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有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その74

2008年07月16日 | 制作裏話
キンゴジ スタンダードカラー編 Part.3

●ポイントは全身のツヤなし!
 新規キンゴジ「スタンダードカラー」のカラーリングを検討すべくビデオ・DVDやムック本等を何度も見ましたが、シーンや画像によって色は随分と違います。ダークグリーン系、こげ茶色系、ダークブルー系……etc。原因はシーンのライティングというよりは、古い作品なので映像や写真のフィルムが変色しているせいが一番大きいのでしょう。
 あくまで私の印象となりますが「だったら一番キンゴジらしい色をチョイスしよう」と決めました。ダークグリーン系で、キングコングとの戦いでやや砂埃が身体についた感じの時のスチール写真です。いくつかの本でこの系統の色のキンゴジが見られます。
 具体的な塗装の色とパターンは、古くからいくつか持っていたガレージキットの本の中のキンゴジの作例も参考になりました。そこから作品としての古さ、キャラクターとしての古さ、シーンの表現の古さ等を最小限で感じさせるため、塗装の基本を「ツヤなし」としました。
 成型色はダークグリーンにし、やや色を落とした感じのグレーに近いグリーンに多めにツヤなしにしてスプレーしています。胸、膝、足、眉の部分等はさらに落とした感じでツヤもより入れて塗装しました。
 背びれの先端、爪やキバはアイボリー、そして目の白目の部分はスチール写真では黄色系に見える事が多いので、そのままイエローにしました。中の黒目同様そのイエロー部分は逆にクリアを増やしてツヤを出して強調しています。その辺の対比も感じていただければ嬉しいです。
 確かに狙い通りではあるのですが、これらの塗装は他の弊社のゴジラに比べればガレージキット的で、リアルよりになったと言えるのかもしれません。ポイントとなっている全身ツヤのなしが、キンゴジの古さを感じさせてくれます。テーマである「昭和」にはぴったりですし、塗装済完成品のソフビとしてはかなり珍しいタイプのキンゴジ塗装になったと思います。さらにそれまでの7つのキンゴジがトイらしい可愛さの方が目立っていると言えるので、その比較でも面白いものになったと思います。

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