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有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

昭和のキングギドラ その2

2012年07月13日 | 羽沢組的怪獣見聞録


2 スチールでのキングギドラ(2)

 今日も初代キングギドラの公開前のスチールで紹介されている青いキングギドラについて。

青いキングギドラのいろいろ
 各書籍等で紹介されている青いキングギドラの写真。これらをよくよく細かく観察していると面白い事がいくつかわかります。

 まず姿勢。スチールで紹介されているものは人が入っていません。上から吊るされています。そのため姿勢が良く、直立して立っているように見えます。後の劇中をご覧いただければわかりますが、こういった姿勢のシーンはほとんどありません。基本的に劇中では前傾姿勢なのです。
 全身をはっきり見せるためというスチールでの意図と思われますが、劇中で吊られて立っているシーンよりも姿勢が良いので、劇中のときよりも脚が長い事がわかります。お腹のふくらみ加減も違う事から劇中の時とは重心にも差がある事もわかります。
 頭部にもいくつか変化がありますが、この辺は劇中での初代キングギドラの所で書きましょう。

 ボディ、顔、首の後ろ側に塗られている青の部分。
 細かく見ていると、青を塗る前の地色がわかります。青の塗装そのものにムラが多く見られるからです。
 おそらくは首の内側と同じ、肌色に近いベージュの可能性が大きいと思われます。青の塗り方がかなり雑である事から、青の濃度に差が大きく、急ごしらえで塗装した可能性は大きいでしょう。DVD等で見られるメイキングの映像では、パートのおばちゃん達がひとつひとつウロコをこしらえていたりして時間のかかる作業である事がわかりますから、造形そのものに時間がかかり、発表までかなりタイトなスケジュールであった事は想像できます。
 もしかしたらスチール発表時のカラーリングの全ては、その時点ですでに変更の可能性が大である前提だったのかもしれません。

 ちなみにかなり前から現在に至るまで、東宝ではグッズやフィギュアの許諾で企画段階のひな形の造形物や未決定のカラーリングの商品に対してOKは出ません。劇中に登場したものを前提としたものでなければ許諾はされません。ですからあきらかにこの企画段階である「青いキングギドラ」を思わせる商品は発売できないのです。
 何年か前に「カッコかわいく」で某メーカー(笑)が発売した「青いキングギドラ」はミラクルとしか言いようがありません。そのため再販は不可能ですのでお持ちの方はぜひ大事にしてあげて下さい。


▲「キングギドラ ブルーバージョン」(完売)。文中とは一切関係ありません。
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