jurgen's Heurige Blog (ゆるげんのブログ)

I will, I will いっぱい足りないの切なくて
I feel, I feel いっぱい会いたいのボクだって

ネコの亡命 / 椎名誠 文春文庫

2014年05月24日 | 読書
赤マントシリーズ第5弾。『週刊文春』1993年12月2日号~1994年9月22日掲載分をまとめたもの。前半は日本国内を旅している話。後半は映画撮影のためモンゴル滞在の話。今からちょうど20年前の世相を垣間見ることができて、あのころはそうだったよな~と忘れかけていた風景を思い出させてくれて興味深い。たとえば、「北海道内ではYS-11が現役で飛んでいた」「新幹線のグリーン車は同じ車両内で喫煙席と禁煙席が分かれていた。当然禁煙席も煙だらけで意味がなかった」「雪国都市でスパイクタイヤが塵被害のため禁止されスタッドレスに」「冬の新幹線や飛行機はガンガンに暖房が効いていた。新幹線の温度計は29度。旅客は汗をダラダラ流してガマンしていた」「ゴミ袋の半透明化はこのころ」「ガソリンスタンドで客寄せのために市松模様の旗を店員が振り回していた」などなど。あー、そういうのあったあったと平成初期の日本の風景が蘇ってきて楽しかった。日々忙しくてストレスまみれでヨレヨレになっている今日このごろに、椎名作品で癒やされるのはささやかなヨロコビのひとつである。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿