白黒一家

ネコ暮らし

猫の神様

2008-02-05 07:13:48 | にゃん魂
甘ったるいコーヒーを飲みながら、
ゆっくりとした時間を待っていた私。
この時間を待っていたけれど、訪れるのも怖かった複雑な気持ち。
日々の最後が気絶で終わる目まぐるしさの中で
コレだけはやっつけな時間にはしたくないから。

私が上京して、8年?が経とうとしている。
上京して1・2年の間は友達が居なくて、というより・・・
友達なんて要らないと思っていた。
部屋から一歩も出ない毎日が、逆に安心で誰かと話す事が怖かった。
何を悩んでいるかもわからないけど、漠然と将来の自分や
今の自分をどうにかしなければいけないと日々、焦っていた。
人間が怖くて、自分自身が何なのかもわからず
顔は青白く、いつも何かに怯えていた。
もちろん、慣れない環境の変化もあっただろうけど、
あの頃はただ怯え、笑っていた記憶が殆ど無い。
それでも、光合成と称して1日1度は外の空気を吸いに出かけ
町内を散歩して歩いた。
この頃だよ、彼女に出会ったのは。

忘れもしないはじめての出会いは、彼女が怒っていた時の事。
自分より高い目線を睨みつけていた。
気が強いなぁ・・・
そんな風に感じて、私は横を通り過ぎた。
次の日も次の日も・・・私は彼女を見かけた。
そしていつの間にか私は、彼女と顔見知りになった。
彼女は、私にはいつも優しかった。
本当に何も知らなかったんだよ私は。たぶん世間一般よりも
何も知らずに生きて来たんだと思う。無知。
そんな私を彼女が一から教えてくれた。
彼女に触れてしまうと彼女が壊れてしまうのではないかと
心配していたけれど、実は彼女は強くて体がしっかりしてる事も
彼女が嫌う事も彼女が喜ぶ事も。
彼女は、友達さえも家族でさえも私に紹介してくれたから。
ある日、彼女のお母さんに彼女の名前が「おかあさん」
という名前である事を教えてもらった。



おかあさんは、私には上京して初めて出来た友達で
私には、人間以外の初めての友達。
言葉は通じなかったけれど、なんとなく通じていた気もする。
今は私の周りに溢れる猫たちも、きっとおかあさんが
「あの人は大丈夫」
ってみんなに教えてくれたんだと思う。
何も知らない私に猫を教えてくれて、出会わせてくれた。

私の父親が故郷で病気で苦しんでいる時に、私は何も出来なくて
毎日を泣いて暮らしている時にもいつも膝の上で
私の手を舐めていてくれたのはお母さんだった。
父親が亡くなった時も、膝の上で大丈夫よと言ってくれた。
私は辛い時期をいつもおかあさんに励まして助けてもらって来た。
どんなに私の周りに猫が増えても、月に1度はお母さんと話をしてきた。
この12月、最後に会ったお母さんはいつもと違って
こんなにも痩せていいのかというほど痩せていた。
その姿を見て、涙が出てその場で号泣する私にゆっくりと近寄ってきて
やっぱりおかあさんは、膝の上に座って手を舐めてくれた。

1月11日におかあさんは、虹の橋を渡りました。
おかあさんは猫の神様の使いで、猫と共存していく人間を
探して作っていっているんだと、私は本当に信じている。
何も知らなかった私を選んでくれてどうもありがとう。
まだ出逢った猫は少ないけれど、お母さんと知り合ってから
私には猫の友達が増えていった。
不思議な神秘的な猫だった。
次に生まれ変わっても、
きっとおかあさんはおかあさんの飼い主さんの所に行くでしょ?
そうしたらきっとまた私の友達になって
私の膝の上でお話をして下さい。

おかあさん、ありがとう。








最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (お母さん猫の飼い主)
2008-02-16 06:35:48
ありがとう。
お母さん猫が戻ってきた時にそちらへ行ったらよろしくね。
返信する