久し振り

２年という歳月は、彼の存在をすっかり忘れてしまっていた。
頭の中で、忘れようとしても忘れられずに
思い出の詰まった棚も開ける事が出来ずにココまで来たが、
一人では不安で、怖くて…。でも、
今週の日曜日に、ノリチャンに来てもらって２年ぶりに開けることになった。

だって、とうとう出たんだもん。
お部屋の壁に。
去年は出なかったくせに、今年は梅雨が終わってからかい？！
そう。あいつ。
お部屋の壁を歩いてました。
見た瞬間に「おぅ～～～～～～～～～」と叫びました。
今回の私は、結構強かったですよ。
叫んだけれど、奇声は上げずに妙に低い声でおぅ～～って言ってました。
一瞬にして、倒すしかないって腹をくくりました。
すかさず、ゴキジェットを噴射。
引っ繰り返って、しばらくうごめいていらっしゃいました。
でも、引っ繰り返ってる癖に、動くんです。足が。ピクピクって。
結構長い時間動いてる。
あげくには、足を使って引っ繰り返ってるのに動こうとしてる。
しばらく、見てたんですが怖くなってもう一度噴射。
ご臨終されました。

ココからが大変でした。
だって、怖いんだもん。また動き出したらどうしようって。
割り箸を持ってみたけど。
割り箸の長さじゃ心もとないなぁ。
こえーなー。
どうしよう。割り箸を２つつなげ合わせてみた。
でもなんか登ってきそう。
最後は、新聞紙を丸めてその先っぽにちょこんと乗せました。
もうピクリともしませんでした。
噴射で、もうべったりしているようでした。
とにかく、家の外に出ようとしたのですが、手を伸ばしているので
ドアノブまで手が届きません。
バカでした。
そこでくるりと回転するのですが、怖くて廻りきれません。
また、部屋の中央に戻って反転して、今度はバックでドアに向かいます。
靴なんて履く余裕がありません。
そのまま、階段を降りてごみ置き場まで歩きます。
無事に、ごみ置き場に放り投げる事が出来ました。

その日は、簡単に掃除をしましたが。
昨日、意を決して掃除に取り掛かりました。大掃除です。
ヤニマミレの窓を拭き、ベットの下からPCの中から奥までほこりを取り払い
ました。途中に遭遇してはいけないとゴキジェットを離さず必死でした。

しかしあの戸棚だけは開けません。
魔の戸棚です。
２年前、あの戸棚であなたを見てから怖くて開けれません。
日曜日に、とうとう最終手段ノリチャンの登場です。
ノリチャンに戸棚を見てもらい、私は小さなピンクの椅子に登って
非難しています。
ノリチャン、どうぞ宜しくお願いします。