Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ゴジラのシェー! その1

2010年11月19日 | 羽沢組的怪獣見聞録
「シェー!」のシーンきっかけは?

 今日は「大戦争ゴジラ グリーンバージョン」発売前という事で、『怪獣大戦争』の中で見られたX星でのキングギドラを撃退した後のゴジラのシェー!のシーンについての話をいくつか。

 以前ここでの「見聞録」で「シェー!」についていろいろ書いてみました(2008年10月8~10日の記事を参照)。ギャグの一つにいろいろと理屈っぽくなるのもナンセンスと思いつつも、今回「大戦争ゴジラ グリーンバージョン」を制作するにあたって、また改めて映像や資料を見直してみると、いくつか発見する事や思う事がありました。

■日本国中シェー!だらけ?
 この「シェー!」が赤塚先生のキャラクターのイヤミのギャグである事や、かつて流行したギャグである事は多くの方々がご存知の事と思います。が、現在40歳前半以下の方々にとってはどれほど当時世間に浸透していものなのかはピンとこない方も多いでしょう。
 流行していた頃は、テレビや雑誌を見れば、至る所でタレントや役者さんたちがシェー!をしています。『怪獣大戦争』と同時上映だった『若大将』の中でもシェーが見られるのは有名です。皇族の方も公の場でシェー!をしたというエビソードもあったぐらいですから、当時大人から子供まで日本国中でシェー!をしていたというのがわかります。
 ゴジラが劇中でシェー!をしたというのはインパクトが強く、今でもシェー!を語る上で、必ずと言っていいほど出てくるエピソードであるのはご承知の通りです。
 ちなみにアメリカではシェー!の意味が分からないため(そもそも意味はないんですが……笑)、公開された時(『サンダ対ガイラ』と同時上映)からゴジラのシェー!のシーンは「ダンシングゴジラ」として今でも語られているそうです。
 イヤミを知らない外国の方にシェー!を説明しろと言っても難しそうです。

■シェー!のシーンはどこから生まれた?
 劇中でのこのシェー!のシーンは、とういうきっかけで誕生したのか。以前から諸説様々でした。一番多く語られているのが円谷監督のひらめきでやってみようとなったという事。これが一般的に多く広まっていますが、ゴジラを演じられた中島春雄氏のアイディアで円谷監督が0Kしたとという説、現場にいた撮影スタッフのその場のアイディアという説……と、これまで多くの書籍、ムック、サイト等で違う内容で語られています。
 アイディアが出ても、中島氏が楽しんですぐできたという話もあれば、渋々やらされたという話もあり、これまたどれが事実なのかは定かではありませんでした。
 今年発売された中島氏の自伝「怪獣人生」で、氏が語られているように、アイディアの出所はやはり円谷監督。ゴジラのスーツでする事は他の方では難しいと思われるようなこのポーズも、氏にとっては大変ではなかったそうです(詳細は「怪獣人生」の方をどうぞ)。どうやらこれが真実のようです。
 円谷監督の流行に敏感な所やそれを取り入れようとするひらめき、中島氏の才能がわかるエピソードです。
 それにしてもどうしていろんな説がこれまで飛び交ってきたのでしょう? 不思議でなりません。