を守る。
 2)集団は生存と適応を高め、孤立は生存と適応を脅かす。
 3)自分の意見を周囲に同調させる。周囲に同調を求める。
 4)多数派であることに、多数派の意見に、安心する。


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意思決定の主観性 ~コミットメントと限定合理性~

2015年04月10日 | 思考・意思決定


『意思決定の主観性 ~コミットメントと限定合理性~』

0-1)コミットメント(自分事・自我関与)
0-2)自分で自分を考える(再帰的・自己意識)

「意」の側面
1)自己意識・主観
2)直感・気分・感情
3)希望・意欲
4)期待・満足
5)理想・信念・志
6)過去の経験と記憶(成功体験・失敗体験)

「知」の側面
7)他人事・客観

(不確実性)
8)未来のことは誰にも分からない


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1)知と意の関係
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2)主観と客観の関係
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思考力の職業的レリバンス ~論理的思考と批判的思考~

2015年04月09日 | 思考・意思決定






『思考力の職業的レリバンス ~論理的思考と批判的思考~』

(1)論理的思考(ロジカルシンキング・知識の活用)
 1)Issue・Goal:問題解決・実用化
 2)So:現状・状態・要因
 3)Why so?:なぜそうなるのか(原因・理由)、なぜそう言えるのか(根拠・論拠)
 4)So what?:それによって何が起きるのか(帰結・結末)、それにはどのような意味があるのか(意味・意義)

(2)批判的思考(クリティカルシンキング・知識の探究)
 5)常識的・日常的・直感的判断
 6)真偽の検証・真理の探究

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1)教育の職業的レリバンス
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2)論理的思考と批判的思考
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図解の効用とNG ~努力不要と全体把握~

2015年03月29日 | 思考・意思決定


『図解の効用とNG ~努力不要と全体把握~』

(1)分かりやすい・伝わりやすい
 <自分の理解>
 1)直感的で、努力が不要。
 2)同時に一覧できて、全体像が分かる。
 <聴き手の理解>
 3)自分にとって分かりやすいことは、相手にも伝わりやすい。
 4)プレゼンテーションの方法として。

(2)抽象・概念・思考を可視化する
 1)抽象・概念とは、本来は言語によって表されるもので、目に見えない(頭の中にある思考の産物)。
 2)目に見えない抽象・概念・思考を、図解することによって、可視化(具体化)できる。

(3)新しいアイデアが生まれる
 1)直感的で、前言語的で、要素の全体を同時に把握できることは、新しいアイデアが生まれる創造的な土壌となる。

(4)図解利用のNG:理解のエスカレーター
 1)直感的に努力不要で理解できるので、言語による思考を放棄することに、つながることもあり得る。
 2)図解は、あくまで言語による思考を補助するものであり、完全に代替することはできない。
 3)抽象・概念を正確に理解するためは、(自分で努力して)言語による思考も不可欠。

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コンセプチュアル・スキル ~概念化や抽象化の働き~

2015年02月05日 | 思考・意思決定


(1)学校教育の3つの適応スキル(アメリカ知的・発達障害学会)
1)概念的スキル(学業・概念・抽象)
2)実用的スキル(日常生活動作・職業)
3)社会的スキル(人間関係・コミュニケーション)

※ 学校→ 大学→ 産業・社会へと、要求されるスキルが変化する。

(2)マネジメントの3つのスキル(ハーバード大学 ロバート・カッツ教授)
3)ヒューマン・スキル(コミュニケーション・チームワーク)
2)テクニカル・スキル(業務遂行)
1)コンセプチュアル・スキル(状況把握、問題解決の抽象的能力)

(3)コンセプチュアル・スキル
学術研究の概念化とビジネスの概念化は、必ずしも同義ではないが、コンセプチュアル(概念・理論)の掘り下げを経験することが、大学教育。
コンセプチュアル(概念・理論)の掘り下げによって、知識の体系化真偽の判断、本質的理解が得られる。

※ T字型人材: 深さ(スペシャリスト)と広さ(ゼネラリスト)を兼備した人材。スキルの積み上げ掘り下げ

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知識の道路(思考力) ~大学教育の役割~

2015年02月04日 | 思考・意思決定


<知識の道路>
1) 情報(information)と知識(knowledge)は、同義ではない。
2) 情報とは、物理的に保存されている状態。知識は、人間の思考によって活用されるもの。
3) 知識にも、つながり(道路やネットワーク)が必要。知識の道路(思考力 thinking)を作るのが、大学教育

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複雑さと単純さ ~安易な理解と本質的理解~

2015年01月29日 | 思考・意思決定


(1)複雑さと単純さ
1)現実の現象=複雑さ
2)複雑さの手前にある単純さ=安易・手軽
3)複雑さの向こうにある単純さ=本質・基本基礎

(2)単純さの2種類
1)同じ単純さであっても、複雑さの手前と向こうでは、性質が全く異なる。
2)基本基礎とは、易しい・レベルが低いではなく、本質的であり、特に大事という意味。
3)すべてを知り尽くして、何が大事か分かっていること。単純さは、究極の洗練。


仮説形成・仮説思考 ~問題解決と仮説の検証~

2015年01月27日 | 思考・意思決定


<仮説の役割>
学術研究でもビジネスでも、問題を解決するには、仮説(仮の結論)が必要。

問題解決によって、新しい知識が得られ(学術研究)、経験学習が生じる(ビジネス)。


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学力における知識と思考 >>このブログ内のリンク先

直感が論理を上回るとき ~純粋な直感は、本質的~

2015年01月26日 | 思考・意思決定


(1)直感と論理
1)直感(感じる)
複数の情報が、同時並列で処理される。感じ取る。感性。

2)思考(考える)
限られた情報が、さらに分析される。掘り下げ。理由づけ。

(2)直感が論理を上回るとき
偏りのない純粋な直感は、本質的
環境内の無数の情報を、丸ごと受け取る。切り取られ、分析される前の、全体像。
このような直感は、論理による分析を上回る。

※ 偏りのある直感は、偏見や決めつけなど、論理を下回る。

水平思考 ~直感の働き~

2015年01月22日 | 思考・意思決定


(1)垂直思考(ロジカル・シンキング)
垂直思考は論理的に、狭く深く掘り下げる。
しかし、必ず問題を解決するとは限らない。
それには、発想や視点の転換が必要。

(2)水平思考(ラテラル・シンキング)
発想や視点の転換が、水平思考。
水平思考は、直感的で同時並列で進行する情報処理。

批判的思考と発見的思考 ~限定合理性について~

2015年01月21日 | 思考・意思決定


(1)批判的思考(クリティカル・シンキング Critical thinking)
仮説や主張を、客観的なデータによって検証することは、論理的な思考の働き。

(2)仮説形成・発見的思考(アブダクション Abduction)
理論とは、多数のデータの集積ではない。また、多数のデータから、論理的に導かれるものでもない。
仮説や理論を、創造的に発見する思考の働き。アブダクション。

(3)限定合理性
人間の思考が、完全に論理的・合理的でないことは、判断の誤謬を生む反面、人間の適応力を高めている。
本質的理解や、新たな事態への創造的適応。

批判的思考と垂直思考 ~学術研究と経営ビジネス~

2015年01月20日 | 思考・意思決定


(1)批判的思考(クリティカル・シンキング)
学術研究の科学的な検証   
学術的な真理を探究する。
※理論的・抽象的(本質的) ⇔ 具体的

1)主張の、根拠を考える
2)仮説を、データで検証する
---
3)データから、理論を構築する

(2)垂直思考(ロジカル・シンキング)
ビジネスの問題解決 
問題解決の提案を論理的に説得するための方法
※問題の分割 ⇔ 問題の解決

1)ロジック・ツリー(ピラミッド構造)
  問題を、より具体的に分割していく
2)漏れなく、ダブりなく(網羅的に収集する)
  (MECE:Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)