老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

476;影は自分を映す

2017-10-17 21:52:22 | 老いびとの聲
影は自分を映す

朝陽を浴びると
地面に我が影が映る。
悩みや不安が鬱積すると
姿勢は前屈みになり
影は曲がって見えてしまう。
人間、心が曲がれば
影も斜めになってしまう。
影はいまの自分を映しだす。

自分が老い病み
寝たきりや惚けてしまったとき
その人の心の影はできあがっている。

他者を大切に
感謝の気持ちで素直に生きてきた
老人の影はまっすぐに映る。

自己中心的で
「どうして自分だけが」と
愚痴や僻みが強く抱き生きてきた
老人の影は斜めに映る。

あなたを慕う影は寂しくせつない。