白黒一家

ネコ暮らし

いつも突然やってくる

2008-09-29 18:38:33 | にゃん魂
ココ半年、突然やってきたネコは
デブネコと呼ばれるような太り方はしていないものの
身体は長く大きく存在感のあるネコでした。
とても、人懐っこくもともと居るネコ達とも
何かトラブルを起こすわけでもなく体が大きく心の優しい子でした。
このネコにつけた名前はジャンボ。
「ジャン」と呼ぶと足にごーんとしてはそこにばたっと
倒れお腹を見せる気前のよさ。
隣のオタクでさえ、ジャンをなでるところを見たほど
ジャンは誰にでも優しく接する事のできる子でした。

人間慣れがよく出来ているから、きっとこのあたりに
捨てられた子でしょう。
身体もノラとは思えないほどの大きさ。
ソレもあってか家の中に入れるほどで、仲良くなるにも
時間はかかりませんでした。
毎朝5時に玄関を開けるとジャンが洗濯機の上で待っている
この光景も当たり前の事でした。
仕事を終えて帰ってきたらジャンが必ず出迎えてくれる
この光景も当たり前の事でした。

先日、朝起きて玄関を開けるとジャンが居ませんんでした。
階段を降りて下に行く途中、モッチョが私に色々と話をしています。
モッチョが出迎えるなんて珍しく、
最近はジャンばかり可愛がってゴメンネモッチョと
モッチョと話していました。
ご飯の時間にも現れないジャンは珍しかったのですが
気にも停めず、階段をまた上がろうとした時に
少し離れた道路の端でいつも寝ている姿で横になっているジャンを
発見しました。あいつあんなところで寝ているのかと・・・
ふと嫌な予感が過ぎりました。
近寄ってみると、近寄ってみないと解らないのですが
頭から血が出ていました。触ってみたら冷たくなっていました。
きっと夜のうちに交通事故にあったのでしょう。
出会い頭、頭を打ったのだと思います。

ジャンが死んでしまいました。
私は、友人に電話をかけせきを切ったかのように泣きじゃくりました。
小雨が降りジャンを迎えに行きました。
膝の上に座らせると喉を鳴らして喜んでいたジャン。
ジャンはその時はもう固まっていました。
目は両方開いたままで閉じることも出来なくなりました。
家にあるバスタオルでジャンを包みました。
ダンボールを用意したのですが、ジャンは大きすぎて入りません。
近くのコンビニで一番大きいダンボールを貰いました。
それでも入りませんでした。
何とかダンボールを手に入れジャンを泣きながらゴメンね
助けられなくてごめんねと入れてあげました。
こんな時まで大きくて可愛くて泣きながら笑いました。
いつも居た洗濯機の上でジャンを寝かせ
仕事を休む事を友人に告げ、ジャンを送り出す準備をしました。

自分が関わるネコは死んでしまうのではないかと思います。
拾ったネコはいつも死んでしまう気がします。
私は辛くても死んでいくネコを看取る役なのかも知れません。
その日は、もうこんな役目をしたくないと思いました。
ジャンに花と大好きな食事、お水、魚を渡して
ジャンは虹の橋を渡りました。
虹の橋のたもとで、何の不自由もなく私の事を待っていて
くれると思います。

アレから1週間と少しが経ちます。
ジャンがジャンの肉体が無くなってからしばらくの間
我が家では、色んな音がしました。
タンスの上に乗る音、ジャンのような白い影・・・
それらはジャンなんだろうと思うと怖いという感覚よりも
嬉しいという感覚でジャンが居るのだと思いました。
1週間を過ぎたら、もうその音や影を見なくなりました。
ふと携帯の画面に映っているジャンを見てもう居ないのかと
また涙が出ました。
ジャンは虹の橋を渡りに行きました。
交通事故があることを忘れていました。
我が家におこる厄を引き受けてくれたのかも知れません。
いつもネコは私を守ってくれています。
私はネコに生かされているのだと思います。

ジャンはきっと私の肩の上に乗るでしょう。
だけどジャンは大きすぎるから私は肩こりをしてしまうね。