白黒一家

ネコ暮らし

強気でいけといいました。

2009-07-28 05:43:02 | 徒然てヒグラシ
学校は夏休みに入りました。
夏休み前最後の出勤の時に、一本の電話がありました。
毎年、学年の中で私が気にかけてしまう子はヒトケタです。
多くもないけれど、少なくもない。
今年も、例年と同じく何人か気にかけている子がいます。(チビマル軍団)
今年が毎年と違うのは、「就職活動」に私が興味を示している事。
どんなサロンを受けて、どういった面接でなどなど。

その中で、チビマル軍団の一人が某有名店に就職したいと言ったのは
5月頃。もう競争率も半端なく30人に1人位の割合でしか
入れないとかそんなサロン。他の業種と比べても就職しやすい美容界でも
人気と呼ばれるサロン。どうしてそのサロンに就職したいのかは別にして
その挑戦が気に入った!自分の実力に合うだろうサロンを決めていく子が多い中
その競争率に立ち向かってでも入りたいという彼女を応援しようと決めた。

私には、美容界の知識が乏しい。
彼女が入りたいと言ったサロンのホームページを穴が開くほど見つめたね。
そのサロンのカラーはどんなものなのか知りたかった。
それでも結局、知識のない私には他の先生以上の事を言える事はない。
経験や、その畑で生きてきた先生達の方がよっぽど頼りになるだろう。

就職試験は、2回。
1次を受かったら2次を受けれる。
1次は筆記試験と面接。

とにかく1次を受けるまでの間に彼女を見つけては話をした。
そして自分がこれまでに受けてきた面接の事を話した。
この学校に働く時にも面接があった。
確か20人近くの応募がありその中から運が良いのか悪いのか選ばれた。
ポスターや、パンフレットなどの簡単なデザイン製作と聞いていた私。
デザインに簡単もクソもないし(笑)と思っていた。
後に聞いた事だがリクルートスーツを着て面接に臨む人が多い中、
私だけがTシャツにジーパンだった。(笑)
面接の後わかった事、良かった事をいくつか思い出してその話を彼女にした。

私は変に自信があった。
彼女はきっと合格できるだろうと。
他の先生方は、競争率を見ても駄目だろうと思っていたっぽいが
私は「こいつはいける」と思っていた。
彼女は、この年代に似つかわしくないほどしっかりしていた。
姉御肌というべきか。
今年の2年生女子は姉御肌が何人かいる。女子が強い学年だ。
彼女は、影の姉後肌なのだ。
空気も読める。相手の言い分も理解できる。
前にゴツゴツ出てこない。ソレは他の人の役割だとわかっているのだ。
とにかく、1次の試験の前に私がアドバイスしたのは2つ。
「強気でいけ!」
お前は大丈夫。中身を見てもらったら絶対に合格できるから。
そういう意味を込めて自分らしく行けばそれだけでいいと言った。
素直に彼女はうなずいた。
後は、見た目だ。
とにかく、就職試験の事で誰もがストレスを貯めているこの時期に
肌荒れを起こすなと言った。小奇麗な顔で行こうと言った。
「そんなところ見てる?」と彼女は笑った。
見てるか見てないか判らないけど、出来ることは全部していこうと言った。
お互い笑っていたが彼女は、就職試験前から肌の調子さえもあげていった。
しばらくはファンデーションを辞めて肌を回復させた。
若いということもあって、ファンデを塗りたくらなくても平気なのだ。
髪の毛が顔につかないようにさっぱりとさせて試験前1週間を過ごした。
試験当日は、筆記試験が終わったら一番最初に部屋を出てやったと笑った。
肌の調子もよく、面接にもはっきりと答えられたようだ。
どんな服装で行ったの?と聞いたら、そのサロンのスタッフがしているのを
研究して、その感じで言ったと答えた。
ウン、ちゃんと考えたのね。えらいぞ。

彼女はもちろん、一次試験を合格した。
やっぱり強気に出て良かった!と私は、にやっとした。
彼女が強気に出ても、嫌味には映らないひょうきんな一面がある。
二人してテンションが上がった。
彼女は照れて「えへへ」と笑っていた。面白かった。(笑)
2次試験前には、引き続き「強気でいけ」と
お前のそのガサガサの唇をキレイに治していけと言った。
2次の面接が受かれば合格。
唇を集中的に治させた。
生理によるホルモンバランスが、すぐに肌や体に影響を及ぼす彼女が
すぐにわかった。ホルモンバランスは変わらない。
生理前におこる老廃物過多の状態じゃないほうがいい。
たまたま、彼女の面接日は計算後、生理が終わった時になっている。
二人して、ラッキーだと喜んだ。
生理前には今は肌を守れ!唇も保湿しろと言った。
彼女は試験前には何も言わなくても肌の調子あげていった。

私が言う事は、ただのおまじないで
唇の荒れを失くすのは、その過程において唇を大切にすると
その口から出てくる言葉も乱暴ではなく優しい言葉が出るようにという思いだ。
見て目なんて関係ないと言われるかも知れないが
汚いよりきれいがいい。
飛びぬけてかわいくなくても、彼女の中のかわいいがあればいい。
とにかくスッキリ見えることは大切だ。
本当にただのおまじないでしかない。

学校の夏休み前の出勤最終日。
一本の電話が鳴った。
彼女から担任の先生に向けた言葉は「就職内定しました。」の言葉だった。
嬉しかった。
自分でもおかしいかと思ったが涙ぐんだ。
良かった。嬉しかった。
担任の先生に電話を変わってもらって「良かったなぁ」と言った。
でも、泣きそうだったので一言しか言えなかった。
とても嬉しかった。

これは就職が決まっただけの話。
就職したらすぐに辞めてしまうかも知れない。
これから卒業するまで彼女には、就職してからの話をしていけなければいけない。


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2 コメント

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Unknown (サトウユイチ)
2009-07-31 21:19:41
俺、この話好き。
いや結構好き。
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マジで (chibimaru)
2009-08-04 21:01:36
ホントにマジで嬉しかったんです。
ヨシ!って安西先生ばりのガッツポーズでした。
すっぴんで髪の毛一つにまとめて
学校に通ってる姿は、最高でした。
美容学校なんだから化粧くらいして来なさいって言われるらしいんですがね。普通は。(笑)

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