Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その231

2011年05月18日 | 制作裏話


Part.5 許諾への道(1)

 今日は「モスラ幼虫」を東宝様に許諾していただくまでについて。


▲上「モスラ幼虫 誕生バージョン」、下「モスラ幼虫 岩島戦バージョン」

■最初の申請はNG!!
 東宝キャラクターの場合、許諾していただくまでにはいくつかの行程があります。原型監修、彩色監修、版権表記監修、仮申請、本申請です。
 この「モスラ幼虫」の時は最初の原型監修でNGが出ました。「リアル」であり「ディフォルメ」ではないという事のようです。
 かなり驚いたのが正直な所です。それまで発売してきたゴジラに比べてかなりディフォルメアレンジしましたし、頭身でも全体的なバランスでも実物より大幅にかわいく造形したつもりでした。本物との差という点ではゴジラ以上にディフォルメしたものとこちらでは判断していました。むしろいつも以上に「リアル」から離れてかわいくなったとすら思っていたぐらいです。
 その都度、版元様の事情は変動があるのはどこの世界も同じ事だとは理解しているつもりでしたが、まさか「リアルだから」という理由でのNGになるとは夢にも思いませんでした。この頃は数ヶ月前から「最近(許諾が)厳しくなった」と他のソフビメーカーさん達からちらほら聞かされていた事は確かです。「今まで大丈夫だったのにウチの○○はOKがでなくて出せなくなりました」とか「羽沢組さんはどうですか?」と聞かれた事も何度かありました。一般のソフビコレクターさん達との間でも「△△さんの○○が出せなくなったらしいですね」という話題がいくつもあったぐらいで、他社商品で若干そういう事が多くなった事は弊社としても多少は感じていました(表にでないだけでおそらくはもっとそういった事があったようです)。他社さんに比べれば弊社のそれまで発売してきた商品はスムーズに許諾していただいてきました。許諾範囲から逸脱しているものを申請した事はありませんでしたから。
 許諾させていただいている側の立場ではありますが、この時は引けませんでした。この時からしばらく何度かのやり取りが続きます。理解していただくために、日頃「こだわり」「見聞録」「裏話」で書いているものよりもさらに具体的にどの部分がディフォルメとしてアレンジしているのか、長文のテキストまで作ったほどです。私の理解力と説得力がないのか、どうしても版元担当者様のおっしゃる事に納得がいかなかったし、こちらの事も理解していただくのは難しいようでした。
 そして「リアル」と「ディフォルメ」の法人同士もしくは個人の解釈、版元様の許諾範囲の解釈にまでになり、それまで4年以上許諾していただいたにもかかわらずG メモリーズセレクション全体のコンセプトへの疑問すら問われます。
 これでダメなら今後のGメモリーズセレクションは全てNGになるだろう勢いでした。

 続きはまた明日。

最新の画像もっと見る