Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その230

2011年05月17日 | 制作裏話


Part.4 造形のポイント

 今日は「モスラ幼虫」の粘土原型の造形作業について。


▲左「モスラ幼虫 誕生バージョン」、右「モスラ幼虫 岩島戦バージョン」

■双子の差を明確にしての造形作業
 双子の幼虫「太郎」「花子」の違いをまず明確にする事から作業は始まりました。
 大きく分けて3つのポイントがあります。頬の凹凸の形状、ボディの下部分の傷やしわ、フジツボのような突起、そして一番の違いは頭の下部分である事がわかりました。特に頭の下(通常では地面についているので、見えない箇所です)は、誰が見てもはっきりと形が違うのがわかります。詳細は2010年5月29日~6月4日の「こだわり」の記事をご覧下さい。
 そしてそれぞれの3つのスーツの違いも可能な限り調べたのですが、限界があります。どうしてもわからないアングルでは「太郎」は「太郎」の、「花子」は「花子」の「良いトコ取り」でまとめる事にしました。形状としてのデザインの「統一」をめざし、「ごまかし」のディフォルメに走らないように注意しながらです。
 粘土原型を始めた時には、もちろんGメモリーズセレクションとしてのいつもの「カッコかわいく」のディフォルメテイストからは外れないように心がけて原型制作に当たっています。何でもかんでも凹凸やしわ、傷、形状を加えてしまえばディフォルメではなくリアルタイプになってしまいますので、「太郎」「花子」それぞれの大きな特徴になっている部分は絶対的に残し、細かな部分は簡略しています。具体的な差、結果はやはり「こだわり」をご覧いただいてご理解いただけると思います。

 とにかく見れば見るほど大小の傷やしわが多すぎる怪獣でもあるのです。
 その特徴を入れれば入れるほど、実際の「太郎」「花子」それぞれに似てきますが、その分リアルに近づいてしまいます。Gメモリーズセレクションでは、似ている事は大前提ですが、かわいさ重視ですし、羽沢組独自のディフォルメテストから外れる訳には行きません。そのさじ加減が難しい所でしたし、作っていて楽しい部分でもありました。
 もちろん「太郎」「花子」共に体部分の関節の数は実物と同じにしていますが、頭身やサイズは弊社商品の「モスゴジ」に合わせるように4頭身で大きさも約13cmにしています。このへんも「こだわり」に書いた通りですので、そちらをご覧下さい。
 造形の方向性が決まって、原型制作を始めてからは予想以上に楽しい作業でしたし、時間もゴジラに比べれば遥かに早いものでした。いつもは粘土を前にすると「ゴジラを作りたい!!」衝動にかられるのですが、幼虫制作時はそれを忘れさせるほどで、ゴジラ以外の怪獣でもこういう思いができるのだと発見しました。

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