Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その132

2009年07月10日 | 制作裏話
原型制作編 Part.2


▲Gメモリーズセレクション第一号の「キンゴジ」の原型。
最新のカラーバリエーション「氷山出現バージョン」は7月26・27日に発売です。


■先にするのは資料集めとラフを作る事

 ソフビの粘土原型を作る前にする事は資料集めです。
 作るゴジラが決まったら、そのゴジラが掲載されているムック本や書籍等をいつもチェックします。
 Gメモリーズセレクションは「カッコかわいく」のディフォルメですから、とことんリアルにこだわる必要はありませんが、最低限のそのゴジラの特徴や個性は把握しておきたいので、写真や画像以外にも劇中スーツの制作の流れに関しての記載があれば読むようにしています。
 そして見つけた特徴や個性、形状の確認も含めて、今度は映像を見直します。見ながらメモしたりラフを書く事もあります。
 次にするのはムック本等から、顔、全身、背びれの形状等がはっきりわかる写真を選んでコピーし、仕事場の私の机の周りの壁や窓に貼付けます。だいたいB4、A3サイズのものが10数枚。原型制作期間はずっと貼りっぱなしです。

 他のソフビメーカーさんですでに発売した事のあるゴジラを作る時、それらはなるべく参考にしないようにしています。
 造形的な部分では、リアルでもレトロでも作られた方のディフォルメや個性はどうしても入っているし、何度も見ていると気がつかないうちにそれらの先入観や影響がどうしても出てしまうおそれがあるからです。ゴジラの背びれの形状や突起の数等間違い(ごまかし?わざと?)があるものも多いのです。
 パーツの角度(成型の時の抜き方向の確認)や太さ等、どうしても気になる時だけ他社さんのソフビのその部分だけを参考にさせていただく時がありますが、造形的にはむしろ原型制作期間は他社さんのそのゴジラソフビはなるべく見ないように意識しています。

 ゴジラの場合、同じ作品の中でも劇中スーツを修復しながら使われたり、複数のスーツを使用されたりしています。そういう場合、造形的チョイスで迷う場合もあります。映像で見るものと実際の目で見る立体物では人間の見方によって当然違いますから、凹凸の大きさや位置等確認するのが大変です。
 そんな時だけかなりリアルに劇中スーツに近く作られているガレージキット商品を参考にする事があります。でも、そんな時でもなるべくダイレクトに受け取るのではなく「この人はこう作っているけど、自分はこう作ろう」とオリジナルの造形を意識するようにしています。

 必要な資料を集めたり、見たりしたら紙に簡単なラフを書きます。設計図というほどの大袈裟なものではありませんが、商品の等身大で前から、横から……といくつかの角度で。注意しておかなければならない事も自分がわかるように書いておきます。
 この時点である程度のディフォルメ具合が決まります。特にGメモリーズセレクションの場合、頭身を決めるのはかなり重要です。
 実際の劇中のゴジラを参考にしてディフォルメしながら書かなくてはなりません。
 そして成型時の抜き方向、ワックス原型の行程の影響も考えて、パーツをどこでどの角度で分けるようにするかも決めなくてはなりません。そのラインもラフに書き入れます。ここで甘い考えで作ってしまうと後で面倒な事になってしまうからです。

 ラフができたらいよいよ粘土です。

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