jurgen's Heurige Blog (ゆるげんのブログ)

I will, I will いっぱい足りないの切なくて
I feel, I feel いっぱい会いたいのボクだって

勇気ってなんだろう/江川紹子

2010年10月25日 | 読書
国民全員横並び、出る杭は打たれる、同調圧力、世間体圧力といった日本特有の
「みんな一緒の暴力」に対して、
自分と正直に向き合い、自分の信念をいかに貫き通すか?
その「勇気」がテーマの一冊である。
どういうわけか最近自分のブログに書いてきたテーマとマッチする本と立て続けに出会うことができた。
不思議なものだ。

「勇気」の人として、
登山家の野口健さん
元議員の山本譲司さん
北朝鮮拉致被害者家族の蓮池透さん
警察の裏金問題を告発した仙波敏郎さん
イラクで捕まった高遠菜穂子さん
イスラエルの徴兵制に反対する皆さん
が取り上げられている。

とても狙いのよい作品なのだが、
江川さんの自虐的歴史観が鼻について不愉快であった。
特に蓮池さんのところではそれが全開で読むに耐えられなかった。
北朝鮮に対して話し合いで拉致問題が解決すると信じ込んでいるあたりが、
この人の限界なのだろう。
とにかく日本は昔植民地支配で悪いことをした、村山談話は正しい、北朝鮮に対する経済制裁はやめろと
繰り返し書いてある。
江川さんはいつから北朝鮮の代弁者になってしまったのだろうか?

ムカムカしてきて、本を投げ捨てたくなった。
図書館で借りた本だから、もちろんやらなかったけど。

イスラエルのところでもナチスのホロコーストに関して、

昔の日本軍が中国などで行った行為はどうだったのでしょうか。

なんて引き合いに出してくる。
興醒め。

兵役を拒否して3回も刑務所に入れられたことがあるサハルさんの言葉。

自分自身の心に正直な決断を実行に移したほうが、
気持ちはずっと楽なんですよ。
兵役を拒否すれば、社会から孤立するとは分かっていたけれど、
軍隊に行けばきっと「これは違う」って悩んで辛かったと思う。
結局、自分自身に正直であることが一番ハッピーなんですよね。
そう考えるようになると、
他の人達から無視されたり批判されたりしても、
あまり気にならなくなりました。
自分の良心に従うことが一番じゃないかしら。

ね?
せっかくいい取材しているのに。。。

自虐的歴史観のせいで台無しになってしまった残念な一冊であった。
「勇気」はあくまでも表向きのキーワードで、
サブリミナル的に若い読者へ自虐的歴史観を植えつけるのが本書の本当のネライなのではないか?
もし、これが本当だとしたら、かなり悪質・陰湿・巧妙な反日プロパガンダである。
というわけで評価は星ひとつ。。。


勇気ってなんだろう
江川紹子
出版社: 岩波書店 (2009/11/21)
ISBN-10: 4005006396
ISBN-13: 978-4005006397
発売日: 2009/11/21