マレーシアの航空機はどこに行ったのか

　３月８日からマレーシアの航空機が行方不明になっているが、事件である可能性が高くなっているようだ。
　飛行機というのはVHFの信号を送るか衛星経由で位置や航路の情報をアップロードするかの方法で現在位置を管制塔などに通知しており、その信号が途絶えると管制塔は飛行機の追尾や管制が難しくなる。エンジンの状態を送信するトランスポンダの存在は意外性が高かったが、あまり追尾の役には立っていないようである。その航空機の機影をマレーシア軍が捉えていたというが航空レーダーというのは基本的に軍事用のものであり、民間機が追尾できたかについての情報はできていても識別能力を測られることを避けるためにほとんど一般には出てこないうだろうと思われる。マレーシアやインドネシア、シンガポールなどの防空識別圏に通知なしに入ってもレーダー性能が高くないためにスクランブル発信が行われなかったわけだが防空レーダーの性能というのは多くの国で今のところその程度である。
　行方不明になった直後にミャンマー軍が海上に通常ではありえないオイルの膜を発見したというがその膜が飛行機のものでないとわかると余計に組織犯罪に関与している可能性を感じる怪しさを醸し出している。発信装置を切った後に何時間も飛行し続けたことにも事件を匂わせる要素がある。
　マラッカ海峡付近でレーダーから消えたらしいので海賊がハイジャックして飛行機ごと盗んだ可能性があると私は考えているが本当のところはわからない。もしそうであったら、おそらく衛星写真でわからないように海上に置いておくのはかなり難しいので着水後に略奪してから爆破して沈めたはずである。本当にそういうことが起こっていた場合、乗客を人質として要求をしてくる可能性がある。この事件が人為的なものだった場合、マラッカ海峡付近にはアチェの独立を図るイスラム武装組織があるわけだが、クリミアのロシアへの編入成功に影響を受け、ジェマ・イスラミアなどと関連してこの事件を発生させた可能性が考えられる。