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jurgen's Heurige Blog (ゆるげんのブログ)

I will, I will いっぱい足りないの切なくて
I feel, I feel いっぱい会いたいのボクだって

人生を「半分」降りる/中島 義道

2010年10月23日 | 読書
「人生を半分降りる」とは、

半分は社会的に生きてゴマカシ続ける。
しかし、残りの半分は、
決して妥協せずに自分の内部の声を聞き分ける。
自分はいったい何をしたいのか、
自分にとって何がもっとも重要な問題なのか、追求しつづける。
ニーチェの言葉をかりますと、
「いかにして自分自身になるか」
と問いつづける。


いやあ、ビックリしました。
うちのブログで最近書き続けてきたことが、
まさしく中島氏がいうところの、
「人生を半分降りる」
ことだったのですから。

上記のところを読んだとき、
飲みかけのお茶を思わず吹いてしまいました。
べつに哲学しようと思っていた訳ではありません。
っていうか、哲学がどのような学問なのか?
未だによくわかっていません。

自分をゴマカシながら続けてきたサラリーマン生活が、
あまりにも辛く苦しく定年まで続く罰ゲームのように思えてきて、
日々ウツが酷くなるばかり。。

人生を自分が望む方向へ軌道修正するために、
自分の正直な心の声に耳を傾ける。
自分にとって大切なものとは何か?を見つける。
もし、自分の命があとわずかだったら、何を最優先にするだろう?
そんなことをつらつら書いてきた。

「会社=人生=生き甲斐=オレの進むべき道=それ以外の価値観は認めない」
このような社畜的公式の考え方・価値観を持っている人、
疑問を全く感じない人はこの本を読んではいけません。
もし、読んでも、この本の意味がさっぱりわからないでしょう。
たとえ、わかったとしても反発しか覚えないでしょう。
時間のムダです。

逆に、上記の公式にちょっとでも疑問を感じる人、
ついていけないなあと思う人、
「日本の多くのサラリーマン=奴隷」に気がついている人、
は迷わず読んだほうがよいでしょう。
目からウロコの宝庫ですよ。


あらゆる人間はあらゆる時代と同様に、
今でもまだ奴隷と自由人とに分かれている。
なぜなら、
自分の一日の三分の二を自分のためにもっていない者は奴隷であるから。

彼ら善人たちは、譲歩する。忍従する。
彼らの心情はごまをすり、
彼らの論拠はいいなりになる。
そして、いいなりになる者は、
自分自身の本心に耳を傾けない!

by ニーチェ


大衆とは、
良い意味でも悪い意味でも自分自身に特殊な価値を認めようとはせず、
自分は「すべての人」と同じであると感じ、
そのことに苦痛を覚えるどころか、
他の人々と同一であると感じていることに喜びを見いだしているすべての人のことである。

今日の特徴は、
凡俗な人間が、
おのれが凡俗であることを知りながら、
凡俗であることの権利を敢然と主張し、
いたるところでそれを貫徹しようするところにある。

by オルテガ



人生を「半分」降りる―哲学的生き方のすすめ
中島 義道
出版社: ナカニシヤ出版 (1997/05)
ISBN-10: 4888483698
ISBN-13: 978-4888483698
発売日: 1997/05