老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

452;上手な介護サービスの活用処方 第20話「認定調査の項目」⑱

2017-10-05 14:00:35 | 上手な介護サービスの活用処方
 上手な介護サービスの活用処方 第20話「認定調査の項目」⑱

3-5 自分の名前を言う(能力)


1.できる
2.できない

ここでいう「自分の名前を言う」とは、自分の姓もしくは名前のどちらかを答えることである

1.質問されたことについて、ほぼ正確な回答ができる場合をいう
2.質問されたことについて正しく回答できない、あるいは、まったく回答できない場合をいう
・回答の正誤が確認できない場合も含まれる


・旧姓でも、「自分の名前をいう」ことができれば、「できる」を選択する


女性の場合 結婚前の旧姓で答える場面に出会うことがある
認知症高齢者の場合、女性はよく「家に帰る」と話されるが
その家は「実家」を意味している場合もある
ちなみに男は「出かける」と話され
出かけ先は「職場」であり「仕事に出かける」と意味している場合もある

451;夫の死に「ふるえる」妻

2017-10-05 09:37:24 | 読む 聞く 見る
 吉村 昭「居間にて」『天に遊ぶ』新潮文庫

吉村昭の短編集で21編が収録されている
そのなかに「居間にて」があり
老いの風景を見事に映し出されている

夫は心筋梗塞で倒れ89歳の齢で亡くなった

妻は86歳 2年前の春脳卒中で倒れ
寝たり起きたりの暮らし

夫は気性が激しく
妻はおだやかな人柄
仲睦じい夫婦に映っていた

長男は母親に父親の死を告げた
”ふとんをかぶって、そのふとんがふるえていた”
心配した長男嫁はふとんをまくった
妻は”体をふるわせて、笑っていた”
長男が、どうしたんだ、母さん、と体をゆすった
「夫より一日も長く生きていたかった」
これまで夫の身勝手なわがままに堪えに堪えてきたけれど、
これでようやくのびのびと生きてゆける。

それは苦渋にみちた忍従の日々であった妻

現実、私の周囲(まわり)では
脳卒中で倒れた我が儘な夫を
献身的に介護を尽くされている妻もいれば
夫を介護施設に入所させ
いまデイサービスに通い
老い楽の恋を愉しんでいる妻もいる

450;上手な介護サービスの活用処方 第19話「認定調査の項目」⑰

2017-10-05 04:30:42 | 上手な介護サービスの活用処方
 上手な介護サービスの活用処方 第19話「認定調査の項目」⑰

3-4 短期記憶(能力)


1.できる
2.できない

ここでいう「短期記憶」とは、面接調査日の調査直前にしていたことについて、把握しているかどうかのことである

1.質問されたことについて、ほぼ正確な回答ができる場合をいう
2.質問されたことについて正しく回答できない、あるいは、まったく回答できない場合をいう
・回答の正誤が確認できない場合も含まれる


上記の質問で確認が難しい場合は、「ペン」「時計」「ノートあるいは本」を見せて
何があるか復唱をさせ
これら3つの物を隠し
何がなくなったかを問うので覚えておくように指示する
5分後にこれらの物のうち2つを提示し、提示されていないもについて答えられたかで、できる、できないを選択する


調査当日の昼食で何を食べたか、この質問に答えることが出来ても
家族の話から、日頃は物忘れがひどく、直前のことまも覚えていない、と聴き取りができた場合は「できない」になる



短期記憶の認定調査は、実際には家族からの聴き取りが多い
3つの物を提示し、何があったか、と調査対象者に尋ねることをされる認定調査員もおられますが
実際には家族からの聴き取りを行い、できる、できないを判断し、その内容を特記事項に記載されることが多い
それ故、家族は本人の日頃のひどい物忘れを話すことが大切になってくる