Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その310

2013年03月01日 | 制作裏話




▲「74ゴジラ ブラックバージョン」

4.顔の造形

特に注意した2つのゴジラの顔の違い

 2つのゴジラの造形は難しくも楽しいものでした。
 Gメモリーズセレクションでは、どの商品も「カッコかわいく」をテーマに作っています。それは最初から一貫して変わりません。
 ご承知の通り、ゴジラ映画では「メガロゴジラ」から親しみのある愛嬌のある顔に変わりました。それを受け継ぎ、「74ゴジラ」はより可愛さが増しています。人によって印象は違うとは思いますが、全ゴジラシリーズの中でも「可愛さ」という点ではこの2つが一番ではないかと思います。そういう意味では、もっともGメモリーズセレクションのテーマで作りやすいゴジラなのかも知れません。

 その通り、顔を作っている上では作りやすく楽しいものでした。ただ、2つ当時制作でしたので違いを明確にする部分は楽ではありません。
 違いを強調しすぎると、どんどんそれぞれがリアルになっていき、ディフォルメから遠ざかっていくのです。ディフォルメを強調していきすぎると、元々似ている2つがどんどん近づいていってしまうという事に陥ります。(最初に作った芯の部分に大まかに粘土を盛りつけたものはほとんど同じになり、我ながら「あれれ!?」となりました…笑)
 例えば、頭のてっぺん部分のモールドにも違いはあるのですが、より細かく差を表現していくとどんどんリアルに近づき、他の部分とのバランスをも崩してしまいます。ですからそういう細かに所は抑えめにして、はっきりと分かりやすい部分だけ…、目の形や大きさ等は逆に強調して完全に違うものに変えるなどのわかりやすい部分だけを強調する事で調整しました。

 口が「メガロゴジラ」は閉じて、「74ゴジラ」は半開きにしています。これは私の好みです。劇中で敵を睨みつけた時や歩いている時の何とも言えない表情に感じたシーンが印象的だったので、「メガロゴジラ」の口は閉じました。「74ゴジラ」は完全にメカゴジラと対峙した時のイメージです。大きく口を開けている時より半開きで向かい合っている時の方が雰囲気が出ると思ったためです。
 おそらく、どちらか1体だけの制作であればさほど悩まなかった所もあったと思いますし、制作時間も少ないと思うので発売はもっと早かったでしょう。頭部パーツに関しては、「2つ作る=倍の時間」とはやはりなりませんでした。時間も予想以上にはかかってしまいました。

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